かけた歯の根尖病変
- 2020年4月14日 08:58
- 歯内療法日記
40代の女性患者さん
前歯の治療中でしたが、奥歯の歯がかけたとのこと腫れや痛みはないとのこと
見せてもらうと大きな銀歯が入っており、根の先には根尖病変×2、銀の下には大きな虫歯。。。
紫色の〇の部分が虫歯ですが、銀歯と歯の適合が悪く磨き残しが長期にわたるとこのような虫歯となってしまいます。
2次カリエスの多くは詰め物と歯の境界線から発生します。
根管治療スタート
虫歯が歯茎の中に入り込んでいたので、電気メスを使い、お決まりの縁下からレジンで隔壁
一度歯の中の人工物を除去と見逃されていたMB2を穿通・拡大・洗浄
2回目の根管治療で根管充填まで
根尖が開いていた為MTAを使用
口蓋根の根尖が2つありましたが、人工的に作られたのかは分かりませんでした。
今回のケース
根充後、しばらく痛みが続いてしまいましたが、患者さんに根充後の痛みは
文献的に「2か月後には99.1%の患者さんの痛みは引く」からこのまま待った方がいいと説明させてもらい経過観察
3か月後には殆ど痛みは引いてきたので、このまま待ってもらい
9か月後のレントゲン診断
症状などは完全に引き、レントゲンでもかなり綺麗に骨が出来てきてくれています!
根管充填後に痛みが出ると、すぐに人工物を外すからドツボにハマる患者さんのケースも多いですが、
基本的に虫歯をしっかり取り隔壁をきちんと作り、ラバーダムをして顕微鏡下で行った治療後の痛みは待った方がいいです。
根管治療は【小外科手術】です。
無痛で終わる場合もありますが、根管治療は根の先の骨や肉を突き消毒液でその部分を触り、
最後に歯の中に人工物を詰めていますので術後痛んでしまう歯は出てしまいます。
歯に痛みが出ると非常に不安になってしまいますが、適切な処置と適切な判断を行なえば歯の保存が出来る場合もあります。
と言っても全ての歯が保存できる訳ではないので、今回のケースもたまたま上手く行ったと言うべきかもしれません(笑)
ここまで治癒傾向がみられるので、この後クラウンを製作します。
当然段差が出来るだけ無いようには作りますよ!
根管治療後の長期感染予防はクラウンの適合と質に依存しますからね。
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