抜歯宣告された歯の根管治療
- 2021年2月20日 09:07
- 歯内療法日記
患者さんは30代女性
ずっと続く違和感があり、歯茎から膿が出てくる為、近くの歯科医院に行くと
「抜歯した方がいい」といわれ、何とか残せないものかとEEデンタルへ
レントゲンを撮らせてもらうと
根管治療を過去にしたような跡は見られるのですが、かなり中途半端なフィニッシュのようで・・・
根の先に大きめの病変初見+根分岐部の骨も無くなっている様子。
確かにこの歯の保存は難しそうなので、「抜歯」というのも1つの選択肢には入ってくると思います。
患者さんは歯の保存を希望されたので、根管治療で歯の保存を試みました。
治療1回目
過去の治療で神経管はかなり太く削られており、根管内が空洞であった為か根管内はかなり汚れていた。
治療2回目
歯茎からの膿もとまり、腫れや痛みも無くなった為根管充填
*根の先も太く削られておりMTAにて根管充填
レントゲンでは近心オーバー根管充填、遠心根微妙にショート根管充填
*意図的に行った訳ではありません・・・
レントゲン検診
5か月経過ですが、綺麗に骨が出来てきてくれています。
懸念していた根分岐部の骨も綺麗に出来てくれています。
この所見であれば歯を抜かずにすみそうです( ・ω・)ノ
抜歯宣告された歯、個人的には折れていたら抜いたほうがいいと話しますが、
根管治療由来での抜歯宣告であれば、抜く前に歯内療法専門医に一度相談されるのも1つですよ。
先日もインプラント押しの歯科医院に受診したら2本抜歯と言われ心配でEEデンタルへ
見せてもらうと、
「痛み、腫れもなく咬めているこの歯抜いちゃうの!?」
「以前の治療の質はあまり良いとは言えませんが、膿んでもいないし使えているのなら使えるまでこのまま使ってみては!?」
という患者さんがおられました。
抜歯基準という画一的なものは存在せず、その歯科医師の技術と経験則で判定が下されます。
丁寧な治療を行うことで残せる歯も存在するということは知っておかれた方がいいと思います。
*難しい所ですが、保険治療の歯の保存の評価が低すぎて労力に見合った診療報酬でない為
そこまで保険治療では手をかけれない現状は確かにあります。
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