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2022年11月アーカイブ

神経付近まで削ったセラミックアンレー

患者さんは40代女性

右下の根管治療で来院され治療をさせて頂きました。

   

半年後、右上の歯に2日間大きな痛みが出てきたということで再来院

レントゲンを撮ると

2022 EEdental NAM (1).jpg

大きなセラミックアンレーが入っており、過去に神経付近まで削って治療されたようです。

 

CTで診察すると根尖病変が見られ、電気歯髄診断でも反応なし(神経が生きていない)

 

ということで、今回はこの一番奥が痛みの原因だと推測

根管治療を行い歯の保存を行うことに

治療を行うと大分刺激を受けていたようで、石灰化物(小さな石)がコロコロ出てきました。

2022 EEdental NAM (2).jpg 

MB,MB2,DB,P根と4根管でしたが、全て治療を行いレジン充填

 

 

たまたま、他の歯の相談で来られた際にレントゲンを撮らせてもらいました。

2022 EEdental NAM (3).jpg

根尖の歯根膜腔も綺麗に見え根尖病変は無くなっています。

 

口腔内

2022 EEdental NAM (4).jpg

術後2年の口腔内

良い感じです!(^。^)

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自費治療で入れたジルコニアクラウンが腫れてきた。

患者さんは50代男性

患者さんの奥さんからの紹介で来院して頂きました。

 

1週間前から違和感が出てきた後、当たると痛い感じが出てきた。

EEデンタルに予約を入れた後からジンジンする痛みに変わり、その後大きな痛みになった。

現在痛み止めを飲んでも3時間できれてしまい、凄く痛いとのこと

  

レントゲンを撮ると

2022 EEdental TAZ (1).jpg

第一大臼歯の遠心根に根尖病変が見られます。

また過去2度根管治療を行ったようで残っている歯質も少なく

近心根にはパフォレーションギリギリ、もしくはパフォっているような所見。。。

 

患者さんにはクラウンを外して、上から根管治療は難易度が高いこと

この歯に関しては外科的歯内療法も1つであることを説明

EEdental:外科的歯内療法

*基本的に普段は外科はファーストチョイスにしないのですが、今回の歯は過去の治療の問題で根管治療に耐えれない可能性があります。

 

治療をスタートすると、大きなレジンコアが入っていたのですが接着不良か、咬み合わせが強かった為かコアが殆ど外れたような状態でした。

このように浮いた状態だと隙間から唾液に乗って細菌も歯の中に入ってしまいます。

結果的に言えばこのように菌が入る侵入口を塞がないと外科をやっても長期にわたり良い予後は望めません。

2022 EEdental TAZ (2).jpg

顕微鏡下でコアを外すのですが、過去の治療で歯茎の上に健康な歯はありませんでした。。。

 

根管治療は治療の度に大きく歯を失う治療なので、歯を残したいのであればなるべく条件のいい状態で専門医に診てもらった方がいいのも事実です。

 

ここから隔壁(唾液が入らないような壁)を作り根管治療

2022 EEdental TAZ (3).jpg 

 近心・遠心根、大きなレッジ(傷)があり、そこを顕微鏡で整えて

オリジナルの根管を探し拡大・洗浄 近心根のイスムスもだいぶ汚れていましたが、

この部分は裸眼で処置するのはかなり困難だと思います。

*遠心根はMTAで根管充填

  

 

仮歯で様子をみていき、痛み・腫れが出ていないのを確認して

先日フルジルコニアクラウンを入れさせてもらいました。

2022 EEdental TAZ (4).jpg

僅か半年でかなり骨が出来てきています。

 

経験上、骨の治りは個人差があり早く骨が出来る人、骨が出来るのにゆっくりな人と様々です。

ただ、共通して言えるのは、仮歯状態で症状(腫れ・大きな痛み)はなく咬めるというものです。

*これも個人差があり、完全に症状が落ち着く歯、多少症状が残る歯の2パターンあります。

  

 

今回の歯1年予後でもう一度レントゲンを撮らせてもらい終了になります。

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内部・外部吸収した歯の保存治療

歯内療法を専門でやっている為か、年に3~5ケースぐらい吸収した歯を見ます。

この吸収、神経を取った歯の先端が溶け多少短くなる場合や矯正治療で歯が短くなるような溶け方なら殆ど気にすることはないのですが、

 

