2023年1月アーカイブ
EEデンタル2022年 歯内療法専門医 根管治療傾向
- 2023年1月31日 09:03
- 歯内療法日記
毎年恒例のスタッフに調べてもらいました。
また年始に調べてもらったのですが、放置していました(笑)
2021年のEEデンタル根管治療
総根管治療本数:108本
抜髄:13本
前歯:治療回数1回3本
小臼歯:治療回数1回3本
大臼歯:治療回数1回4本 治療回数2回3本
MTA根充:1本(←かなりレアケース)
感染根管(ネクローシスパルプ含む)95本
前歯:治療回数1回20本
小臼歯:治療回数1回15本 2回3本 4回1本
大臼歯:1回8本 2回36本 3回7本 4回2本 5回1本 6回2本
通常は1~2回の治療で終わります。膿が出てくる歯に関しては3~4回 非原性歯痛系の歯(長く痛みが出ているような歯)はやっぱり経過観察しながらなので回数が多くなる傾向があります。
MTA根充:45本(約半数がMTAで根管充填していました)
上顎大臼歯(第一、第二)のMB2
56本中16本MB2 発見処置
【外科】
外科的歯内療法:12本(前歯:3本 小臼歯:2本 大臼歯:7本)
*私が歯内療法を行い上手く行かなかった歯の外科的歯内療法です、私はファーストチョイスで外科的歯内療法を選択することは殆どありません。
ヘミセクション:4本
*歯根破折を起こしており半分歯を抜いて歯を保存させる外科です。
ヘミセクション(分割抜歯)その後 - EE DENTAL_Blog
【レスキュー】
パーフォレーションリペア:4本
ファイル除去:4本
【自分のエラー】
フレアーアップ:1本
http://eedental.jp/ee_diary/2014/10/post-1042.html
*ここ数年フレアーアップはこの程度で歯内療法専門医の平均7%以下を保っております。
フレアーアップが多い=間違えた根管治療をしている となるので大きく間違えてはなさそうです。
ファイル破折:2本
ファイル破折ゼロ 連続記録が・・・ - EE DENTAL_Blog
パーフォレーション:0本
*例年通りですね。
2019年
EEデンタル2019年 歯内療法専門医 根管治療傾向 - EE DENTAL_Blog
2020年
EEデンタル2020年 歯内療法専門医 根管治療傾向 - EE DENTAL_Blog
2021年
EEデンタル2021年 歯内療法専門医 根管治療傾向 - EE DENTAL_Blog
例年と同じアベレージ以下にならないように今年も頑張りたいと思います。
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女性に多く予後の悪い樋状根
- 2023年1月28日 09:00
- 歯内療法日記
度々このブログでも出てくる樋状根
この樋状根というのは黄色人種の女性に多い神経管が複雑な形態の歯で、下顎の第2大臼歯に現れます。
*日本人女性の約3割といわれるので、結構な確率です。
複雑故に最初の抜髄が上手く行かなかった場合の再治療に関しては正直裸眼では治癒は難しいと個人的には思います。
樋状根でない歯の多くの歯の神経は水道管のような管が2~4何本かあり、その管を掃除すればいい訳ですが、
樋状根はその管が何本も繋がりレースのカーテンのような形態をしています。
イメージしてみてください。
『水道管の中を専用のブラシで拭き掃除する』のと、【レースのカーテンを吊るしたまま全面拭き掃除する】
水道管であれば水道管の入り口を見つければ、後は専用の道具を突っ込み掃除すれば汚れた部分が見えていなくてもある程度は綺麗になります。
ただ、カーテンだと汚れた部分を見つけそこをピンポイントに掃除しないと綺麗にはなりません。
また神経管の出口も1本1本バラバラで、この部分の封鎖が肝になるのですが、出口が見えずに封鎖するのと出口が分かっておりそこを封鎖した場合、当然結果も変わってきます。
今回の患者さんは50代女性
悪い所は治しておきたいとのこと
レントゲンを撮ると左下の奥歯に虫歯が見られ、そこから細菌感染したのか大きな根尖病変が見られます。
このような親知らずの影響などで歯茎の中に虫歯が出来た場合、かなり治療難度が高くなります。
先日も口腔外科の先生から親知らずを抜いたら第2大臼歯遠心縁下に虫歯があったのでEEデンタルを紹介してもらった。
