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歯内療法日記: 2014年2月アーカイブ

最近のニッケル・チタンファイルの勘所

週末講演を聞きに行っていたら、ある先生からまたまたファイルのことで質問を受けました。

 

質問:「#10を通した後にボルテックスファイル(#15 テーパー06)がなかなか穿通しにくい」

 

確かに、通りにくいケースはあります。

特に石灰化根管でボルテックスを通すのが難しい、怖いケースがあります。

EEdental asa.jpg

 

そこで、私のやっている方法を

まず#10Kファイルが穿通したら、Ni-Tiファイルのガイドを太くする為に

#10Kファイルを根尖から1~1.5mm出した状態で円周ファイリングを行います。

 

 

この時のポイントは#10Kファイルの先端を根尖から出しておくという所です。

理由1、レッジが出来るのはファイルの先端です。先端さえ外に出ていればレッジは理論上出来ません。

理由2、ニッケルチタンへの拡大の為、ある程度太いガイドを作っておきたい為。

 

 

根尖からファイル出して大丈夫か!?と思われても仕方がありませんが、

ブキャナン先生などシルダー派の先生などは大丈夫と言います。

 

0.1mmの清潔な道具ですから、大丈夫かと。

ハンドファイル#10から#15というのはファイルの拡大率で考えると?

スライド参照

EE semina-.jpg

 

#10⇒#15の拡大は、 直径0.1⇒直径0.15ですから 拡大率1.5倍な訳です。

因みに、#15⇒#20は1.33倍 #35⇒#40は1.14倍

ハンドファイルの1つの山場はここなんです!

 

私の解決策、

#10を1mm出すと根尖は#12Kファイル (#10を2mm出すと根尖は#14Kファイルとなります)

ですので、ファイルを1mm根尖から出すことで、#12⇒#15 拡大率1.25とファイルの拡大率を下げることが出来ます。

  

 

ただ、手でシコシコファイリングするのがメンドクサイので、私はM4コントラ(廃盤)を使用しています。

DSC00315.jpg

現在ナカニシから同じようなものが販売されています。

http://www.japan.nsk-dental.com/ja/products.html?page=shop.browse&category_id=21 

(たぶん 製品名;TEP-Y でいいはず)

 

2分ぐらい行えば手でも同じことできますが、母指内転筋が痛くなるのが嫌なゆとり世代の私(嘘)は、

M4コントラで20~30秒ぐらいでガイドを大きくしてしまいます。

 

 

 

石灰化で殆ど根管がなくなっているようなケースには#06(先端が0.06mm)のものを使用します。

EEdental 06.jpg

*好きなのは、#06、#08、#10のジェットストリームアタックです(←何のこっちゃ)

その後ボルテックスを通す訳ですが、ポイント

1、絶対押さないこと!

押せばファイルは折れます。

 

同じ所からなかなか進まない場合は、この度発売のプロテーパーNEXT の『X1』を通します。

X1は04テーパー #17なので

NEXT1.jpg

ボルテックスの#15 テーパー06が抵抗を受けていた場所をすんなり修正してくれます。

(Ni-Tiファイルは先端が引っ掛かって止まることは少なく、ファイルの側面の抵抗でファイルが進まなくなります)

 

 

このX1の形状は他のファイルと異なり、三国志の張飛の蛇矛に似てクネクネしています(笑)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%87%E7%9F%9B 

zya.jpg 

 

相変わらず分かりにくい例えで申し訳ない・・・

 

 

 

X1通して、その後ボルテックスに戻る

ボルテックスが#15 テーパー06なので少し拡大不足なので、プロテーパーF1~F2で最終拡大

 

ただ、この拡大だと垂直加圧の根管充填がしにくいので、根管口付近をGTファイル(2世代) #35 テーパー12で根管口付近を形成

 

*垂直加圧をするのにテーパーが07以上あった方が根管充填しやすいとの報告もあります。

(私もそう思います)

 

まとめると、

1、マイクロオープナー #10 テーパー06で根管口を探し、20回ぐらい根管口入口をあける

o-puna-.jpg

2、Kファイル #10 で探りを入れる、この時ファイルを押すだけで入る所まで入れる。

3、#10を入れた所を越えないように、ボルテックスを入れる

4、再び Kファイル#10を入れる (入りづらかったらこの時点でGT #35 テーパー12で根管口を拡大)

5、穿通後、Kファイル #10を根尖から1mm出してガイドを太く(#10が通りにくかったら、デンツプライのC+ファイルを併用してもいいですね)

6、ボルテックスで穿通

  穿通出来なかったら、プロテーパーNEXT「X1」を入れる(たぶん殆どのケースで穿通可能!)