問題になるのが、歯根に起こる吸収

歯の中の神経部分が起こる場合が【内部吸収】

歯の外の歯根表面から起こる場合が【外部吸収】

内部吸収の場合は神経を取ることで内部吸収は止まるとされていますが、

外部吸収に関しては吸収している部分にもよりますが、殆どの場合で抜歯になります。

  

  

今回のケースは「内部吸収」が大きくなったパターン

患者さんは50代女性

1年前ぐらいから咬むと痛い感じが出てきた、1ヵ月前に何もしていなくてもズキズキ痛み

腫れて来ている感じも出てきている、自分としては奥から2番目の歯だと思われる。

3年前にこの歯は治療したそうで、その際に先生に神経付近まで虫歯があったから痛むかも!?

とは言われていたとのこと

 

レントゲンを撮ると、

「?」 

2022 EEdental UEM (1).jpg

 吸収様の所見が見られます。

 

CTで吸収部位を精査すると根分岐部の内部吸収に見えるが、外まで吸収が広がっているようにも見える。

 

患者さんには前回の治療したことによる痛みではなく、歯根吸収による歯髄炎の疑いが強いことを説明

 

個人的には、吸収した歯に関しては症状が出るまで使ってもらい、腫れ・膿などの症状が出た時点で抜歯を行うというスタンスです。

   

今回のケース 

吸収部分をギリギリ治療できるか!?という瀬戸際(実際やっていないと分かりませんが・・・)

 

歯髄炎の症状もあることより、1回法で抜髄+吸収部分の処理を計画

 

治療をスタートすると、やはりCTと同じような部分に吸収所見

内部吸収ではなく、内部から吸収が外部まで到達したような形状でした。

2022 EEdental UEM (4).jpg

基本的に吸収部分は多孔性で、血管があるかのようにその部分から出血してきます。

*GP下の黒っぽい点々部分が吸収した場所(止血しています)

 

根管充填材は通法のガッタパーチャーを使い、吸収している部分にはMTAを使用

2022 EEdental UEM (2).jpg

いつもだったら、根充後にレジンコアまで作ってレントゲンを撮るのですが、今回は髄床底部の吸収だった為念の為にMTAを硬化させてからレジンコアを作りました。

  

そこから経過観察

根充後3週間:腫れ痛みはないが虫歯がある時のような違和感

根充後6か月:虫歯がある時のような違和感がありモノによっては咬むと痛い感じ

根充後1年:虫歯がある時のような症状はある、モノによっては咬むと違和感あり

1年予後のレントゲン

2022 EEdental UEM (3).jpg

レントゲン所見は問題ありません。

 

患者さんには1年経過してその症状が残っていれば、その症状を許容してもらうか、不快であれば抜歯をするか!? 

ただレントゲンで一切悪い所見が出てきていないので、そのまま使える所まで使うのがベターだと思われる。

クラウンを低目に入れ負担軽減をさせることは可能

  

因みに吸収は「破歯細胞」という自分の歯を食べてしまう細胞が原因であり、

細胞レベルの大きさなので、顕微鏡を使用しても破歯細胞までは見れません。

顕微鏡で出来ることは、吸収した部分を削り穴埋めをするだけで破歯細胞は全て取り切れません。

  

患者さんにの心情としては1本でも自分の歯を残したいという気持ちは分かるので、

このようなケースもトライケースで治療をさせてもらうことはありますが、内部・外部吸収はホント厄介です。。。

 

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大きな虫歯の神経保存【治療動画】

先日のブログ

上顎の奥歯はここに虫歯が出来やすい(シールドレストレーション) - EE DENTAL_Blog

の動画を編集しました。

 

全て顕微鏡下ので治療となります。

  

今回の歯、虫歯部分を固くするタンニンを使用してAIPC(非侵襲性歯髄覆罩)のようなことしていますが、

リエントリーはしませんので術式的には「シールドレストレーション」になるのでしょうか。

 

患者さんの神経を残す為のアプローチであり、「術式名はどうでもいいや」と思っています(笑)

 

今回の動画は2倍速で編集していますが、

麻酔以外は左手でずっとミラー引きっ放しだったのでメチャ肩がこったのは覚えています。

正直、神経取って大きく削って被せた方がラクだったとは思いますが、自分が患者さんの立場になるとやっぱり神経は残したい・・・

  