と来院がありましたが、歯を長持ちさせるのであればオーソドックスな治療より
「EENO ボール」を使って神経を取らずにピンポイントで治療をした方がいいと思います。
今回の患者さんもオーソドックスな遠心縁下のカリエスの為に神経を取ってクラウンを被せたようなのですが、だいたい予後はこんな感じで悪くなることが多いです。
似たようなケースの歯の保存:抜歯適応の歯の保存治療後6年半 - EE DENTAL_Blog
レントゲンの歯ですが、2回法で根管治療を行いました。
1回目に人工物と虫歯を除去して、唾液が入らないようなしっかりした壁を作る。
2回目に症状がなく、問題なかったので根管充填+レジンコア
かなり大きな虫歯が歯茎の中にあり、そこから細菌感染しているような感じでした。
*根管充填材はMTAを使用、根尖まで入っていないように見えますが顕微鏡で根尖からMTAを入れています。
先日、別件で来院されたので久しぶりにレントゲンを撮らせてもらいました。
過去どこに病変がありましたかね!?というぐらい骨がびっちり出来てくれています!
*根管治療に疎い先生は根の先まで根管充填材が入っていないのでやり直しした方がいいと判断する先生もいると思いますが、絶対やっちゃダメ!(根管充填剤の入りで予後が決まる訳ではありません)
基本的に根の治療は手間がかかり難しい治療なんですが、歯の神経管の形により更に予後が悪い場合もありますので注意してください。
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歯を長く残したいなら悪くなる前にきちんとした処置を!
- 2023年1月27日 09:02
- EEデンタル こだわり
患者さんは30代女性
銀歯を白くしたいと歯科医院に行き治療を行うと歯に穴が開いており
ほぼ抜歯宣告を受けEEデンタルへ
レントゲンを撮らせてもらうと
仮詰めしてあるのですが、近心頬側根周りの骨が大きく吸収しています。
この場合、疑わしいのは「歯根破折」or「パフォレーション(歯に穴が開けられている)」
患者さんには難しい状態であることを説明し、残せるかトライしてみるか!?
まだ若い女性でしたので残す方向でトライさせてもらいました。
仮蓋を外すと。。。
5か所にパフォレーション
過去に3か所パフォレーションがあったケースは見たことあったのですが、
今回は開業以来初の5か所。。。
正直、なんでこうなるかな・・・!?
虫歯放置してもここまで悪くなることはありません。
こういうケースを見ると「歯の寿命を縮めるのは歯科医師の治療だな」と感じます。
患者さんには謝り、自分の見立て以上に歯に穴が開けられていることを説明
幸い歯は揺れておらず比較的しっかりしているので、3本ある根の悪い1本だけを分割抜歯して2本の根で使える所まで使うか!?と提案
①、②、③のパフォレーションぶを繋いで近心頬側根を抜歯
④、⑤のパフォレーションはレジンでリペアする
という方針を出しました。
患者さんにOKをもらい、トライセクション(3本の根のうちの1本を抜歯)
抜歯後1カ月
歯の動揺もありませんし、膿などの所見もないことより仮歯を入れ6ヵ月程度様子をみることにしました。
裸眼の治療だと奥歯は殆ど見えておらず、手の感覚での治療となります。
ですから、削り過ぎによるパフォレーション、虫歯の取り残しなどは起こってしまいます。
保険診療だとコスト的に仕方がない部分はありますが、仕方が無いで済ませると患者さんの歯はどんどん無くなります。
私のケースは悪くなってしまった歯のレスキューが多いですが、歯を長持ちさせるには悪くなる前に1回できちんと処置を行った方がいいと思います!(^。^)
健康な歯質が首の皮1枚でも顕微鏡で丁寧に処置を行えば
大きなメタルコアでも比較的安全に除去は可能です。
患者さんは知らないと思いますが、奥歯の根管治療(特に金属の大きな土台の入っているケース)はこのようなリスクがある治療ですので注意してください。
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原因不明の痛み、その後の歯の覆髄処置
- 2023年1月25日 09:04
- EEデンタル こだわり
以前治療させてもらった40代の患者さん
