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激細根管の歯内療法と歯髄断髄法
- 2023年1月11日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性(歯科医師)
2カ月前にセラミックインレーを形成した所から大きな痛みが出てくる。
その後1カ月ぐらい痛みが続いた後、痛みは落ち着いてきた。
先生が言うには「涙が出てくるほど痛かった。。。」
自院でレントゲンを撮ると、神経が死んでしまったようで根尖病変が現れてしまった。
とのこと
レントゲンを撮ると
CTで見ると、痛みのあった第一大臼歯はやはり神経が死んでしまったようなので、
第一大臼歯は根管治療を行うことにしました。
ただ、神経管がかろうじてCTで分かる程度に細い・・・
術中
4根管でしたが、メチャクチャ神経管が細く0.06と0.08mmのファイルでタッグバックを追う。
今現在、抜髄やネクローシスパルプは長目に時間を頂き1回法で根管充填+支台築造(レジンコア)まで行うのですが、
神経管が細い為、4本中、3本根尖まで穿通した所でタイムアップ。。。
治療2回目に根管充填+レジンコアまで行いました。
2か月後、再び連絡を頂き「あれから奥歯のインレー形成をしたら痛みが出始めた。。。」
歯髄処置ならやっぱり専門医の先生にお願いしたいとのことで、
再び、再診断
第2大臼歯の私が出した治療法は「歯髄断髄法」(神経の上の部分だけ取る)で行けるんじゃないか!?
CTで根尖の透過像確認を行うと、まだ何とか神経は残せそう!
ということで、1回法で断髄+レジンベースまで
第2大臼歯はセラカルにて覆髄
第1大臼歯はガッタパーチャー使用
そこからかかりつけの先生にインレーを作ってもらい
治療半年後
第2大臼歯の断髄部は問題なし
第1大臼歯も症状はないとのこと、透過像も縮小傾向が見られ、
次回は1年予後の診査となりました。
帰りがけに先生は「やっぱり歯内療法専門医は安心感が違う」と言ってくれましたが、
たまたま2本何とか残せそうです。
特に第1大臼歯は他の先生にレッジなど作られ来院されていたら・・・
ぶっちゃけ根管治療は1回目の先生でその歯の予後というのは大体決まってしまうと思います。
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