この後、半年後、1年毎レントゲンを撮り神経が死んできていないかチェックします。

なんとか神経10年ぐらいは残ってくれればと思います。

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痛みの出た歯の痛みが止らない

患者さんは以前治療させて頂いた40代の歯科医師の先生

コンポジストが『隔壁(レジン)』にこだわった超オリジナル治療  - EE DENTAL_Blog 

 

今回の歯は前回治療させてもらった歯の1本前の第2小臼歯

  

去年の年末に冷水痛が出たと思ったら、翌日から温熱痛、そこから接触痛(物が触れただけで痛い)

が出た後に自発痛(何もしなくてもズキズキ痛い)、その後右側の顎から前歯の辺りまで広範囲に痛い

(右側の三叉神経支配領域)

軽く触れただけで痛いので口が閉じれないので奥さん(歯科医師)に根管治療をスタートしたものの痛みが取れない。

現在は腫れや大きな痛みはないが、最初は歯に動揺もあった。

レントゲンを撮ると、

2022 EEdental MIZ (1).jpg 

偏心投影で見ると根尖に病変っぽい所見まで現れています。

 

歯科医師の先生ということもあり、

長めに時間を頂き1回法で根管治療+土台(レジンコア)まで行うことにしました。

 

実際、治療をさせてもらうと近遠心的に破折線が見られ、

たぶん生活歯が折れてしまいここまでの症状が出てと推測できました。

 

1回目の治療後 

2022 EEdental MIZ (2).jpg 

根尖の位置が頬舌側で結構差がありました(電気根管長測定器で根尖の位置は把握しています)

*GPがショートしているように見えますが、そこはあまり気にしない。

  

  

この後、仮歯を入れ経過観察

経過観察中に一度仮歯が割れてしまいましたが、先生に仮歯を作ってもらい   

術後6か月

2022 EEdental MIZ (3).jpg

症状などはなく順調とのこと

 

またフルジルコニアクラウンを入れさせてもらいました。

2022 EEdental MIZ (4).jpg

 

この後、1年後のレントゲンを撮って終了となります。  

因みになんですが、右上6は全く問題出てなくて安心しております(笑) 

  

患者さんにたまに言うのは、

「利き腕があるように顎も利き顎があり、噛み合わせの問題が右側ばかりに出る人もいる」

と説明していますが、今回の先生も右側の歯が2本折れているので、右側の歯に負担がかかっているようです。

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大きなメタルコアと除去時のパフォレーションリスク

患者さんは40代男性 

口の中の銀歯を白い歯にしたいとのこと

 

右下の銀歯のレントゲンを撮ると、

2022 EEdental HAE (1).jpg

赤丸部分に根尖病変が見られ、↑部分は大きな土台が入っており首の皮1枚で穴は開いていないか!?

もしくは穴が既に開いているか!?

紫の丸の部分は虫歯の取り残し。。。

  

根管治療後に土台を入れ補強をするのですが、前回の治療で髄床底(歯の底)をだいぶ削ったようで・・・

再治療で金属の土台を除去する際に自分が穴を開けてしまいかも!?

 

大きなメタルコアの場合メタルを分割して小さくして超音波のブーストモードでセメント層を破壊すれば比較的安全にコア除去が可能です。

レジン系のセメントだと超音波による安全な除去が出来ない場合が多いですが、リン酸亜鉛セメントやグラスアイオノマーセメントなどは超音波のブーストで除去可能なことが多いです。

*やり方はYoutubeの説明を読んでください。  

 

患者さんにはそのリスクの説明をして治療スタート(今回のメタルコアケースを動画にしました)

クラウンを外し、金属の土台を少し削りくっ付けてあるセメントラインを見ると、どうやらグラスアイオノマーセメントっぽい (心の中でガッツポーズ!)

動画2:00の所で、金属削っている手の感覚が少し変わったので見てみると、根分岐部の歯質に到達したのを確認 

それ以上歯質を削らないように慎重に金属を分割、超音波で触るとコロッと除去完了!

(下底部をなるべく触らず除去するにはこれがベター)

  

動画の治療は一見簡単そうに見えますが、顕微鏡治療は全てミラーテクニックで鏡像の世界なので左右・上下反転した手の動かし方をします。

(ただ、こんなこと18年もやっているので、頭が混乱することはないですけどね) 

  

メタルコア除去後

2022 EEdental HAE (2).jpg

0.1mmぐらい(想像)の薄い歯質に穴を開けずに除去完了!