7、最終拡大でプロテーパーF1~F2で拡大

8、根管充填の為に根尖を#30~#35ぐらいに整える

EEdental 6.jpg 

 

基本的に慣れてくれば少ないファイルの本数で形成可能なのですが、

初めのうちは無理せず、手が迷う、止まるになったら、ボルテックス入れたり、プロテーパーNEXTのX1入れたりと、交互に入れればお互いの弱い部分をカバーすることが可能です。 

 

さがら先生、こんな感じでいかがでしょう!?

DSC00298.jpg

先日は見学させて頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

 

 

半導体レーザー買おうかな(^ー^ )

 

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珍し側切歯の象牙粒

昨日歯の中の石灰化の話を書きましたが、

歯の中の石灰物の大きなものを『象牙粒』と言います。

この象牙粒は奥歯にあることが多いのですが、

EEdental y.jpg

青丸の部分の白い丸いもの

 

 

極々稀に前歯でも見つかります。

*写真真ん中の白い米粒のようなもの

EEdental F.jpg

歯根未完成歯で大きな病変がありましたが、1年で綺麗に治ってくれました(ノ・ω・)ノ

 

 

前歯の側切歯(2番)って歯の喪失率が高い歯なのでしっかり治療しおいた方がいいですよ。

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歯を残す為の積極的な根管治療(石灰化根管)

エンド200回記念の今日の歯は、

神経部分に石灰化が起こり神経が勝手に死んでしまったケース

 

EEdental kaw3 (1).jpg

奥から2本目の根の先端の歯根膜腔が広がっています。

 

このレントゲンを見ると、神経生きているのか、死に始めているのか診断が難しい所だと思います。

 

 

健康に見えていても実は神経が死んでいるケース

論文でも、そういった歯の診査はCBCTの方が正確に分かるそうです。

当院にも稼働率の低いCBCTはあります:CT設置 

極端なケースで言えば、デンタル(小さなレントゲン)で健康と判断した歯のでも、

CBCTで診査すると神経が死んで病変所見が見られるとの報告もあるそうです。

 

ただ、そういった歯に積極的な根管治療をした方がいいか!?というのはまだ議論の余地がありそうですが・・・

 

 

 

今回のレントゲンのケースは神経部分の石灰化が著しく、

これ以上石灰化が進行すると歯を残す為の治療が不可能になると思い治療に介入を行いましたヾ(・_・;)

 

*石灰化:歯の防御反応で神経がどんどん細くなる現象

歯の神経を残されたい方へ注意事項 から

EEdental mokei.jpg

直径が0.5mm近くあった神経も直径が0.1mm近くに細くなったり、更に進行すると神経自体が消えてしまうこともありますヾ(;☆ω☆)ノ

今回の患者さんは今全体的に歯を治しており、3ヵ月後に別方向からレントゲンを撮ってみました。

EEdental kaw3 (2).jpg

根の先に影らしきものが少しはっきりしてきました。

 

ただ、神経管は絶望的なぐらい閉鎖してしまっています(´-ω-`;)ゞ

 

 

こういう歯を見ると俄然やる気が出るのが歯内療法専門医

ラドル先生の言う「エンドドンティクス ゲーム!」スタートですヾ( ̄0 ̄; )

 

歯の神経管部分を探ると小石のような(右下の赤丸)石灰化物が根管内から出るわ出るわ!