症状のない大きな根尖病変 根管治療治癒症例 - EE DENTAL_Blog
術前時
上顎第一大臼歯にかなり大きな病変があります。
この歯の治療は過去のブログを参考に
6か月でだいぶ病変が小さくなってきているのが確認できました。
しかし、9ヵ月経過したある日
首から肩にかけて痛みがあり頭痛が1週間程度続いた
その間、腫れはなく歯も痛くはなかったが、歯の奥の方に痛みがあった
とのことで来院されました。
レントゲン
レントゲンも良い感じで治ってくれており、第一大臼歯が問題を起こしたとは考えにくい・・・
レントゲンでは何となく第2大臼歯のクラウンの中の虫歯が疑わしい。
患者さんには歯でない可能性もあるが、奥歯のクラウンの下は虫歯になっている可能性が高いことを説明し
クラウンを一度外してみて治療してみるか!?
外して大きな虫歯であれば神経を取る治療になると説明
因みにクラウンの中はレントゲン線が弾かれてしまい、虫歯の有無はクラウンを外さないと分かりません。
実際クラウンを外すと、案の定大きな虫歯。。。
髄角部分の歯髄も露出してしまいましたが、歯髄からは出血がありギリ保存できるか!?
*以前のクラウン治療の際に虫歯を取り残していた可能性:大
患者さんは神経は残せれば残したいという希望をきいていたので、
セラカルにて直接覆髄を行いレジンベース+仮歯まで
白い部分がレジンベース
そこから経過観察をみてもらい1か月後の来院時にインタビュー
術後すぐは多少痛みがあったが、今は噛むと少し痛い程度で収まってきている。
レントゲンで異常所見がないか確認し、仮歯のまま3カ月様子をみることに
3カ月経過し、痛みもなくなったのでゴールドクラウンSet
一度痛みの出た歯は後で神経か死んでくることがあるので、クラウンSet後に
1年後にもう一度レントゲンを撮って神経の生死を調べることにしました。
1年後
患者さんは症状もなく、よく噛めるとのこと
第2大臼歯の神経に神経が死んだような所見もないので、これで治療終了とさせて頂きました。
私は患者さんの痛みの表現の仕方で、原因歯の特定などを行うのですが、
今回の痛み方はちょっとイレギュラーで原因歯の特定などは推測でしたが、
診断もあっていたようで痛みは引いてくれ一安心!
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年齢による治療介入のタイミング
- 2023年1月24日 09:08
- EEデンタル こだわり
奥歯の溝の茶色(黒)線
多くの人にある線だと思います。
この茶色の虫歯治した方がいいのか!?
極端にいえば60歳以上の患者さんには
レントゲンで問題無さそうであれば、
「殆ど虫歯進行しないからそのままでいいよ」
と話します。
ただ、10代、20代前半の患者さんだと
治療介入することが多いです。
私が虫歯の診断で頼るのはレントゲンと顕微鏡での視診
この方法が個人的にはベターだと思っています。
上の写真の患者さんも10代の方で、レントゲンを撮ると
ん~~~、なんか疑わしい・・・
顕微鏡下で観察すると、茶色の線の周りの象牙質の色が周りの象牙質に比べ暗い
お母さんに治療介入しておいた方がいいと説明
実際治療を行うと
かなり大き目の虫歯が出てきました。
*右上7はピンクスポット(神経が透けて見える)が出てきて覆髄しました。
以前の10代の方の虫歯動画ですが、
このケースもビックリするぐらい大きな虫歯が出てきました。
先日の以前治療させてもらった40代の患者さんは、近くに顕微鏡歯科が出来たので行ってみたら
『6本虫歯があり治療した方がいい』と言われたので、ホントに!?ちょっと井野先生にも見てもらおう
とのことで来院され、
全顎検査すると、
「自分なら治療介入は3本かな!?」
「他の3本はこのまま置いておいて症状が方が出てきた際にでもいいかな!?いつかは治療になるかもしれないけどとりあえずよく磨いてもらえばそのままでいいと思うし、保険の詰め物の多少の段差は自分的に言えば許容量だから頑張って磨いて!」
私は「歯の寿命を最も縮めているのは、虫歯でもなく歯周病でもなく歯科医師の治療だと思っています」
これは開業して15年患者さんを診て、話を聞いての今の結論です。(ほぼ間違いない結論だと思っています)
まずは治療で治る問題なのか!?今治さないといけない歯なのか!?