*残っているフェルールは可及的に保存 ← 顕微鏡下での治療でないと無理!!  

その後、通法の根管治療を行い+大きな虫歯の第2小臼歯のレジン充填を行い

2022 EEdental HAE (3).jpg

術後のレントゲン 綺麗に治療出来ています。

 

 

10年以上前ぐらいは土台の主流は銀合金のメタルコアでした。

このメタルコアは作る時にもたくさん削りますし、除去する時にも更に健康な歯は大きく失います。

治療を切り返す度に歯はなくなりますが、メタルコアほど健康な歯が犠牲になる治療はありません。

   

歯内療法専門医なので取れないメタルコアはありませんが、こういった残った歯の薄いケースなどは内心ちょっとだけヒヤヒヤです(笑)

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治療を受けるなら年配の先生がいいか!?若い先生がいいのか!?

先日、患者さんに

「治療を受けるなら年配の先生がいいか!?若い先生がいいのか!?」

という質問を受けました。

  

私的に答えるのであれば分野にもよるけど「自分なら35~50歳ぐらいの先生」

 

理由は『目がまだ見えるから』

 

歯科治療は0.1mmが大きな単位です、私が専門とする歯内療法は細い道具で0.06mmです。

この単位で仕事をしようとすると結局見えていなければ治療も出来ません。

 

つまり歯科治療は『見える目』が非常に重要だと思っています。

似たような内容のブログですが、⇒手の感覚だけで削る奥歯の治療と問題点 - EE DENTAL_Blog 

 

40代で多くの人は老眼が来ます、例に埋もれず私(48歳)も1~2年ぐらい前から「あれ!?少し目悪くなってきたな・・・」と感じています。

最近はクラウンの形成も殆ど顕微鏡で見ながら治療を行っています。

時間はかかり非効率にはなりますが、奥歯でも正確に削れているのは実感できます。

  

60代、70代の裸眼で治療されている先生ははたしてどの程度見えているのか!? 

 

正直、老眼が入る年齢になったら、拡大鏡の最低3倍以上、顕微鏡は使った方がいいと思います。

が、こんな意見誰も聞く耳も持たないとは思います(笑)

  

顕微鏡を使う歯科医院としては顕微鏡が壊れたら休診です。

顕微鏡歯科の宿命 - EE DENTAL_Blog

*壊れた日は雑務を処理するので、個人的には仕事しています(笑 )

 

 

今回の患者さんは、40代女性 

2022 EEdental IM (2).jpg

赤丸部分に問題があります。

 

拡大すると、

2022 EEdental IM (3).jpg

赤線が銀が浮いた隙間、銀歯の黒い部分は大きな虫歯

 

口腔内写真 

2022 EEdental IM (1).jpg

顕微鏡で見ると明らかに銀歯が浮いている、詰め物と歯の間には虫歯の穴が・・・

  

何故こんなになってしまうのか!?

 

答えは見えていないから、先生もこれでOKとしたのでしょう。

厳しい言い方をすれば、保険治療は銀さえ口の中にいれれば治療費は頂けるので。。。

 

この状態で患者さんが知らずに経過し、次に問題が起こると抜髄(神経の治療)+大きく削って被せ物となります。

 

 

患者さんに状況を説明し、神経保存の方向で治療をさせてもらいました。

2022 EEdental IM (4).jpg

1級窩洞なのでレジンで修復

  

レントゲン

2022 EEdental IM (5).jpg

中の虫歯を全て除去しましたがギリ露髄(神経の露出)はありませんでした。

治療時間1時間15分

 

手前のアマルガムは問題なかったのでそのままでOKと説明 

  

 

先日年配(60代)の患者さんに

「自分は年下の先生を見つけれてラッキーだったわ」と言われましたが、

歯科医師は自分より10~20歳ぐらい若い先生を見つけれれば長い期間、お世話になることができるので、中高年の方の先生選びの際は参考にしてみてください。

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工事のお知らせ

2007年に今のテナントで開業をしましたが、

マンションが築20年ということでのメンテナンスに伴い、今回入り口のシャッター交換となりました。

 

3週にわたり日曜日に工事を行う予定なのですが、ドア扉のピンポン(人感センサー) 

