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ファイバーコアって、ホントにいいの!?
ネットの登場で一般の方でも容易に歯科情報を得ることが出来る時代です。
気になるのが「ファイバーコア」の記載
「ファイバーコア」とは【レジンコア】の中に『グラスファイバー』の芯棒を入れたものが「ファイバーコア」であり
棒が入っているか入っていないかで、「ファイバーコア」or【レジンコア】と名前が変わります。
ネットの情報では【メタルコア】、【レジンコア】に比べ「ファイバーコア」は優れているような書き方していますが・・・
ホントに!?
・ファイバーコアは歯を強化するのか!?
⇒ しません。
むしろファイバーコアを作る為の歯の切削の方が歯にとってはダメージな面もあります。
・ファイバーコアは歯根破折防止になるのか!?
⇒なりません。
ただしメタルコアより歯に対する大きなダメージは少ないとは言えます。
基本、私はあまり「ファイバーコア」を作りません。
だいたい9割ぐらいはレジンのみの【レジンコア】
前歯のフェルール(歯茎の上の健康な歯)がない場合の1割程度が「ファイバーコア」
メタルコアはわざわざ金属を使う必要はないと判断し、メタルコアは開業以来作っていません。
過去に「えっ!?自費治療だからファイバーコアでは!?」
と言われたことがありますが、それは昔の保険治療のルールね(笑)
また年に1人ぐらい土台はファイバーコアじゃないといけないと勘違いしている患者さんもおられますが、
じゃあ、ファイバー(芯棒)を入れる意味って「何」!?何か大きなメリットあるの!?と質問したいのですが、
歯の破折防止なども言われますが、ファイバーコアでも折れる時は折れます。
個人的にはファイバー云々の前に、
歯質の残存量と咬合の問題の方が破折に関しては大きなファクターだと思います。
物事には必ずメリット・デメリットの2つが存在しますが、
私はファイバーをいれることによるデメリットが非常に気になります。
1、ファイバーを入れるために健康な歯を削る
2、ファイバーに接着処理が必要(メンドクサイ)でこれをしないとレジンと密にくっ付いていないとされ、逆に中空構造となり土台の強度を下げます。
3、ファイバーコア用のレジンは1塊で詰める為レジンの重合収縮が非常に大きい(歯と土台の間に隙間が出来る)Cファクターの概念とか全無視!
私は重合収縮が気になるので、顕微鏡下でレジンを15回ぐらいに積層してコアを詰めます。
4、デュアルキュア用のボンディング材もレジンも深い所では光が届かない為、深い部分は固まっていないように思える
(過去に自分のやったものを3回外しましたが先の方はべちょべちょ不完全重合っぽかったです)
5、デュアルキュア用のレジンは製品に大きな気泡が多い(コアの中が空洞となり強度の問題に繋がる)メーカー出荷時に既に気泡が入っています。
5、間接法でファイバーコア行う場合、かなり工夫しないと根管への細菌感染のリスクがある。
レジンコアに比べてのファイバーのメリットは個人的には多少「しなる」ぐらいしか感じません ← 個人的なイメージです。
以上のことより私はデメリット面から考えて「レジンコア」で問題が出そうなケース以外は
わざわざファイバーなどは入れていません。
後、ファイバーと言っても色々あり
ある先生に中国製のメッチャ安い、怪しいファイバーもらいましたが、
「これ大丈夫なのか・・・!?」と不安に
個人的には、接着さえクリアーできれば、ファイバーより釣り竿の低弾性カーボン繊維の方が優れているんじゃないかと思います。
だって、今の釣り竿凄いですからね。
実際治療のステップが多ければそれだけエラーが出やすくなり、
レジンコアよりテクニカルエラーが出やすいのがファイバーコアであります。
先日治療させてもらった患者さん
ファイバーコアは入っていますが、歯質と隙間だらけ・・・
今にも抜けてきそうな状態です。
一度外して治療しなおしました。
健康な歯質が2壁あったのでファイバーは入れる必要なしと判断し「レジンコア」
「教科書」と【臨床(実際の治療)】は違います。机上の空論であることもあります。
棒1本で飛躍的に成功率、生存率が上がる訳ではありません。
メリットの裏にあるデメリットの面から材料や治療を選択することも私は重要だと考えますヽ( ̄▽ ̄)ノ
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