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2023年版 根管治療後のレジンコア(土台)

最近作っている土台の動画を作りました。

  

根管治療後の長期予後を安定させる為には土台とクラウンの精度は重要になります。

*雨漏りする家は早くダメになるのと一緒

 

レジンコアは根管充填後すぐに作り始めます。根管充填材の入りをレントゲンで確認するのはレジンコアを作ってからとなります。 

無題a.jpg

  

一応、私のもう1つの専門であるレジンのノウハウをレジンコアの中にも落とし込んでおります。

 

土台用のレジンを一塊に詰めてしまうと、どうしても収縮の問題で象牙質と歯質の隙間に隙間が出来やすいです。

その隙間から唾液感染(雨漏り)する恐れがあるので、そのリスクを軽減させる為に収縮量の小さなレジンを何回にも分け積層し、その都度レジンに浮き上がりがないか顕微鏡でチェックしながら充填します。

 

土台の制作にあたり、コアをどこから製作するか考え根管治療時にガッタパチャーを止める位置もコントロールします。

因みに、ガッタパチャーを根管口付近まで入れ回転切削器具でガッタパチャーを除去するとガッタパチャーが少し浮いてしまう(歯質との隙間が出来る)リスクもありますので、その辺も考慮しています。

    

接着に戻って、

レジンの伝統的な考え方の中に「Cファクター」というものがあります。

Cファクターが大きいと浮き上がりするリスクが大きいので、このCファクターを抑えるような充填方式を取っています。

 

またレジンは青い光で硬化しますが、光から距離が離れるほど硬化不良が起こりやすいので、

一塊で詰める方法だと下の方まで光は届きません、少量を確実に固めた方が浮き上がりを抑えられます。 

 

後、詰めるレジンの色によっても硬化深度が変わります。

歯の色に似せようと色素が入ったものだと、その色で硬化深度(深くまで光が届かない)が変わりますので、

なるべく光を通す透明系の色【下にマジェステーES XW(クラレ) 上にSDR(デンツプライ)】を選択します。

また歯質と違う色を使用することで再治療の際も歯との見分けがつきやすくパフォレーション対策にもなります。

(ケースbyケースで前歯など歯の色を考えた場合はオペーク系の色を選択します) 

  

因みに、接着処理はレジンがくっ付きにくいとされる象牙質に着目した「イーライズ(ペントロン)」を使用

また根管治療では細菌を殺す為に使用するNC(次亜塩素酸ナトリウム)が歯質とレジンの接着阻害を起こすので、根管治療後は表面を1層削って17%EDTAで下処理を行っております。

  

以上、がここ7~8年ぐらいの術式になります。

手間がかかり過ぎて全く一般的な方法ではありませんが、今の所この術式で困ったことがないのでこの方法でいいかなと思います。

むしろ土台用のレジンを使って一塊で詰めていた時代の方が・・・

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