が1~2週使えなくなるそうで、患者さんが来院されても中のスタッフが分からない場合もあります。

 

もしスタッフが出てこない場合、お手数ですが受付に置いてある呼び鈴を鳴らしてください。

 

ご迷惑おかけして申し訳ありません。

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根管治療から10年以上経過した歯の病変

患者さんは50代の女性

EEデンタルには昔から来て頂いており、右上6は過去に問題があり

根管治療+レジンコア+クラウンまで製作させて頂きました。

2022 EEdental EHI (1).jpg

 

何も問題なかった歯でしたが、2021年に2か月間ぐらい前からおかしいとのことで来院

レントゲンを撮らせてもらうと

2022 EEdental EHI (2).jpg

根尖病変が見られます。

 

ただ、この歯は過去にMB根をMB,MB2,イスムスと自分的にはかなり綺麗に出来ていた歯なので

再び上から治療しても治らないだろうなと判断。

外科的歯内療法を行わさせてもらいました。

 EEdental:外科的歯内療法

 

外科的歯内療法で病変(膿・不良肉芽)を除去し、根の先2.5mm程度削り

カットした断面を見ると、うっすらクラック(ヒビ)が入っていました。。。

  

患者さんにクラック部分を動画でみてもらい残す方向でこのまま外科を続けるか聞くと

残せる見込みがあればトライしたいとのことで、破折線を確認しながら

いつもより根のカットを長めにして、お決まりのMTAを逆根管充填

*なぜ逆根管充填を行うか!? ⇒ 歯の中の菌はゼロにはできませんが、歯の中の菌が歯の外に出れないようにな環境が作れれば感染は治まり膿などは出なくなりますので、セメントで出口の蓋の役目をさせます。

レントゲン

2022 EEdental EHI (3).jpg

 

そこから経過観察を行い 

先日1年予後で来院してもらうと

2022 EEdental EHI (4).jpg

おぉ~、良い感じ!

綺麗に骨が出来てきてくれていました。

 

この歯を見させてもらって、もう10年問題なく経過してくれればいいのですがヾ(ゝω・)

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えっ!? 痛みの原因はその歯!!!

患者さんは30代女性

右側が全体的に痛い、頭痛、首・肩こりがする。 とのこと

 

話を聞いていくと、10ヵ月前に親知らずが腫れ翌月抜歯、その後から痛みが出てきた。

右下7、右上7の根管治療を行ったが痛みの改善はなく、現在土台のまま。

今は顎のエラの辺りから上は鼻の横の頬辺りまで痛い。

数件歯科医院で相談したが、全て歯には問題ないとのことで耳鼻科も受診済み

   

と半年以上痛みに悩まされているよう。

 

一度全顎検査をさせて頂き、口腔内全体を調べましたが痛みの原因になりそうな歯はない。。。

右上7に微妙に根尖病変が見られたので、再根管治療を行うことに

2022 EEdental TUA (1).jpg 

 

開けれる所まで開け、根管充填 

2022 EEdental TUA (2).jpg 

ガッタパチャー使用

  

そこから1カ月 痛みは変わらず。。。

  

右の親知らずを抜いてから痛みが続くとのことで、再度精査を行うと

2022 EEdental TUA (5).jpg

右下に根尖病変はないのですが、右下6の遠心に虫歯の穴が見られる。

この虫歯が痛みの原因になっているとは思えないが、右下6の治療をさせてもらうことに。

  

この歯、4本神経管があったのですが隠れていた為か3本しか治療していませんでした。

しかも、神経管の半分ぐらいまでしか治療してありません。

 

患者さんには「どうしてこうなるの!?」とたまに聞かれるのですが、

理由は『根管治療が難しいからです』

*歯科医師のライセンスがあっても先生毎に得意・不得意分野があるので仕方がありませんし職業上「私○○分野不得意です!」と声高らかにいう先生はいません。。。

  

治療は2回法で行いました。

2022 EEdental TUA (6).jpg 

以前の治療で作られた歯の中レッジ(段差傷)や珍しい遠心根の発達したイスムスなどが見られました。

まず自分でできる穿通・拡大・洗浄を行いました。 

 

すると、次回来院時「先生、だいぶ痛み引いて来た」と報告がありました。

 

