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虫歯診断のとびきり難しい治療ケース
- 2018年4月 6日 09:09
- 歯内療法日記
奥さんの紹介で、来られた70代の男性患者さん
2年前ぐらいから違和感と弱い痛みが続き、
近医の歯科医院を何件か行くが痛みの原因が分からない。。。
1か月前から強い痛みがでてきて、痛みが5分ほど続く
後、歯と歯の間にモノがよく詰まる。
レントゲンを撮ってみると
はぁ!?、全く原因歯が分からない・・・
第一大臼歯に多少の透過像も見られるが、痛み方と所見が一致しない・・・
顕微鏡で色々な角度から問題のありそうな歯を探すも全く分からないので、
CBCTを撮らせてもらい再診査を行うと!
これか!
銀歯の下の歯ぐきの部分に大きな虫歯
どうやらこの部分に問題がありそうです。
(この部分は解剖学的に凹んでいるので虫歯っぽくレントゲンで見える場所です)
凡人の私にはこれを2Dのレントゲンで診断するのは確かに難しいですね・・・(>。<;)
先日の講演で聞いた話では、
2Dのレントゲンは3Dのレントゲンに比べると3割程度情報量が少ないそうです。
ですから、私は2Dのレントゲンを撮って原因が分からなければ、
その3割の情報を拾いにCBCTを撮り再診断します。
『治す為の処置』は原因に対して行うものですから、
原因の診断が最も重要です!
歯ぐきの中の虫歯でかなりアプローチしにくい場所ですが、
とりあえず、何とか残す方向で虫歯の治療スタート
長めに時間を頂き1回法で根管治療+土台まで終了!
*このケースは感染の面から見れば1回で治療した方がベターと判断しました。
1カ月仮歯で様子をみてもらい症状が無くなったのを確認して
ゴールドクラウンSet
60歳以上の年配の患者さんは、
1、歯ぐきが下がること、
2、唾液量が減少することで
3、ものが詰まりやすくなる
などの環境の変化で歯ぐきのキワなどに虫歯が出来やすくなります。
不思議なのですが、虫歯は年齢によって出来る場所が異なります。
また若い人でも、食べカスが詰まりやすい場所というのは
特に虫歯にもなりやすいので毎日食べカスの除去はしてもらった方がいいですよ(・。・')
特に今回のように奥歯の歯ぐきの中に虫歯が出来ると、
発見するもの非常に難しくなります。
今回のケース初めてCBCTで虫歯の診断を行いましたが、
困った時にはCTは有効な診断ツールだなと改めて再認識しました!
痛み・違和感もすっきり治ってくれてよかったです!(・ω・)ノ
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