EEdental kaw3 (3).jpg

0.06mmと0.08mmの道具を駆使して、根管内を探ります。

 

治療すること1時間半、3本の神経管を探し削り取ることができました(✪ฺД✪ฺ)

 

 

 

こうなれば、通常の治療と同じ、2週間間隔をあけ症状のないことを確認して根管充填

EEdental kaw3 (4).jpg

綺麗に3本の神経管の治療が終わりました!

 

今回は、マイクロスコープと、極細ファイル、根管の攻め方、全てのテクニックがドンピシャにハマりました。

(こうならないと上手く行かないと最初から分かっているんで、燃えてしまうんですよ(笑))

 

 

神経の治療の介入というのは非常に大切で、時期というもので成功率が変わってもしまいます。

また、中途半端な神経保存後に、症状のある歯はこのような神経は弱りつつ防御反応で神経管が細くなる現象が起こることもあり、

「経過を見ましょう」が結果として治療の難易度を極端に上げ歯の寿命を縮めることもあります。

 

 

私も基本神経は残す派ですが、悪くなった時の次へのステップは患者さんの歯を守る意味ではっきりと決断します。

 

 

3Mix、ドックスベスト、MTAなど神経保存の治療法は色々ありますが、

悪くなリ過ぎた歯の神経保存は個人的にはあまり勧められませんねヾ(´ω`;)

 

さてさて、今回の歯病変はうまく消えてくれるのでしょうか!?

ここから経過を追います( ・∀・)ノ

 

 

 

注意:今回の根管治療が綺麗に出来た1番の要因は、私が一番最初に治療をさせてもらえたことです。

 

患者さんは同じ歯なのだから、転院しても同じ治療をしていると思われがちですが、

このような閉鎖根管は、他の先生がファイルなどで根管内に0.3mm程度の傷を付けられると、

体に残されたヒントが全て消えてしまい倍の時間をかけて、0.06mmの道具を用いても神経を探せなくなります。

 

 

ホント、根管治療は最初の最初に誰に治療してもらうかの1発勝負です(もの凄い極論だけど(>ω<;))

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中途半端な神経保存はお勧めできない理由

歯の神経を残されたい方へ注意事項

http://eedental.jp/ee_diary/2010/10/post-166.html

でも書きましたが、神経の保存を行い悪い方へ結果が出てしまうと、

歯の保存が非常に難しくなってしまいます( ̄Д ̄;)

 

 

治療によって神経が死んできても、それはある日突然神経が100全部死ぬわけではなく

徐々に神経が弱って数週間~数か月かけて死んでくることもありますヾ( ̄□ ̄)

 

 

厄介なのが、この死にかけの神経、死ぬなら一編に全て死んでくれた方がまだいいとも思えてしまうことも多々あります。

 

今回のケースは、

EEdental kaw2 (1).jpg

術前:断髄(神経の一部を取る)がされており、銀歯の中は虫歯だらけで要治療状態

術後:根管が石灰化しており神経管が無くなっている

(石灰化:体の生理的な防御反応として神経管が狭くなっていく)

術後1年:根の先に病変(膿)が見られるように・・・

 

個人的には術前の手抜きにも思える治療で問題が出なくて、

何でラバーダム+顕微鏡で処置してこんな結果に・・・

 

と非常に腑に落ちない結果になってしまいました(ー△ー;)

 

患者さんに状況を説明して、外科的歯内療法で最後の歯の保存を試みました。

EEdental kaw 2.jpg

レントゲンをよく見ると、根の先の方に石灰化しきれなかった細い神経管が存在しているのが分かります。

 

外科処置の際にはその極細の神経管を顕微鏡で探し出し、その部分の掃除と詰め物を行いました。

 

術後半年経過しましたが、症状などは一切なく経過していますヽ(・∀・)ノ

 

 

 

 

ホント、中途半端な神経の保存は避けられた方がいいですよ(ノ´д`)ノ

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歯内療法専門医のとしての意地!(移植歯の根管治療)

東京の口腔外科専門医の畑田先生から移植が終わったと連絡がありました。

EEdental tu (1).jpg

移植した歯は一度引っこ抜いているので、神経を取る必要があります。

 

 

ただ・・・

 

 

畑田先生が添付してくれた画像を見ると・・・

 