自分的には「えぇ~! この歯が痛みの原因だったの!?」というのが感想

私は患者さんの症状や痛みの表現の仕方などをレントゲンと顕微鏡所見に照らし合わせて原因歯を探るのですが、今回は根尖病変も無かった為原因歯だとは思えませんでした。

 

右下7も同じような治療痕だった為、これに自分がクラウンを入れるのはちょっと怖い。。。

*クラウンを入れた後にまた痛みが出ると再根管治療で二度手間になる為。 

 

ので、再根管治療させてもらいました。

2022 EEdental TUA (7).jpg

基本的にショート根充した部位=レッジがあると考えられるので、その場所を丁寧に処理

*初めて神経を取る抜髄であれば、このような医原性の傷はないのでここまで手間はかからないのですが・・・

 

   

そこから、再び弱い痛みが出たり引いたりを繰り返しますが、

2022 EEdental TUA (9).jpg

レントゲンでは根尖病変は綺麗に治ってきています。

 

個人的な経験則の話ですが、痛みの長く続いていた歯(根管治療でトラブった歯)は

痛みも出たり引いたりしますが、徐々に痛みの大きさや頻度が減って行き半年近く経つと大分痛みが減りながら治ります。

 

仮歯で1年経過を見ていきましたが、

半年経過したあたりから痛みが半年以上出なかったのでクラウン製作

 

上顎

2022 EEdental TUA (10).jpg

下顎

2022 EEdental TUA (8).jpg

良い感じです!

 

歯の痛みは凄くストレスになります、それが数カ月も経過すると抜いてでもこの痛みから解放されたいと思われると思いますが、痛みの原因の多くは細菌感染

特に根管治療はこの細菌感染を起こさせやすいので、なるべく隔壁やラバーダム、しっかりした仮蓋などしっかりした方がいいと思いますね!

 

痛みも治まり咬めるようになり安心しました(・▽・)ノ

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上顎の奥歯はここに虫歯が出来やすい(シールドレストレーション)

以前こちらの歯を治療させてもらった30代男性患者さん

神経付近まの大きな虫歯 抜髄 (根管治療) 確定!? - EE DENTAL_Blog

  

今回は上顎 上から見ると

2022 EEdental ITa (1).jpg

写真内に2か所虫歯(大大・中)があります。

 

今回は大きな虫歯の方の治療

2022 EEdental ITa (3).jpg

一番奥の歯の側面に出来てしまった虫歯

 

実は奥歯の頬よりに大きな虫歯があるのですが、

2022 EEdental ITa (4).jpg

ここの緑枠の部分は意識的に歯ブラシを奥に入れないと歯は磨けず

長期間同じ場所にプラークが付着してしまうと今回のような虫歯が出来てしまいます。

*今は患者さんが頑張ってくれているので、かなり綺麗に歯磨きできています!

   

歯ブラシが難しい場所=治療も難しい場所 という公式があります。

 

レントゲンを撮ると

2022 EEdental ITa (2).jpg

奥歯はかなり大きな虫歯、手前にも中等度の虫歯が見られます。

 

患者さんに話した治療法は「神経を取ってクラウン」

ただ、この歯も前回の歯同様に、ここまで大きな虫歯でも患者さんは痛みはないとのこと、

 

患者さんに「前回みたいに神経残せそうなら覆髄(AIPC+シールドレストレーション)してみる!?」

患者さんも残せそうならやってみたいとのことで、

レジン充填後 

2022 EEdental ITa (6).jpg 

レントゲン

2022 EEdental ITa (5).jpg

綺麗に充填できています。

 

今回のような場所の切削は、タービンや5倍速などの回転切削器具より

エアースケーラー(音波)で切削した方が顕微鏡下でピンポイントで切削できます。

EENOスフィア・EENOボール形状 | 歯科器具職人|究極の超音波スケーラー用チップでのスケーリング (nishikibe.co.jp)

 

顕微鏡を使っていない先生は信じられないとは思いますが、この歯の虫歯切削は全て見ながらピンポイントで削っています。

ただメチャ時間はかかります。

 

縁下(歯茎の下)にも虫歯が広がっていたので電メスで歯肉をトリミングして

段差が出来ないよう、死腔が出来ないように過不足なくレジン充填(これも全て顕微鏡下で積層充填します)

 

追記:治療動画を作りました。

 

 

2022 EEdental ITa (7).jpg

今回の歯、何とか神経残せるといいのですがd(^_^)