治療した方がいい虫歯、治療しなくて経過を見た方がいい虫歯 もあると私は考えます。
この辺りの匙加減は先生毎に違うのは仕方がない面もありますが、中途半端な治療だったらそのままにしておいた方が歯にとってはいい!と私は思いますね!
かなり特殊な考えですので(笑)
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2023年版 根管治療後のレジンコア(土台)
- 2023年1月18日 09:01
- EEデンタル NEWS | EEデンタル こだわり
最近作っている土台の動画を作りました。
根管治療後の長期予後を安定させる為には土台とクラウンの精度は重要になります。
*雨漏りする家は早くダメになるのと一緒
レジンコアは根管充填後すぐに作り始めます。根管充填材の入りをレントゲンで確認するのはレジンコアを作ってからとなります。
一応、私のもう1つの専門であるレジンのノウハウをレジンコアの中にも落とし込んでおります。
土台用のレジンを一塊に詰めてしまうと、どうしても収縮の問題で象牙質と歯質の隙間に隙間が出来やすいです。
その隙間から唾液感染(雨漏り)する恐れがあるので、そのリスクを軽減させる為に収縮量の小さなレジンを何回にも分け積層し、その都度レジンに浮き上がりがないか顕微鏡でチェックしながら充填します。
土台の制作にあたり、コアをどこから製作するか考え根管治療時にガッタパチャーを止める位置もコントロールします。
因みに、ガッタパチャーを根管口付近まで入れ回転切削器具でガッタパチャーを除去するとガッタパチャーが少し浮いてしまう(歯質との隙間が出来る)リスクもありますので、その辺も考慮しています。
接着に戻って、
レジンの伝統的な考え方の中に「Cファクター」というものがあります。
Cファクターが大きいと浮き上がりするリスクが大きいので、このCファクターを抑えるような充填方式を取っています。
またレジンは青い光で硬化しますが、光から距離が離れるほど硬化不良が起こりやすいので、
一塊で詰める方法だと下の方まで光は届きません、少量を確実に固めた方が浮き上がりを抑えられます。
後、詰めるレジンの色によっても硬化深度が変わります。
歯の色に似せようと色素が入ったものだと、その色で硬化深度(深くまで光が届かない)が変わりますので、
なるべく光を通す透明系の色【下にマジェステーES XW(クラレ) 上にSDR(デンツプライ)】を選択します。
また歯質と違う色を使用することで再治療の際も歯との見分けがつきやすくパフォレーション対策にもなります。
(ケースbyケースで前歯など歯の色を考えた場合はオペーク系の色を選択します)
因みに、接着処理はレジンがくっ付きにくいとされる象牙質に着目した「イーライズ(ペントロン)」を使用
また根管治療では細菌を殺す為に使用するNC(次亜塩素酸ナトリウム)が歯質とレジンの接着阻害を起こすので、根管治療後は表面を1層削って17%EDTAで下処理を行っております。
以上、がここ7~8年ぐらいの術式になります。
手間がかかり過ぎて全く一般的な方法ではありませんが、今の所この術式で困ったことがないのでこの方法でいいかなと思います。
むしろ土台用のレジンを使って一塊で詰めていた時代の方が・・・
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ホワイトニングをしたら痛みが出た、その後7カ月痛みが止らない
