Home> 歯内療法日記 > 大変な感染根管治療のレッジ修正
大変な感染根管治療のレッジ修正
- 2017年2月10日 09:04
- 歯内療法日記
根の先に病変が出来てしまった患者さん
またご丁寧に長い金属の芯(土台)が・・・
*抜髄時にこんな治療の妨げになるポストいらないのです(■Д■;)
ただ、この芯を外さないと根管治療がスタートしないので、
歯の中の金属除去からスタート
治療スタート15分
超音波のブーストモード(MAX)で難なく金属の土台を外せました(・∀・)
さて、第二関門
前の先生が太く削った場所から元の神経管を探す
赤い線の部分が感染しているであろう神経管
図にすると簡単そうなのですが、実は『超難度』です。
簡単な例えでいえば、
『暗闇の部屋の中で落とした10円玉探すようなものです』
それを手の感覚だけで行うのが従来の方法でした。
が、
今は顕微鏡や、CBCTなどを駆使して元の神経管を探します。
*ただ、これらの道具があっても探すのは難しいです。
『暗闇の部屋の中で落とした10円玉を探す際に豆電球を得たようなものです』
私は先が0.1mmのマイクロオープナーで怪しい入口を探ります。
この道具でブッサ、ブッサ怪しい場所をさしていきます。
見つかると0.1~0.2mm程度先が歯の中に入り込みます。
見つかればそこに0.06mmのファイル(ヤスリ)で探りを入れます。
0.06mmの道具が入れば、そこをきちんと拡大・洗浄して
根管充填後+レジンコア(ポストなし)
この後治ってくれるかは経過観察をしていきます(・∀・)ノ
知っておいてもらいたい根管治療について、
神経を初めて取る治療を【抜髄】と言います、こちらは細菌などは殆どいません。
その最初の根管治療に問題があるとやり直し根管治療を【感染根管治療】と言いますが、こちらは細菌感染しており問題が複雑化しています。
手技的に言っても
抜髄は誰も触っていないので、傷や医原性の問題もなく比較的スムーズに治療が進みます。
問題なのは感染根管治療、前の治療の問題点を解決しつつ細菌まみれの歯の消毒を同時に行わないといけないので非常に難易度が格段に上がります。
私の感覚では抜髄に比べ感染根管は3~5倍手間がかかります。
おかしなことに保険治療では手間のかかる感染根管治療の方が抜髄より
治療費が安く設定されており世界的にも摩訶不思議な治療費設定です。
*大昔バイト先の先輩に
「【治療費が安い=そんなに力を入れてやらなくていい】という国の方針だから」と習いました。←そんなことはないんですけどね(笑)
ホント感染根管治療は手間のかかる治療であること覚えておいてくださいヾ(・ω´・)
- 購読
- Powerd By