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根管治療で使用する綿栓(わた)

個人的には過去の遺産だと思っている【綿栓】 

この綿栓は根管治療の際に歯の中に薬を付け入れる綿のことで、

私も大学の頃、綿栓を巻く練習を嫌になるほどしました。

 

まだまだ日本では一般的に使われる綿栓ですが、私は今は全く綿栓は使っていないです。

 

理由は、作った綿栓は手のひらの細菌を歯の中に入れる行為になるので、歯の菌の数を減らす根管治療にわざわざ手の平の菌を入れるのは・・・

*綿栓全てを毎回滅菌すればいいですが、凄い労力なので滅菌することはまずないかと。。。

 

根管内(歯の中)の細菌培養を行うと、顔でニキビを作るアクネ菌が検出されることもあります。

*アクネ菌は口腔内にはいないので、術者が歯の中に入れたと推測されます。

 

また綿栓は小さく、歯の奥に入ってしまうと見つけられず長期間歯の中にあると根管にへばり付いてしまっていることもあります。

 

因みに私は無貼薬派で治療と治療の間に綿栓に付けた薬はいれません。

昔の赤チンと同じでメリットもあればデメリットも存在し、私はデメリットを気にしています。

*そもそも貼薬をやらなくても治るのですから、余計な手間はかけません。

 

 

今回の患者さんは50代男性

大きな症状はありませんでしたが、レントゲンを撮らせてもらうと

2022 EEdental SUR (1).jpg

症状はないのですが、左上に根尖病変+大きな虫歯 

第2小臼歯は根の先の歯根吸収も見られます。

 

患者さんに説明を行い、根管治療を行うことになりました。

 

すると、

第1小臼歯は2根管でしたが、1本の神経管が未処置(歯の下の方で分岐するので裸眼では分かりません)

第2小臼歯からは下の方から綿栓が出てきました(下の方に綿栓が入ってしまい詰まっていました)

2022 EEdental SUR (2).jpg

第1小臼歯はガッタパーチャー、第2小臼歯はMTAを使用して根管充填 

根管充填から1年

2022 EEdental SUR (3).jpg  

病変は小さくなり骨も出来てきてくれています。

  

顕微鏡では歯の中の細菌までは見えませんが、歯の中の治療は見える範囲で拡大視野で治療した方がいいと思います(・Д・ )

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