- 2023年1月17日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
ホワイトニングを行った後から痛みが出てきてしまい抜髄(神経を取る)をした。
その後クラウンを入れたら、痛みが再び出てきて再根管治療をスタート
5ヵ月根管治療をするも痛みが止らないのでB歯科医院に転院し薬の交換をしてもらうが痛みは無くならない。
その後、F歯科医院に行くとEEデンタルに行った方がいいと説明を受け受診
今の痛みは絶えず何かで突かれているような感じ、夜になると顎の方まで脈を打つような痛みが出て、よく寝れない。
指で歯を触っても痛い、今は絶えず痛いということ
話を聞くとトータル8カ月以上根管治療をしているとのこと
寝れないような痛みが続くと困ってしまいますよね・・・
レントゲンを撮らせてもらうと
根管充填がされており、仮蓋の状態。
抜髄スタートだった為に特に大きな根尖病変は見られません。
私の予想として、隔壁からのリケージ(細菌感染)と根尖の突き過ぎを疑う所見
経験上、だいたい抜髄でトラブった歯はこのどちらかのパターンが多いので、
患者さんには基本に沿って一からやり直した方がいい。
痛みはすぐには消えないこと、治る場合も痛みが出ていた期間は待ってもらう必要があることを説明
治療は1カ月おきに行い、頻繁には触らない方がいいと説明
患者さんも抜かずに済むなら治療したいとのことで
治療1回目
一度過去の人工物を全て外し、レジンにて隔壁を行い、ガッタパーチャー除去
するとやはり根尖が広く削られていました。
1ヵ月後の治療2回目(歯は触らずに電話インタビューのみ)
普通にしている時の痛みは無くなった。よく寝れており改善を感じる
ただ、咬むとまだ痛い。←まだ噛んではダメ!と指導
前回から更に1か月後の治療3回目
開口一番「先生はどんな魔法使ったの!? 嘘みたいに痛みが取れた」と言われました(笑)
詳しく話を聞くと、1回目の治療後の2日目には痛みは取れた、夜の痛みも全くない
指で押さえると違和感はまだある ←指で触らないように指導
根管内は特に問題も無さそうだったので、根管充填
根尖がはやり大きく削られていたのでMTAを使用
そこから仮歯で生活してもらい
1年予後
かかりつけの先生に仮歯がよく出来ているから外れるまで仮歯と言われたそうなんですが、
おおよそ仮歯は1年半ぐらいで本歯を入れてもらった方がいいでしょうね。
痛みがとれないようなケース、抜髄がトラブったケース
何度も触るより早目に歯内療法専門医に頼った方が解決は早いと思います!
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急な体調変化
- 2023年1月14日 09:03
- EEデンタル NEWS
全国的にコロナ・インフルが流行しております。
東海地区もかなり増えてきております。
今週も体調を壊してしまったと予約変更の電話がありましたが、
体調が悪い場合は無理せずに予約の変更の電話をしてください。
歯は慢性疾患なので、大きな症状がない限り焦る必要は殆どありません、
コロナと共存の時代が来ていますので、無理をしないようにしてください。
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メタルコアによる歯根破折!?