 

なんじゃこらぁ~!(((((( ;゚Д゚)))))

EEdental tu (2).jpg

鬼のような湾曲。。。

畑田先生どうやって折らずに抜いたんだかが不思議なんですが・・・

 

恐るべし口腔外科専門医!( ̄ロ ̄;)

 

 

根の先端の湾曲度が強いので根管治療の「難易度が高い」と言える歯です。

 

 

ただただ・・・

 

 

この歯。。。

EEdental tu (3).jpg

ファイルを入れる度にファイルの先端がクニャクニャになり再起不能

これは元々の根管の形態を表しているのですが、

EEdental tu (4).jpg

よく見ると、湾曲がらせん状になっています。

 

もう、そうなると「難易度が高い」ではなく『超難度』!il||li(つд-。)il||li

 

 

ハンドファイルが10本以上再起不能になりながら、

今日ようやく根管充填を行いました。

EEdental tu (5).jpg

メチャクチャ手ごたえのある根管治療でした゚+.(・∀・).+゚

 

 

移植歯なので今回治療を引き受けましたが、親知らずの根管治療は基本的にお断りしています。

(勤務医時代抜去歯の親知らず散々練習したので、根管の複雑さは理解しています。 法則性がないのが困る所です)

 

今回、

#10穿通後、ボルテックス#15⇒プロテーパーNEXT X1⇒プロテーパーNEXT X2 で根管形成

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レジン&エンド屋の1例 (CR、根管治療)

1年も同じような治療をしていますが・・・

http://eedental.jp/ee_diary/2012/03/cr-endodontist-1.html

 

今回も同じようなネタを ( ´・ω・)

 

 

術前、銀歯の下にかなり大きな虫歯があります(; ̄д ̄)ハァ↓↓

EEdental u (1).jpg

 大人の虫歯は無症状に進行する時があります。

 またその多くが歯と歯の間から進行するので、上から見る分には一見健康そうにも見えてしまいます(;´・д・)

 

 

かなり大きな虫歯でしたが、

1、術前に症状がなかったこと

2、虫歯除去後に神経が出なかったこと

から神経の保存を来ないレジン充填を行いました。

EEdental u (2).jpg

上手く出来た!(`・∀・)ノ

 

 

 

と思ったのですが、 3日後電話で

「先生、温かいものを飲むと痛い。。。」

 

 

患者さんには術後、虫歯が大きかったこと、一応神経の保存はしたが、

症状が出たら神経を取る必要があると説明していたので速やかに抜髄に移行しました。

 

 

 

この治療のタイミングは非常に重要で

「様子を見ましょう」では神経が徐々に死んできてしまい根管治療の成功率が10%程度下がってくるので

歯を残す為に、この判断は速やかに行います。

 

 

幸い患者さんには理解して頂いていたので、詰めたレジンに3.5mm程度の穴を開け根管治療に

EEdental u (3).jpg

この穴から4本(MB2含む)の神経管の処置を行い。

 

 

その日のうちに開けた3.5mmの穴にレジン充填(>ω・)ノ

EEdental u (4).jpg

 

一般的には神経を取った歯を白く治そうとすると、例えば、当院の治療費計算で

根管治療10万+土台2万+仮歯1万+セラミック14万=27万 かかってきます。

一流の審美の歯医者ではセラミッククラウン1本20万だそうです。

*保険の歯医者では根管治療は保険で行いますので根管治療の治療費10万円が1万円になります

 

 

 

今回の方法

神経の保存処置2万+根管治療10万+土台2万+レジン充填5万=19万

 

健康な歯も多く残せて、体に付ける傷は最小限ですみ、なおかつ費用も8万円安くすむ!

一流の審美の先生のセラミックよりも安くすむ!

 

 

またこの治療の最大のポイントは、再治療になった際にまた同じような治療で済ませられる可能性があること!

 

 

患者さんは分からないと思いますが、セラミッククラウンって、元の歯の半分以上を削ります

また大きな土台の除去も行うと再治療の際には歯茎の上には殆ど歯は残りません。

 

 

で、結局『抜歯』に大きく近づく訳です。。。Σ( ̄ロ ̄lll)

 

 

一般的な治療法ではありませんが、現代の歯科治療はこういったことが可能にはなってきています。

  

あっ、一応私形成も好きですよ!

