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マニアックレジン: 2020年6月アーカイブ
歯科のメンテナンスとステルス虫歯
- 2020年6月20日 09:10
- マニアックレジン
基本的にEEデンタルは治療だけでメンテナンスは一切しておりません。
理由は歯周治療をしていないのと専門性を絞りたいので。
治療後は、近所の歯科医院でいいから年に1回ぐらい見てもらってね。
そこで何か言われたら電話して来てください。
全顎治療をさせてもらった患者さんで心配であれば4~5年後にまた全顎検査を行いチェックをしています。
メンテナンスをしていない為
「定期検診を受け続けないと保障が利かない」ということはありません。
治療日から換算して5年はかけたり、被せ物が外れたりしたら無料で治します。
*再初診代(11,000円)はかかります。
名古屋方面の患者さんでどこかメンテナンス出来る歯科医院をと言われれば、
私は渡邊先生のノアデンタル(自費専門)を紹介しています。
理由は、「治療に対する考え方が似ているから」
と
「顕微鏡、CBCTなどEEデンタルと同じ設備があり診断基準が似ているから」
になります。
基本的に私は歯科医師の交友関係は非常に狭く
「〇〇県の根管治療が上手な先生を教えて」と言われても「知らない」となってしまいます。
先日こんなケースがありました。
5年前に全顎治療をさせてもらった患者さん
今年に入り左上がしみるとのことで来院、レントゲンを撮るも問題ないので
「とりあえずシミテクトで磨いて様子をみてください」となり、
裸眼でさっと見て特に口の中も問題なさそうなので終了
10日後患者さんからメールがあり
ノアデンタルで右上に虫歯が見つかったので治療してもらえますか!?と連絡が
当日見てみると、
中程度の虫歯が・・・
患者さんにはレジンで治療すると説明し
セパレーターテクニックで必要最小限の切削で治療
その時の治療動画
*術前の状態で虫歯と裸眼ではまず分かりません。
レントゲンで当りを付け、顕微鏡でじっくり観察すると0.5mmぐらいの小さな穴が開いていました。
大人の虫歯は歯と歯の間から発生することが多く、1年に1回ぐらいレントゲンでチェックしてもらいましょう。
You tubeにも書きましたが、「メンテナンス=歯石取り」ではありませんからね。
個人的にはメンテナンスをするなら、歯石を取るより染め出しによる歯磨き指導をしてくれる歯科医院をお勧めします。
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CRendodontist の全顎治療
- 2020年6月17日 09:17
- マニアックレジン | 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
患者さんは30代女性
詰め物の下の虫歯が多いので詰め物(銀歯・レジン)を一度取り替えたい
との主訴で、全顎治療をさせてもらいました。
上顎
下顎
綺麗では!?
そう、これは【術後】の状態で、
【術前 ⇒ 術後】
レジン治療:20本
歯内療法:1本
セラミッククラウン:2本
右上6の歯茎の下深くに及ぶ虫歯の歯だけ神経の処置を行いました。
「レントゲン」
銀歯の下はことごとく虫歯になっております。。。
私は神経の治療の専門医ですが、レジンも専門なので、残せる神経は全てレジンで神経の保存
神経を取らなくてはいけない歯は、歯内療法専門医の技術で!
レジンの師匠、高橋先生命名の「CRendodontist」ですからね(笑)
矢印部分は外科的レジンを応用して隔壁を作ります。
あまり注目されませんが、根管治療時の「隔壁」って意外と技術が必要です。
この精密さによってリケージ(隙間からの細菌感染)の有無も関係してしまうと思っています。
そして、仮歯で経過をみた後の今月セラミッククラウンSet
遠心はレジンマージンで処理
なかなか綺麗に治療で来たのではないでしょうか。
治療期間1年
遠い所お疲れさまでした!(^。^)
歯ブラシとフッ素洗口頑張ってくださいね!
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ファイバーコアって、ホントにいいの!?