- 2023年1月13日 09:01
- EEデンタル こだわり
患者さんは60代女性
右側のどこかの歯が噛むと痛い、歯茎の中の方に絶えず違和感があるとのこと
レントゲンを撮ると
ブリッジの歯2本とも歯根破折を起こしてしまっています。。。
たぶんかなり昔に治療をしたと思いますが、
30年、40年前は神経を取った歯に金属で接ぎ木すると歯の強度は増すと考えられていました。
歯みたいな弱い組織の真ん中に固い杭みたいなもの入れて、毎日食事の度にカンカン叩いていれば・・・
例えれば「薪割り」やっているようなものです。
土台の考え方も20年前ぐらいに大きな変化はでてきましたが、未だにメタルコアはよく見る治療法ではあります。
*残念ながら保険診療は歯を長持ちさせるというコンセプトの治療ではありません。
患者さんには歯の保存は出来ない状態であること、抜いてインプラントや部分入れ歯を選択した方がいいと説明。
患者さん的には、まだ多少使えるので抜きたくないとのこと
基本的にに私は患者さんの歯なので抜く・抜かないの選択は患者さん判断でいいと思っています。
ただ、将来的に不利になる事柄だけは説明します。
今回の場合、更に骨が溶ける可能性が高く次のインプラント、入れ歯の制作の難易度があがることを説明
他にも問題ある歯があったので、そちらの保存できる歯の治療を行い一旦治療終了
3年後に連絡があり、「とうとうブリッジが揺れてきて噛めなくなってきた」
とのことでレントゲンを撮らせてもらうと、
2018年に比べ歯が開いており、骨も減っておりそれを患者さんに説明
*右上4は神経が壊死していたので2019年に根管治療をしています。
患者さんも納得されたようで、口腔外科で抜歯の方をしてもらうことになりました。
その後、インプラントは怖いとのことで部分入れ歯を選択されたようです。
が、2022年他院で作った入れ歯の違和感が大きいので何とかしてほしい
*パラタルバーの位置が悪いことによるものでした。
とのことで来院され、
入れ歯を作らせてもらいましたが抜いた部分の歯茎はだいぶ回復してくれていました。
経験上、歯根破折で大きく減った骨というのは骨頂さえ骨があれば大きく回復してくれることも多いですね。
*入れ歯の写真撮り忘れましたが、ミラクルで無調整でかなり綺麗に入れ歯入りました。
私は基本的に、患者さんの口全体の管理などはしていません。
問題が出た歯1本がどうしたら長持ちできるかを考え治療を行っています。
歯の治療は先生の考え方で大きくことなります、先日も咬むと何となく痛みがあった歯で近医でセラミックアンレーで治すしかないと言われ、だったらEEデンタルで治そうと来院されましたが、レントゲンでも虫歯はないし、歯ぎしりの痕だけが気になったので経験上痛みの原因は咬合だなと思い、少しだけ噛み合わせの調整を行い「これで症状取れれば歯は大きく削らなくていいよ」と説明し終了しました。
*経験上、非機能咬頭にガイドがある歯は咬合痛が出やすいですね。
今週の患者さんは「歯科に行くたびに削る治療を提案されるし、すぐに削りたがる」と言われましたが、
日本の制度上「削れば削るほどお金になる」部分もあり、どうしても歯科医師は削って解決しようとする傾向はあります。
C1の虫歯治した方がいい!とか自分的には様子見でいいんじゃない!?と思ってしまいます。
先日美容整形のネットニュースを見ていて、
美容整形は他人に見られる所だから余計に失敗しないように上手な先生を選び高額な治療費(何百万)を支払っています。
歯科も同じでほぼ先生選びで多くは決まっていると思うんですよね。
*偉そうなこと言っている、私は極々一般的なレベルの歯科医師です・・・
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激細根管の歯内療法と歯髄断髄法
- 2023年1月11日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性(歯科医師)
2カ月前にセラミックインレーを形成した所から大きな痛みが出てくる。
その後1カ月ぐらい痛みが続いた後、痛みは落ち着いてきた。
先生が言うには「涙が出てくるほど痛かった。。。」
自院でレントゲンを撮ると、神経が死んでしまったようで根尖病変が現れてしまった。
とのこと
レントゲンを撮ると
CTで見ると、痛みのあった第一大臼歯はやはり神経が死んでしまったようなので、
第一大臼歯は根管治療を行うことにしました。
ただ、神経管がかろうじてCTで分かる程度に細い・・・
術中
4根管でしたが、メチャクチャ神経管が細く0.06と0.08mmのファイルでタッグバックを追う。
今現在、抜髄やネクローシスパルプは長目に時間を頂き1回法で根管充填+支台築造(レジンコア)まで行うのですが、
神経管が細い為、4本中、3本根尖まで穿通した所でタイムアップ。。。
治療2回目に根管充填+レジンコアまで行いました。
2か月後、再び連絡を頂き「あれから奥歯のインレー形成をしたら痛みが出始めた。。。」
歯髄処置ならやっぱり専門医の先生にお願いしたいとのことで、
再び、再診断
第2大臼歯の私が出した治療法は「歯髄断髄法」(神経の上の部分だけ取る)で行けるんじゃないか!?
