Home> 歯内療法日記 > 痛みと腫れが引かない歯の隠れた神経管の細菌感染
痛みと腫れが引かない歯の隠れた神経管の細菌感染
- 2022年12月16日 09:07
- 歯内療法日記
患者さんは30代女性
昔神経を取った右下に痛みが出てきた後歯科医院を受診するも、その後から激痛になってきた
その後、かかりつけの先生から口腔外科を紹介され、口腔外科で切開を行ったが痛みは変わらず
切った部分に麻痺っぽい症状も出てきたとのこと
現在、妊娠中でこの痛みを何とかしたい。
初診時 痛みを取る為に根管を開放されたオープンの状態でした。
レントゲンを撮ると、
レントゲンに収まらないぐらいの根尖病変
破折の可能性もあるか、とりあえず残す方向で治療を行うことに
きちんと隔壁を行ったあとに根管内を確認すると、治療してあった神経管の真横に
メチャクチャ怪しい場所があり、その場所を顕微鏡下で綺麗にしていくと、2本目の神経管の入り口発見!
これが感染源か!?
ただ、この見つけた神経管の入り口極細で#06(先端0.06mm)の道具で慎重にタッグバックを追い根の先まで清掃(やり方などは知立のセミナーでお話します オープナーやNi-Ti、M4コントラなどを使用します)
この第1小臼歯で神経管が2本はたまにありますが、裸眼で見つけることはほぼほぼ不可能。。。
CTで最初に神経管の数を把握する方法もあります。
1回で根管内を綺麗にして、1か月後の治療2回目
腫れや痛みは無くなったとのことで根管充填
根途中でボイドを作ってしまいましたが、自分はガッタパーチャーの入りはさほど気にしない。
*学会などの場では突かれるポイントですが・・・
出産の為里帰りをされ経過をおえませんでしたが、
落ち着いた1年予後に来てもらえました。
腫れや痛みはなく、根尖病変は殆ど無くなりました。
ただ患者さんは切開した部分の多少の麻痺は治っていないとおっしゃられていました。
骨の治りとともにこの症状も改善してほしかったのですが。。。
根尖病変の原因の多くは歯の中の細菌感染です。
ここをどうやって効果的に綺麗にするか!?細菌の数を減らすか!?を最初に考えるべきです。
歯の外は原因ではないので、大きく腫れていない限りむやみに切開はしない方がいいと個人的には思います。
専門医の腫れと痛みが引かない時の対応
①仮蓋を取りオープン
②腫れている場合、黄色い膿が見える場合は切開して排膿(無理に切開はしない)
③抗生剤、消炎剤、胃薬の3種類の合剤を3~6日投薬
④痛みは抗生剤が効くまで痛み止めで我慢してもらう
という所でしょうか。
今回のように妊娠中だと、薬もあまり積極的には飲めないので自分の治癒能力で症状が引いてくるのを待たないといけなくなります。
妊娠予定がある方は口腔内に根尖病変がないか調べられておいた方がいいと思います。
- 購読
- Powerd By