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えっ!? 痛みの原因はその歯!!!
- 2022年11月 9日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは30代女性
右側が全体的に痛い、頭痛、首・肩こりがする。 とのこと
話を聞いていくと、10ヵ月前に親知らずが腫れ翌月抜歯、その後から痛みが出てきた。
右下7、右上7の根管治療を行ったが痛みの改善はなく、現在土台のまま。
今は顎のエラの辺りから上は鼻の横の頬辺りまで痛い。
数件歯科医院で相談したが、全て歯には問題ないとのことで耳鼻科も受診済み
と半年以上痛みに悩まされているよう。
一度全顎検査をさせて頂き、口腔内全体を調べましたが痛みの原因になりそうな歯はない。。。
右上7に微妙に根尖病変が見られたので、再根管治療を行うことに
開けれる所まで開け、根管充填
ガッタパチャー使用
そこから1カ月 痛みは変わらず。。。
右の親知らずを抜いてから痛みが続くとのことで、再度精査を行うと
右下に根尖病変はないのですが、右下6の遠心に虫歯の穴が見られる。
この虫歯が痛みの原因になっているとは思えないが、右下6の治療をさせてもらうことに。
この歯、4本神経管があったのですが隠れていた為か3本しか治療していませんでした。
しかも、神経管の半分ぐらいまでしか治療してありません。
患者さんには「どうしてこうなるの!?」とたまに聞かれるのですが、
理由は『根管治療が難しいからです』
*歯科医師のライセンスがあっても先生毎に得意・不得意分野があるので仕方がありませんし職業上「私○○分野不得意です!」と声高らかにいう先生はいません。。。
治療は2回法で行いました。
以前の治療で作られた歯の中レッジ(段差傷)や珍しい遠心根の発達したイスムスなどが見られました。
まず自分でできる穿通・拡大・洗浄を行いました。
すると、次回来院時「先生、だいぶ痛み引いて来た」と報告がありました。
自分的には「えぇ~! この歯が痛みの原因だったの!?」というのが感想
私は患者さんの症状や痛みの表現の仕方などをレントゲンと顕微鏡所見に照らし合わせて原因歯を探るのですが、今回は根尖病変も無かった為原因歯だとは思えませんでした。
右下7も同じような治療痕だった為、これに自分がクラウンを入れるのはちょっと怖い。。。
*クラウンを入れた後にまた痛みが出ると再根管治療で二度手間になる為。
ので、再根管治療させてもらいました。
基本的にショート根充した部位=レッジがあると考えられるので、その場所を丁寧に処理
*初めて神経を取る抜髄であれば、このような医原性の傷はないのでここまで手間はかからないのですが・・・
そこから、再び弱い痛みが出たり引いたりを繰り返しますが、
レントゲンでは根尖病変は綺麗に治ってきています。
個人的な経験則の話ですが、痛みの長く続いていた歯(根管治療でトラブった歯)は
痛みも出たり引いたりしますが、徐々に痛みの大きさや頻度が減って行き半年近く経つと大分痛みが減りながら治ります。
仮歯で1年経過を見ていきましたが、
半年経過したあたりから痛みが半年以上出なかったのでクラウン製作
上顎
下顎
良い感じです!
歯の痛みは凄くストレスになります、それが数カ月も経過すると抜いてでもこの痛みから解放されたいと思われると思いますが、痛みの原因の多くは細菌感染
特に根管治療はこの細菌感染を起こさせやすいので、なるべく隔壁やラバーダム、しっかりした仮蓋などしっかりした方がいいと思いますね!
痛みも治まり咬めるようになり安心しました(・▽・)ノ
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