CTで根尖の透過像確認を行うと、まだ何とか神経は残せそう!
ということで、1回法で断髄+レジンベースまで
第2大臼歯はセラカルにて覆髄
第1大臼歯はガッタパーチャー使用
そこからかかりつけの先生にインレーを作ってもらい
治療半年後
第2大臼歯の断髄部は問題なし
第1大臼歯も症状はないとのこと、透過像も縮小傾向が見られ、
次回は1年予後の診査となりました。
帰りがけに先生は「やっぱり歯内療法専門医は安心感が違う」と言ってくれましたが、
たまたま2本何とか残せそうです。
特に第1大臼歯は他の先生にレッジなど作られ来院されていたら・・・
ぶっちゃけ根管治療は1回目の先生でその歯の予後というのは大体決まってしまうと思います。
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珍しい大臼歯遠心根のロングイスムス
- 2023年1月 7日 09:08
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性 近医の先生からの紹介
紹介状には、再根管治療を行い一度は舌側のフィステルも消失し根充後
経過観察をしていたが、再び同じ場所にフィステルが出来てしまった。
とのこと
レントゲン、CTを撮ると、
遠心根の病変は昔からあったかのようで、歯根の先に吸収と添加が起こり複雑な形態に
またCT上では4根管きちんと治療してあります。
たまにありますね、こういうなかなか治らないケース。。。
通法の根管治療を行いました。
治療1回目、人工物を一度外して徹底的な洗浄を行いました。
治療2回目 私的には前回の治療で膿も止まっただろうと思っていたのですが、
フィステルは治らず排膿あり・・・
CTで膿の原因は遠心根(奥の根)とは分かっているのですが、、、
この状態で根管充填(薬を詰める)してもまず治らないので、次に怪しい場所を掃除することに
前回の治療で、離れた場所にある2本の神経管の間に細いイスムスという溝があるのは分かったのでこの場所の清掃に着手
*このイスムスは細すぎて、CTなどでも識別できません。私は顕微鏡下で洗浄液の動き方を見て推測します。
30分かけてこの細い幅0.1mmに満たない場所の超音波切削、洗浄をおこないました。
術中レントゲン
イスムスを削ったので遠心根の黒い2本線が、太い1本線に変わっています。
根尖2mm手前までイスムスを追いました。
*イスムス:MM根 (Middle Mesial) MD根 (Middle Distal )の探し方 根管治療 - EE DENTAL_Blog
治療3回目
患者さんは治療後1週間程度でフィステルは無くなったとのこと、痛みなどもないとのこと
いつもならこの状態で根管充填を行うのですが、今回のケースは私的にもレアケースなので、
治療3回目は洗浄のみ行いました。
年明けの今週に治療4回目
腫れや痛みは出ていないとのことで、根管充填
遠心根は樋状根のようなクネクネした形状だったのでMTAを使用
近心根はガッタパーチャー使用
イスムスは近心根には多くでてきますが、これだけ根管の離れた遠心根にイスムスが出てくるのは
開業以来初ケースでした。
この後、レジンコア、仮歯を入れ半年後にレントゲン診査を行っていきます。
これで治ってくれれば理想なのですが^^;
先日もありましたが、痛みが取れない膿が止らないという理由で闇雲に根尖をカンガン削って更にドツボに、1年以上根管治療を続けている患者さんも困り果てて転院してきた方がおられましたが、
はっきり言いましょう!
