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最近のニッケル・チタンファイルの勘所

週末講演を聞きに行っていたら、ある先生からまたまたファイルのことで質問を受けました。

 

質問:「#10を通した後にボルテックスファイル(#15 テーパー06)がなかなか穿通しにくい」

 

確かに、通りにくいケースはあります。

特に石灰化根管でボルテックスを通すのが難しい、怖いケースがあります。

EEdental asa.jpg

 

そこで、私のやっている方法を

まず#10Kファイルが穿通したら、Ni-Tiファイルのガイドを太くする為に

#10Kファイルを根尖から1~1.5mm出した状態で円周ファイリングを行います。

 

 

この時のポイントは#10Kファイルの先端を根尖から出しておくという所です。

理由1、レッジが出来るのはファイルの先端です。先端さえ外に出ていればレッジは理論上出来ません。

理由2、ニッケルチタンへの拡大の為、ある程度太いガイドを作っておきたい為。

 

 

根尖からファイル出して大丈夫か!?と思われても仕方がありませんが、

ブキャナン先生などシルダー派の先生などは大丈夫と言います。

 

0.1mmの清潔な道具ですから、大丈夫かと。

ハンドファイル#10から#15というのはファイルの拡大率で考えると?

スライド参照

EE semina-.jpg

 

#10⇒#15の拡大は、 直径0.1⇒直径0.15ですから 拡大率1.5倍な訳です。

因みに、#15⇒#20は1.33倍 #35⇒#40は1.14倍

ハンドファイルの1つの山場はここなんです!

 

私の解決策、

#10を1mm出すと根尖は#12Kファイル (#10を2mm出すと根尖は#14Kファイルとなります)

ですので、ファイルを1mm根尖から出すことで、#12⇒#15 拡大率1.25とファイルの拡大率を下げることが出来ます。

  

 

ただ、手でシコシコファイリングするのがメンドクサイので、私はM4コントラ(廃盤)を使用しています。

DSC00315.jpg

現在ナカニシから同じようなものが販売されています。

http://www.japan.nsk-dental.com/ja/products.html?page=shop.browse&category_id=21 

(たぶん 製品名;TEP-Y でいいはず)

 

2分ぐらい行えば手でも同じことできますが、母指内転筋が痛くなるのが嫌なゆとり世代の私(嘘)は、

M4コントラで20~30秒ぐらいでガイドを大きくしてしまいます。

 

 

 

石灰化で殆ど根管がなくなっているようなケースには#06(先端が0.06mm)のものを使用します。

EEdental 06.jpg

*好きなのは、#06、#08、#10のジェットストリームアタックです(←何のこっちゃ)

その後ボルテックスを通す訳ですが、ポイント

1、絶対押さないこと!

押せばファイルは折れます。

 

同じ所からなかなか進まない場合は、この度発売のプロテーパーNEXT の『X1』を通します。

X1は04テーパー #17なので

NEXT1.jpg

ボルテックスの#15 テーパー06が抵抗を受けていた場所をすんなり修正してくれます。

(Ni-Tiファイルは先端が引っ掛かって止まることは少なく、ファイルの側面の抵抗でファイルが進まなくなります)

 

 

このX1の形状は他のファイルと異なり、三国志の張飛の蛇矛に似てクネクネしています(笑)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9B%87%E7%9F%9B 

zya.jpg 

 

相変わらず分かりにくい例えで申し訳ない・・・

 

 

 

X1通して、その後ボルテックスに戻る

ボルテックスが#15 テーパー06なので少し拡大不足なので、プロテーパーF1~F2で最終拡大

 

ただ、この拡大だと垂直加圧の根管充填がしにくいので、根管口付近をGTファイル(2世代) #35 テーパー12で根管口付近を形成

 

*垂直加圧をするのにテーパーが07以上あった方が根管充填しやすいとの報告もあります。

(私もそう思います)

 

まとめると、

1、マイクロオープナー #10 テーパー06で根管口を探し、20回ぐらい根管口入口をあける

o-puna-.jpg

2、Kファイル #10 で探りを入れる、この時ファイルを押すだけで入る所まで入れる。

3、#10を入れた所を越えないように、ボルテックスを入れる

4、再び Kファイル#10を入れる (入りづらかったらこの時点でGT #35 テーパー12で根管口を拡大)

5、穿通後、Kファイル #10を根尖から1mm出してガイドを太く(#10が通りにくかったら、デンツプライのC+ファイルを併用してもいいですね)

6、ボルテックスで穿通

  穿通出来なかったら、プロテーパーNEXT「X1」を入れる(たぶん殆どのケースで穿通可能!)

7、最終拡大でプロテーパーF1~F2で拡大

8、根管充填の為に根尖を#30~#35ぐらいに整える

EEdental 6.jpg 

 

基本的に慣れてくれば少ないファイルの本数で形成可能なのですが、

初めのうちは無理せず、手が迷う、止まるになったら、ボルテックス入れたり、プロテーパーNEXTのX1入れたりと、交互に入れればお互いの弱い部分をカバーすることが可能です。 

 

さがら先生、こんな感じでいかがでしょう!?

DSC00298.jpg

先日は見学させて頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

 

 

半導体レーザー買おうかな(^ー^ )

 

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