DSC00147.jpg

顕微鏡を見ながら隣の歯を削らないように、縁を滑らかに、ガタつきのない一筆書き状に (・ε・ )

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中部デンタルショーに向けて、開業する時などニッケル・チタンファイル(Ni-Ti Files)導入を考える! 

とあるA先生のメールから、

 

今度の中部デンタルショーでエンドの器具を見たいと思ってます。
そこでお聞きしたいのですが開業時導入するにあたりどのようなNi-Ti器具がおすすめでしょうか?
コントラやEMR測定器などもおすすめはありますか? 

 

自分のしたい臨床としましては
・ラバーダムはしたい
・Ni-Tiファイルを保険でも(ケースにより)使いたい
・システムとしては簡便な方が良い
・根充は現在ラテラルだが将来はケースによってはバーティカルでも行えるようになりたい
などです。
自分はまだエンドを自費でとれる技術はないと思ってます。
ただ、保険でもできるだけきちんとした事をし、将来は自費でもチャージできるようになりたいです。


難しい質問かもしれませんが、何卒よろしくお願い致します。

 

 

 

こんにちは、井野です。
 
Ni-Tiに関しては現在どこのメーカーのものを使用しても

同じようなことが出来る所まできていますよ。
 
ですので、どちらかと言うとファイルの好みになる部分が大きいですね。


 
またファイルは全ての根管に対応している訳ではなく、
 
ケースによってはハンドで形成した方がいい場合もあります。
私は、Ni-Tiファイルが嫌がるような動きをした場合は、根尖付近をハンドファイルで形成することもあります。 


デンタルショーで扱えれば、色々なメーカーのものを触ってみた方がいいと思いますよ。 


たぶん、何を見ていいか分からないので2,3代表的なものを書いておきます。

 
初級者向けならヨシダの「K3KF」
 
http://www.yoshida-dental.co.jp/expert/02/04/k3xf/k3fx.pdf#search='K3+%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB'

や、

「エンド・ウェーブ」

http://www.dental-plaza.com/gakujitu/magazine/contents/dm109/109_038-040.pdf#search='%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%96'

小林先生発見! 


 今度デンツプライから発売する「プロテーパーネクスト」(Mワイヤー)などがいいと思いますよ。
(かなりシステマチックに出来るようになっています。)

ラドル先生がCMに(笑)

金髪女性の歯ではないですね^^;

 NEXT1.jpg

 

世界的にマーケットを見れば、「プロテーパー(ユニバーサル)」が多数派ですが、そのうちネクストの方に変わるかもしれません。

 

 
 

昨日、ブログに書きましたが、個人的には

レシプロックやウエブ・ワンなどの「シングルファイルシステム」は今は手を出さない方がいいでしょう。

またシングルファイルは多少アドバンスなのと、感染根管などでは他のNi-Tiシステムも必要になるので、

最初の導入としてはあまりお勧めできません。

(阿部先生がおっしゃるには、イージーケースにはいいアイテムだそうです)

 

ニッケルチタンは、術者を助ける一アイテムになりますから是非とも導入された方がいいでしょう。

 
ファイルは好みですが、
 なるべくなら世代の新しい3~4世代目のものを選んだほうがいいですよ。
 日本の市場には未だ2世代目の『プロファイル』などもありますが、そういったファイルは4世代目のものに比べると彎曲根管に弱いですからなるべく新しい世代のものを買ってください。

 

プロファイルは私も使っていましたが良いファイルでした、現在アメリカでは4世代目の金属になってNewタイプが発売されています。

 

また、導入に関しては、Ni-Ti専用のモーターを買う必要もあるので、その他に+10~20万ぐらいかかります。
 

>ちなみにコントラやEMR測定器などもおすすめはありますか?