ネットの登場で一般の方でも容易に歯科情報を得ることが出来る時代です。
気になるのが「ファイバーコア」の記載
「ファイバーコア」とは【レジンコア】の中に『グラスファイバー』の芯棒を入れたものが「ファイバーコア」であり
棒が入っているか入っていないかで、「ファイバーコア」or【レジンコア】と名前が変わります。
ネットの情報では【メタルコア】、【レジンコア】に比べ「ファイバーコア」は優れているような書き方していますが・・・
ホントに!?
・ファイバーコアは歯を強化するのか!?
⇒ しません。
むしろファイバーコアを作る為の歯の切削の方が歯にとってはダメージな面もあります。
・ファイバーコアは歯根破折防止になるのか!?
⇒なりません。
ただしメタルコアより歯に対する大きなダメージは少ないとは言えます。
基本、私はあまり「ファイバーコア」を作りません。
だいたい9割ぐらいはレジンのみの【レジンコア】
前歯のフェルール(歯茎の上の健康な歯)がない場合の1割程度が「ファイバーコア」
メタルコアはわざわざ金属を使う必要はないと判断し、メタルコアは開業以来作っていません。
過去に「えっ!?自費治療だからファイバーコアでは!?」
と言われたことがありますが、それは昔の保険治療のルールね(笑)
また年に1人ぐらい土台はファイバーコアじゃないといけないと勘違いしている患者さんもおられますが、
じゃあ、ファイバー(芯棒)を入れる意味って「何」!?何か大きなメリットあるの!?と質問したいのですが、
歯の破折防止なども言われますが、ファイバーコアでも折れる時は折れます。
個人的にはファイバー云々の前に、
歯質の残存量と咬合の問題の方が破折に関しては大きなファクターだと思います。
物事には必ずメリット・デメリットの2つが存在しますが、
私はファイバーをいれることによるデメリットが非常に気になります。
1、ファイバーを入れるために健康な歯を削る
2、ファイバーに接着処理が必要(メンドクサイ)でこれをしないとレジンと密にくっ付いていないとされ、逆に中空構造となり土台の強度を下げます。
3、ファイバーコア用のレジンは1塊で詰める為レジンの重合収縮が非常に大きい(歯と土台の間に隙間が出来る)Cファクターの概念とか全無視!
私は重合収縮が気になるので、顕微鏡下でレジンを15回ぐらいに積層してコアを詰めます。
4、デュアルキュア用のボンディング材もレジンも深い所では光が届かない為、深い部分は固まっていないように思える
(過去に自分のやったものを3回外しましたが先の方はべちょべちょ不完全重合っぽかったです)
5、デュアルキュア用のレジンは製品に大きな気泡が多い(コアの中が空洞となり強度の問題に繋がる)メーカー出荷時に既に気泡が入っています。
5、間接法でファイバーコア行う場合、かなり工夫しないと根管への細菌感染のリスクがある。
レジンコアに比べてのファイバーのメリットは個人的には多少「しなる」ぐらいしか感じません ← 個人的なイメージです。
以上のことより私はデメリット面から考えて「レジンコア」で問題が出そうなケース以外は
わざわざファイバーなどは入れていません。
後、ファイバーと言っても色々あり
ある先生に中国製のメッチャ安い、怪しいファイバーもらいましたが、
「これ大丈夫なのか・・・!?」と不安に
個人的には、接着さえクリアーできれば、ファイバーより釣り竿の低弾性カーボン繊維の方が優れているんじゃないかと思います。
だって、今の釣り竿凄いですからね。
実際治療のステップが多ければそれだけエラーが出やすくなり、
レジンコアよりテクニカルエラーが出やすいのがファイバーコアであります。
先日治療させてもらった患者さん
ファイバーコアは入っていますが、歯質と隙間だらけ・・・
今にも抜けてきそうな状態です。
一度外して治療しなおしました。
健康な歯質が2壁あったのでファイバーは入れる必要なしと判断し「レジンコア」
「教科書」と【臨床(実際の治療)】は違います。机上の空論であることもあります。
棒1本で飛躍的に成功率、生存率が上がる訳ではありません。
メリットの裏にあるデメリットの面から材料や治療を選択することも私は重要だと考えますヽ( ̄▽ ̄)ノ
