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遠方の子供さんの根管治療 (大臼歯編)
- 2016年11月15日 09:06
- 歯内療法日記
開業すぐに治療をさせてもらった患者さんから
「娘が東京で神経を殺す薬を入れたとのことだが見てもらいたい」
と連絡があり、一度来院してもらいました。
レントゲンを撮ってみると
大きな虫歯が残ったままなのですが。。。( ´Д`)
既に根管治療を既に4回しているとのこと。
たまにあるのですが、
虫歯の取り残しが原因で痛み・違和感が出ていることがあります。
治らない根管治療の多くは細菌感染です。
細菌をどう除去するかが成功のポイントになります。
先の、『虫歯』
虫歯は細菌の塊です、この菌の巣窟をきちんと取らない限り
神経の治療はスタートしてはダメなんです。
例えると、床掃除
勢いよく水道を流したまま床に溢れた水を雑巾で拭きとりませんよね?
水道の栓を閉めてから床の掃除を行いますよね?
問題を解決するには手順があります。
日本の場合、
短時間で強い薬で何とかしようと試みますが・・・
治りません(>。<)
むしろホルマリン系☠の薬を歯の中に入れることで
【害】がでることもあります。
今回の患者さんもホルマリンが入っていましたが、
歯の中に入れたホルマリンは歯の外に出て血液の中に入り、
リンパ節、副腎、腎臓、脾臓、肝臓、脳に移行しているとの報告もあります。
こんな怖い薬使わなくても、
きちんとした水道の元栓を閉め丁寧に拭き掃除すればいいのです( ・Д・)ノ
今回の患者さん女性で開口量も少なかった為器具や手が入りづらく
虫歯の位置をきちんと治療することが難しかった為にか虫歯が残っていました。
(奥歯の虫歯は見えづらく手探りなので、より顕微鏡治療が有効になります。)
1度目の治療で虫歯の巣窟を処理して菌の除去&菌が入らないようにして、
2週間後の2回目の治療時、腫れ痛みもないということで根管充填をしました。
近心頬側根管と遠心頬側根管が癒合しており2根管の歯
因みに癒合(2つの神経がくっ付く)した頬側根は歯髄の残骸がズタズタに残っていました・・・
既に4回治療したのに!?
(ホルマリン系の薬剤を使用しても神経の除去はできません)
顕微鏡の良い所は細かな部分が見えることです(・з・)ノ
(*見えるだけです、治療するのは術者の腕になります)
これも例えると、裸眼での奥歯の治療は
暗闇の部屋の泥だらけに床にワックスがけするようなものです。
(当然術者は綺麗な床だと思ってです)
見えれば、それに対して掃除が行えます。
見えなければ・・・
となってしまいます(・Д・;)
現在先進国の奥歯の根管治療の相場は一般歯科で5~10万前後です。(専門医は×2倍)
東南アジアでも数万かかる治療を日本では3000円の負担で治療を受けれらる素晴らしい保険制度
でも、考えてみてくださいね、
10万円のものを3000円程度で提供できるでしょうか!?(⌒_⌒;)
これだけ費用に差が出てしまうと、治療もガラパゴス化し
当然かなり端折ったオリジナルな治療になってしまいます。
因みに抜いた後に入れるインプラントの治療費は30~40万
3000円の根管治療から一気に100倍の治療費となります。
ただし、インプラントもトラブルフリーではなく
インプラント治療実態調査では、
【60.8%のインプラント従事者が問題を抱えている】
というデーターもあります。
EEデンタルにも「もうインプラントは嫌だ!」
と来院される患者さんがいます。
カナダのフリードマン教授は日本の歯科医療を
「インプラント治療に移行するのが早すぎる印象がある」
とおっしゃられていました。
専門医からすると、
日本の抜歯する歯って残せれる歯も多い気がしています。
さてさて、
『悪くなってしまった自分の歯』
どう治しますか?
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