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3年に1度ぐらいの根管充填してしまうと治ってしまう感染根管歯
- 2016年11月29日 09:19
- 歯内療法日記
根の専門としてやっていますが、実際やっている側からすると
「この歯は治るな!」、「この歯は治らないかもな・・・」
とか分かってやっている訳ではありません。
初診時に自分で治せれる見込みのある歯か確認して、
残せれる雰囲気があれば「治療してみましょうか」と話をして着手しますが、
治らなければ、外科的歯内療法、抜歯を考えていかねばなりません。
今回の患者さん
歯ぐきが腫れ膿が出てくるとのことで、
「抜いてインプラントにした方がいい」といわれ
何とか残したいとのことでEEデンタルへ
術前のレントゲン
赤丸の部分に骨が溶けている所見があり、
歯周ポケットも8mmとかなりのディープポケット!
歯の側面に影があり、膿の出口も歯ぐきよりにある。
赤丸の部分が膿の出口
私の中の経験則からの基準で「歯根破折」を疑う場合
1、深い歯周ポケット
2、根の取り囲むような透過像(側面)
3、歯肉辺縁辺りのフィステル
柄がマーブル状のものが多い
4、咬合痛(咬んだ時に一瞬出るもの)
これらの条件が整う場合、高確率で破折を最近は疑います(ー。-)
今回の患者さんの場合、1,2,3の所見はあったのですが、
咬んでも痛みはないとのこと。
患者さんには折れている疑いが強いこと
もう1つ考えられる原因は骨のない所に歯に穴(パーフォレーション)が開いて菌が出ているか?
と説明して、
一度トライだけでもしてもらいたいとのことで、治療スタート
治療を始めると歯の中には破折線は見られない、
また疑っていたパーフォレーションもない(p・Д・;)
パーフォレーション:http://eedental.jp/ee_diary/2016/11/post-1509.html
ただ、根管の形態に何か違和感を感じる。。。
治療を3回繰り返すも膿は止まらず、
患者さんには外科をして確定診断をしましょうと説明
*私は2~3回根管治療をしてフィステルが無くならなければ外科と判断しています( ̄Д ̄)
経験則ですが、治る歯の9割は1~2回の治療でフィステルは無くなります。
だらだら、同じことを繰り返しても患者さんの時間と私の時間の無駄だと思っています。
膿の出口から薬を入れ膿の原因場所を特定
歯周ポケット8mm
外科治療前の下処理的にMTAで根管充填
根管充填
白い線がMTAセメントです。
1週間後に外科の予約をいれてもらい
外科当日、
患者さんから「先生!前回の治療から2日後には膿止まりました!」
「えぇ~!」!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
8mmあった歯周ポケット検査してみると
歯周ポケット:2mmに改善!
まさか・・・
外科の予約してもらいましたが、外科延期!
このまま置いておけば治る見込みがあるので、今日の外科は止めておきましょう。
外科するとさらにお金もかかるしね。
3か月後の定期診断
膿も全く出ていませんし、歯周ポケットも2mm
いい感じで骨出来てきているね!
でレントゲンをよく見てみると・・・
これか!
パーフォレーション。。。
上手な先生方の話を聞きに行くと「診断が大事」&「診断が大事」
と話されます。
私の20代30代前半までは技術ばかり追っていました、
40代になり、経験値も上がり今は改めて
「診断って大事」だと気づかされます。
エンドの奥深い所でもありますね! (・∀・)
今回歯が残りそうな雰囲気も出てきており患者さんも大変喜ばれ、
「反対側に入れたインプラント×2の所も抜く前にEEデンタルで見てもらえばよかった。。。」
と話していました(笑)
たまたま残ってくれそうな1ケースでしたヾ( ̄∇ ̄)ノ
ここで患者さんに
今回のケースはたまたま根管充填後に治ってきましたが、
根管治療は最終的な薬をきちんと詰めても治る病気ではありません、
ポイントは最終的な薬を詰める前にいかに感染源が取れているかになる治療です。
今回のようなケースは超レアケースですので、1つ覚えておいてください。
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