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メタルコアごとクラウンが取れる理由
患者さんは50代男性
前歯の被せが土台ごと外れてきたとのこと
レントゲンを撮ると
歯茎の上には健康な歯はなく根の先に根尖病変、また歯根吸収も見られます。
患者さんは残す方向で治療をしたいとのこと
治療を開始すし、残っている汚れ&セメント&虫歯を除去していくと
*青い線がヒビ(クラック)
あぁ。。。
金属の土台毎抜けてくるのは、
このようにフェルールがなくクラックが入った歯が多い気がします。
*歯根が正常な時は「O」の字、クラックが入ると「C」の字になり土台が緩みます。
またこのようなケースは上の前歯にたまに見られます。
後、今回のように土台毎抜けてきた歯は再びくっ付けない方がいいです。(歯が折れる原因になります)
歯というのは下の前歯が上の前歯の裏に隠れるように生えています。
横から見ると
つまり【下の歯は押す側(攻撃)】、【上の歯は押される側(防御)】
押される側(防御側)が限界に達すると上の歯にトラブルが起こりやすくなります。
このような前歯がダメージを受けるケースは
1、50代以上の患者さんに多い
2、前歯で歯軋りをする人
3、奥歯の治療が多い人
奥歯の治療をすると必ず噛み合わせは下がります。
⇒奥の噛み合わせが下がるとその負担は前歯に移行し、最終的には上の前歯が負担を受けてしまいます。
*土台毎抜けるには抜けるなりの理由があります。
今回の患者さんも1,2、3全てが合致し・・・
患者さんには、抜歯するか!?
ただ骨の方に所見がないので、やるだけやってみるか!?
と
説明し、出来るなら保存にトライしたいとのことで
1回法で仮歯まで制作
根尖は大きく開いていた為、「MTAプラス」を使用
患者さんに咬合のことを説明し仮歯は強く当てないように配慮
していたのですが・・・
前歯の治療から4か月後に電話があり
「土台から抜けてきた・・・」
見せてもらうと
前回の破折線に沿って唇側の歯が折れている・・・
また患者さんと相談して、こんなケースあるけどやってみます!?
http://eedental.jp/ee_diary/2019/03/-per.html
注意:【外科的レジン】今の教科書的な方法ではありませんのであしからず。
「残せるのであればと、トライさせてもらいたい」とのことで
また縁下(骨辺縁)からレジンでビルドアップしてファイバーコアを立て
仮歯を入れ経過観察
*私はフェルール(歯茎の上の歯)のない前歯にはファイバーを入れますが、フェルールがあればファイバーは入れません。
後、大臼歯はフェルールが無くてもファイバーは入れません、噛み合わせのベクトルの問題だと考えています。
このまま半年以上様子をみますと説明し、経過観察
していたのですが・・・
また電話がかかってきて、
「先生今度は隣の歯が割れました・・・」
これも夜間の歯軋りによるものだと考えられます。
とりあえず、レントゲンを撮ると
仮歯の歯は良い感じで根尖病変も治ってきてくれています。
割れた歯はレジンで修復
C色なので色はカラーステインを使って作りました(笑)
ブラウン、ラベンダー、ホワイト、グレーステイン
で、仮歯で生活しながら様子をみて治療から1年3か月
問題のないことを仮歯で確認してようやくセラミッククラウンSet
レントゲン
綺麗に修復することができました!ヾ(・c_・ ) ノ
今回は下の歯の突き上げの影響で起こった問題であったので、下の歯を少し削らしてもらい
治療した歯に強く噛み合わせが行かないように配慮させてもらいました。
*2年おきぐらいに噛み合わせの治療性は必要とも説明
個人的には、クラックの保存はあまりうまく行くイメージがないのですが、
外科的レジンは患者さんがきちんと歯磨きだけしてくれれば比較的予後は良い気がしています。
先日も問い合わせがありましたが、
「外科的レジン」手間のかかる方法ですしメジャーな治療になることはないでしょうね(笑)
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