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歯を残す為の積極的な根管治療(石灰化根管)
- 2014年2月18日 09:04
- 歯内療法日記
エンド200回記念の今日の歯は、
神経部分に石灰化が起こり神経が勝手に死んでしまったケース
奥から2本目の根の先端の歯根膜腔が広がっています。
このレントゲンを見ると、神経生きているのか、死に始めているのか診断が難しい所だと思います。
健康に見えていても実は神経が死んでいるケース
論文でも、そういった歯の診査はCBCTの方が正確に分かるそうです。
当院にも稼働率の低いCBCTはあります:CT設置
極端なケースで言えば、デンタル(小さなレントゲン)で健康と判断した歯のでも、
CBCTで診査すると神経が死んで病変所見が見られるとの報告もあるそうです。
ただ、そういった歯に積極的な根管治療をした方がいいか!?というのはまだ議論の余地がありそうですが・・・
今回のレントゲンのケースは神経部分の石灰化が著しく、
これ以上石灰化が進行すると歯を残す為の治療が不可能になると思い治療に介入を行いましたヾ(・_・;)
*石灰化:歯の防御反応で神経がどんどん細くなる現象
直径が0.5mm近くあった神経も直径が0.1mm近くに細くなったり、更に進行すると神経自体が消えてしまうこともありますヾ(;☆ω☆)ノ
今回の患者さんは今全体的に歯を治しており、3ヵ月後に別方向からレントゲンを撮ってみました。
根の先に影らしきものが少しはっきりしてきました。
ただ、神経管は絶望的なぐらい閉鎖してしまっています(´-ω-`;)ゞ
こういう歯を見ると俄然やる気が出るのが歯内療法専門医!
ラドル先生の言う「エンドドンティクス ゲーム!」スタートですヾ( ̄0 ̄; )
歯の神経管部分を探ると小石のような(右下の赤丸)石灰化物が根管内から出るわ出るわ!
0.06mmと0.08mmの道具を駆使して、根管内を探ります。
治療すること1時間半、3本の神経管を探し削り取ることができました(✪ฺД✪ฺ)
こうなれば、通常の治療と同じ、2週間間隔をあけ症状のないことを確認して根管充填
綺麗に3本の神経管の治療が終わりました!
今回は、マイクロスコープと、極細ファイル、根管の攻め方、全てのテクニックがドンピシャにハマりました。
(こうならないと上手く行かないと最初から分かっているんで、燃えてしまうんですよ(笑))
神経の治療の介入というのは非常に大切で、時期というもので成功率が変わってもしまいます。
また、中途半端な神経保存後に、症状のある歯はこのような神経は弱りつつ防御反応で神経管が細くなる現象が起こることもあり、
「経過を見ましょう」が結果として治療の難易度を極端に上げ歯の寿命を縮めることもあります。
私も基本神経は残す派ですが、悪くなった時の次へのステップは患者さんの歯を守る意味ではっきりと決断します。
3Mix、ドックスベスト、MTAなど神経保存の治療法は色々ありますが、
悪くなリ過ぎた歯の神経保存は個人的にはあまり勧められませんねヾ(´ω`;)
さてさて、今回の歯病変はうまく消えてくれるのでしょうか!?
ここから経過を追います( ・∀・)ノ
注意:今回の根管治療が綺麗に出来た1番の要因は、私が一番最初に治療をさせてもらえたことです。
患者さんは同じ歯なのだから、転院しても同じ治療をしていると思われがちですが、
このような閉鎖根管は、他の先生がファイルなどで根管内に0.3mm程度の傷を付けられると、
体に残されたヒントが全て消えてしまい倍の時間をかけて、0.06mmの道具を用いても神経を探せなくなります。
ホント、根管治療は最初の最初に誰に治療してもらうかの1発勝負です(もの凄い極論だけど(>ω<;))
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