現在発売されている電気根管長測定器は3世代目のものなので、精度はどれも良く大きな差はありません。

ですので、デザイン買いでもOKです。

ルートZXなどは薄型でいいと思います。

CMダサダサですがヾ(・ε・。)

 

 

私的に言えば、モーターにEMR機能が付属されているものの方が便利だと思いますね。

そうなると、代表的なものはモリタの『デンタポート』になります。
http://www.dental-plaza.com/article/dentaport/products/index.html

ジムみたいな顔です。

 

 
私は旧型の『トライオート」を使用していますが現在廃盤かもしれませんが、中古はヤフオクなどでたまに出てきますよ。

私はヤフオクで5万でゲットしました(笑)

EMR機能が付属されているとアピカルリバース機能があり、ファイルが根尖に行くと、逆回転して戻ってくるのがミソですね。
根尖を必要以上に拡大せずにすむのでその点は大きなメリットだと思います。

このアピカルリバース機能は根管のどの辺りで発動するか任意に決めれます。

私はEMRでいう「0.5~1.0」の位置に設定しています。

 

  

現在は、「トライオートミニ」になっていると思います。

http://www.dental-plaza.com/article/triauto_mini/module/index.html

*この場合、EMRはモリタのルートZXを買う必要が出てきます。
 

 
モーターにEMR機能が付いているのはモリタの特許商品で、モリタ商品だけになりますから、
モリタのブースで現在発売中のものを聞いてみてください。

噂では次期モデル開発中と聞いていますが、現在試作品の状況らしいので
いつ発売になることやら^^;

 

 

私の現在のよく使うNi-Tiファイルシステム(ハイブリッドテクニック)ですが、
Kファイル#10 穿通後
・GTファイル#35      (テーパー12) 根管状部のみの拡大
・ボルテックスファイル   (テーパー06) 海外通販
・プロテーパー  F1            (テーパー07)

もしくはF1の変わりにプロテーパー NEXT X2     (テーパー06) 

ですね、

使い始めると、1つのファイルシステムでは限界を感じるようになります。

 

慣れてくるとよく折れてしまうファイルが出てきます = そのファイルはシステムのウィークファイルになります。

そのファイルシステムの弱い所を見つけ、それを補うファイルを1,2本導入した方がファイルは折らずにすむと思います。(←これは少しやってからですが^^;)

 

勤務医時代怒られるのが嫌で、必死に電卓叩いてファイルの形状を計算しましたからね(笑)

 

Ni-Tiファイルは、「大工のカンナと同じで、好みのものを使いこなせるか?」

 

 

結局、最後は術者の腕になるんですけどね(笑)

 

 

 

 

ではでは!

 

 

 

友人の先生からの質問メール一部改変

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師匠の講演を聞きに東京へ行っていました(過去形)

書いたまま放置していたネタを一席

 

 

昨年の11月、歯内療法学会の専門医セミナーで師匠が、

「最新器材を使用した歯内療法」

の講演をするという情報を、

机の上に置きっぱなしの学会誌で11月9日に見つけ、

http://www.jea.gr.jp/taikai/image/20senmoni.pdf

  

会費:10,000円(11 月8 日までの事前登録で8,000円)

 

「うわぁ、事前申し込み終わって、2000円高くなるわ!」

 

 

 

好きな阿部先生も同日に講演をされるので、

 

午前は波乗りして、昼から東京行くか!となりました。

 

  

 

ただ・・・、

テーマの、「最新器材によるスタンダード歯内療法」

とありますが、

スタンダードな歯内療法って、器材によってもたらされるものではないのでは!?

と一人突っ込みをしていました(笑)

 

 

 

私が知る中で、師匠ほど最新の歯内療法機材をいち早く導入している先生はいないので、

何か情報あればと思い聞いてきましたが、いいネタがありました。

穿通用Ni-Tiファイルの「Pro Glider」

これは良さげなファイルでしたね。

 

 

現在、私はボルテックスを穿通補助ファイルで使用していますが、

違いが「Pro Glider」はマルチプルテーパー(エッフェル塔見たいな形)

「Vortex Blue」は04、06とテーパーが一定

ここに少し差があるのですが、マルチプルテーパーは魅力的!

