非原性歯痛と根管治療の限界
- 2016年9月14日 08:59
- 歯内療法日記
以前、治療をさせてもらった遠方の患者さんから
「痛みが取れないので治療した歯(私が)を抜きました」
と連絡がありました。
根管治療を専門でやっていると
「痛みが取れない」という主訴で患者さんが来院されることがあります。
http://eedental.jp/ee_diary/2016/03/post-1351.html
この「痛み」
感染して歯髄炎を起こしていたり、感染して腫れて痛いであれば
適切な治療を行えば痛みはすっきり取れることが殆どなのですが、
問題なのが痛みが長期化したりして
【体が記憶して脳が作りだす痛み】
これが厄介なのです。
最初は歯科治療を行った術後の痛みが原因なのですが、
不適切で闇雲に行う治療で痛みがなかなか治まらず、繰り返し治療をして更に痛みが増すパターン
が多いように感じます。
電話を頂いた患者さんも既に3回根管治療をしているとのことでした。
私が出来るのは歯の中の掃除であって、
歯の中に痛みの原因があれば根管治療を行うことで痛みが治まることがあります。
レントゲン上は病変所見もなく綺麗に治ってくれています。
ただ、痛みはあまり治まっていません。
こうなってしまうと歯内療法ではこの痛みの改善の見込みはなく、
こういった場合、神経系の病院での治療が必要になってきてしまいます。
患者さんにしてみれば、
まだ根管治療に問題があり痛みが治まらないと思ってしまうと思いますが・・・
個人的には根管治療から3か月痛みが治まらなければ専門医の歯科医院に相談された方がいいと思います。
長期化した痛みが治るかどうかやってみないと分かりませんが、普通の根管治療より回数も期間もかかります。
毎回書きますが、「歯科治療は最初が肝心です」
また「歯科治療は誰に治療してもらうか?」
というのが非常に大きなポイントになります。
今回私のできる限りの治療をさせて頂いたのですが、結果抜歯となってしまいました。
*非原性歯痛の厄介な所は抜いても痛みが取れないこともありますので注意してください。
典型的なパターンは他の歯に痛みが移りまた根管治療が始まり⇒抜歯の繰り返しになることもあります。
非原性歯痛は根管治療の成功率が100%にならない原因の1つの理由でもあります。
- 購読
- Powerd By