「根の先を闇雲に必要以上に削っても治りません!」
感染源が根尖にあるという昔の教育が染み付いている先生ほど根の先を必要以上に削り、最初より症状が悪化してしまいます。
後、貼薬剤を交換しながら治すという治療も過去のものです。
幸い今回の歯は担当の先生がある程度の段階で専門医を紹介していただけたので、
根尖も大きく破壊されていなかったのでまだ治療がやりやすかったです。
根管治療で同じ歯を半年以上触っている患者さんは、その先生では治る見込みはかなり低いので歯内療法専門医などを紹介して頂いた方がいいと思います!
*歯内療法専門医ではやり直しの根の治療は通常2~3回の治療で終わることが殆どです。抜髄なら1回が理想!
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抜歯適応の歯の保存治療後6年半
- 2023年1月 4日 09:04
- 歯内療法日記
あけましておめでとうございます。
本日より通常診療を行います。
メール、留守電の返信は順次行っていきますのでよろしくお願いします。
今回の患者さんは年末に来院された患者さんの予後
患者さんは40代男性、他の歯の治療で来院してもらった際に
過去の治療箇所のレントゲンを撮らせてもらいました。
術前
2年前に親知らずの影響で歯茎の下に虫歯が出来てしまい、神経を取り治療をしたのですが最近調子が悪い。
骨が大きく溶け歯が揺れている、遠心のポケットも8mm
話を聞くと親知らずの影響で第2大臼歯遠心面に虫歯が出来てしまったそうです。
私の臨床上は
遠心の虫歯であればEENOボールなどでくり抜き虫歯治療すれば、症状のない歯の神経は残せることが多いです。
第2大臼歯遠心の歯茎の中の虫歯 - EE DENTAL_Blog
今回の歯は歯の周りの骨も大きく溶け、
患者さんには抜く前に残す治療にかけてみるか!?説明をさせてもらいました。
*破折であれば私は抜いた方がいいと説明し、トライは殆どしませんが破折には思えませんでした。
根管充填出来る頃には骨も出来始め動揺は小さくなってきていました。
その歯の6年半後
おぉ~、かなり良い感じで骨出来てくれましたね!
先日も似たような患者さんが来院されましたが、
歯を残したければ、保存治療、歯内療法の先生に診てもらった方がいいと思いますよ。
口腔外科とかインプラントの先生に診てもらっても抜いて症状を取る治療になります。
*先日の患者さんは歯内療法もインプラントも専門医という先生で、抜歯⇒インプラントと言われたそうです、私的にはまだ残せる治療できると判断はしましたが、専門医でも抜歯基準はマチマチです。
悪くなった歯は抜いてインプラントの方が予後の結果の見通しが立ちやすいので抜くというのも1法かとは思いますが・・・
個人的な経験則では短期間で大きく減った骨は、早い段階で適切な処置を行うことで骨は大きく回復してくれる傾向がありますね!(^。^)
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上顎奥歯のトライセクション(分割抜歯)
- 2023年1月 3日 09:03
- EEデンタル こだわり
先週も書かせてもらった「トライセクション」ケース
悪くなった根の1本を切って抜く部分抜歯
以前、トライセクション治療させてもらった患者さん
破折歯の分割抜歯(トライセクション) - EE DENTAL_Blog
歯が折れてしまい骨が溶けてきています。
折れている根だけ分割抜歯を行いました。
顕微鏡下でなるべく分割面が凸凹しないように気を付けます。
術後クラウンを腫れているケースを見ると分割面がガタガタのことがあります。
そのガタガタの部分に汚れ(細菌)が溜り歯周病的な問題を起こすんだろうと推測
仮歯で5カ月程度様子をみてもらいクラウンをSet
今日が最後の治療だったのでレントゲンでチェックさせてもらいました。
抜歯後不快症状もなく順調に経過しています。
個人的には残せそうな歯であれば、このようなトライも行います。
20年、30年持つという治療ではありませんが、患者さん次第で開業して施術させて頂いたケースで10年以上経過しているケースもちょくちょく出てきています。
このトライセクションも自分なりに勘所があり、下顎のヘミセクション(2本の根の1本を抜歯)より生存率は高い気がしています。
患者さんも5年ぐらいは使いたいとおっしゃられていましたが、個人的には10年持ってほしいですね!
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