 

 

 

後、師匠が講演のなかで言っていたので公表していいと思いますが、

「WAVE ONE」日本で売られているものは、実は・・・

旧型形状のファイル、現在アメリカで売られているものは改良版のサクサク削れるタイプだそうです。

 

 

実は6月のIFEAの時に師匠に教えてもらっていたのですが、

「あまり、ブログで書くなよ」と言われていたので封印していました(笑)

 

まだ、封印ネタあるんですけどね。。。

 

 

師匠も「今のものでも使えるいいけど、アメリカで今売っているものはもっといいぞ!」と

(デンツプライのフォローもしっかりされていました^^;)

 

 

 

 

デンツプライって、なぜか日本で売れ残りの在庫の処分をするんですよね。

(アメリカの会社ですから日本支店も辛い所だとは思いますが・・・)

 

 

因みに本国アメリカでは「WAVE ONE 2」が出るとか

何だよ、「2」って。。。

日本で今年「WAVE ONE」発売したくせに!

今買える折れにくいNi-Tiファイルの『M-ワイヤー』の次の金属『ゴールドワイヤー』が採用されているみたいです。

 

 

師匠の講演スライドで面白かったのが

2007年のジョン・ウエスト先生のデーター

歯内療法専門医の根管充填様式

・側方加圧 22.3%

・垂直加圧 28.4%

・コンテニアスウエーブ 33.7%

・シングルポイント 1.0%

その他は興味ないのでメモって来ませんでしたが、

その他には、サーマフィルのようなガッタパチャーをチンして入れる

サーモメカニカルコンパクション系のものが出ていました。

 

  

ここで興味深いのは歯内療法専門医なのにシングルポイント!

2009年のLee先生の専門医の報告でもシングルポイントは3.2%おられます。

 

 

歯内療法専門医=垂直加圧と日本では捉えられがちですが、

師匠曰く「アメリカの専門医は根管充填に関しては結構保守的」だそうです。

 

 

まぁ、根管治療自体、根管充填前までの手技の方が大切ですから、そちらの方に労力を割くべきでしょうね。

 

 

阿部先生の話も面白くて、

抜髄時のう蝕検知液の応用は参考になりました。

 

もう1つ、

『Single file VS Multiple files』

どちらがいいのか!?

 

阿部先生曰く、

シンプルケースはシングルでOK

難易度が高い根管はマルチということでした。

(結局、歯科医院には複数のファイルシステムを導入しておく必要あり)

 

 

ニッケル・チタンファイル自体、術者の好みに近い部分があり、

ある専門医の先生と話でも、「今のファイルはどこのメーカーのものでもいい」とも話されていました。

 

 

結局、好みや使いなれたものになりますね。

 

 

 

 

それと、超主観的感想文 「シングルファイルシステム」 IFEA 

http://eedental.jp/ee_diary/2013/05/-ifea.html

で書いた、

>「RECIPROC」、{WAVE ONE」は他の従来型の複数本使って行う治療より歯に対して歯根破折(マイクロクラック)が起こっているとのこと。。。

ですが、8月のジャーナルに

レシプロファイルの方がロータリーファイル(正回転で回る)よりクラックが入らないという、真反対の論文が出たそうです。

 

 

実験系の差はあると思いますが・・・

 

って、どっちやねん!

 

 

まぁ、私はレジプロ運動で削っていきますけど、シングルフィルは使用していないので、

自分にはあまり直結する問題ではないかな(笑)

 

 

 

最後に阿部先生もおっしゃられていましたが、

道具、器械というのは術者がどれだけ、慎重・安全に使うかだとおっしゃられていましたが、

ホントその通りだと思います。

 

 

どんな職業でも事故が起こらない為のことは考えますし、その道具の特徴や癖などは事前に知り

後は経験を積んで行くしかないと思います。

 

 

短い時間の講演でしたが、日曜に東京まで行った甲斐がありました。

 

 

最後、師匠と阿部先生にあいさつに行ったら、阿部先生に

「いつか出会うと思ったけど、とうとう今日出会ったか!」と言われました(笑)

 

 

また、阿部先生のセミナーには参加させてもらいたいと思います。

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