治療時間:1時間40分 

治療費:歯髄保存2.5万 レジン充填7.5万 +TAX

 

 

歯磨きはなるべく奥の方まで歯ブラシ入れてくださいね!(・。・)

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外部吸収 3年経過

どうする根の内部・外部吸収!? - EE DENTAL_Blog

の予後報告

術前

2022 EEdentalOO (1).jpg

 

他の歯の治療で来院されたのでレントゲンを撮らせてもらいました。

 

術後3年

2022 EEdentalOO (3).jpg

骨頂からレジンでビルドアップさせてもらいました。

患者さんは「先生が言っていたみたいに歯磨き油断すると腫れ感が出る」とのことでしたが、

外部吸収が進行したり根尖病変ができたりはしていなくて安心しました。

 

10年ぐらいは持って欲しいですね。

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神経を取った後のレジン充填

患者さんの予後報告

持ってて良かった2つの専門 - EE DENTAL_Blog

 

歯の並びが悪く、神経を取ってもクラウンが入れれないようなケースでしたので

レジンでビルドアップしてみました。

術前 ⇒ 根充後 

2022 EEdental YAS (1).jpg

 術後1年2カ月

2022 EEdental YAS (2).jpg

 根尖病変などは見られません。

 

口腔内

2022 EEdental YAS (3).jpg

レジンも問題なく経過しています。

 

今回のケース、歯髄にペリオドンが入っていましたが、

隔壁なしに行い、歯肉にペリオドンが漏れ出すと歯肉が腐ってくるので

あまりペリオドンは使わない方がいいような・・・

 

現在治療中の患者さんもペリオドンが歯の外に漏れ出したと推測され、

なかなか痛みが引いてこないケースもあります。

*根尖病変もないので、待つしかないので痛みが引くには時間がかかることがあります。

 

  

大昔と違い患者さんを沢山診ないといけないという時代ではないので、

ペリオドンの使用は控えた方がいいと思いますね(・ ・;))

 

 

今回の患者さんも痛みなく綺麗に経過しており安心しました。

たぶん、今回の歯のレントゲン撮った先生は「えっ!?神経治療してあるの!?」と思うでしょうね(笑)

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根管治療中歯を指で叩かない!

診断の1つに打診という歯を叩いて原因歯を特定する方法があります。

細かく言うと水平打診と垂直打診の2つがあるのですが、

 

私、原因歯が特定されていれば打診という診査はまずしません。

 

根管充填の時期でもこの打診という診査項目があるのですが、

正直何の為に行っているの!?と思います。

特に感染根管治療で長期に治療している歯などは、経験上打診はずっと出る歯は出ます。

 

あくまでも私の場合ですが、半分以上は根充後待てば収まります。

 

 

打診で根管充填の時期を決めるという先生もいますが、

これ全く科学的でないので、この指標で治療をされると根管治療が終わるまでに半年以上はかかる人も出てくると思います。

その間仮蓋でいるので、なおさら細菌感染のリスクは高いです。

 

 

開業当時、近医の先生に「なぜ打診があるのに根管充填するんだ!」と言われたことがありますが、

私は尊敬する小林先生の名言

「根管充填の時期!? 根管内でやること無くなったら根管充填をして様子をみる」

という考え方を信じています。

*裸眼ではなく、顕微鏡下で根管内が綺麗になったのを確認してです。

 

 

痛みは、基本的に根管治療において殆どの場合出ます。

体の一部を切り取っている訳ですし、体の中の組織を触っているので痛みが出ない方が不思議ではあります。

 

不安な患者さんほど、歯を爪でかんかん叩いて症状確認をしますが、

これって何の意味があるの!?普段の生活で行う行為!?とも思います。

  

神経を取った歯というのは、歯の周りの感覚受容器も変化することが分かっています。

ですので、元の神経があった歯の様に戻せない場合も多々あります。

 

患者さんの中には最終的に被せた後の経過観察で、

咬んでも全く問題ないが、指で叩くと違和感があるという患者さんがいますが、

私はレントゲンで問題なければ、「叩かず生活すればいいよ」と答えます。

  

特に痛みが続いた患者さんほど治療期間中に、治って来ているか叩て確認する人がおられますが、

これ刺激になっている可能性もあるので、指で触るのはやめてくださいね(^。^;)

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