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破折・ヒビが原因のフィステル(膿)×3 保存治療を行ってみました

患者さんは40代女性

3カ月前ぐらいから歯茎に白いものが出来てきた。

痛みはないが歯を押した時、咬んだ時に違和感を感じる。

 

レントゲンを撮ると、

2023 EEdental KUH (1).jpg

根尖病変が3つあるのですが、

びっくりしたのがフィステル(膿の出口 ニキビのような所見)の数 3つ。。。

病変それぞれが独立して排膿路を確保している状況

 

根尖病変が見られても、多くの場合はフィステルなし or 1つ

たまに2つなのですが、数年に1人ぐらいでしょうか、フィステル3つ

 

患者さんには残す治療はした方がいいが、ちょっと難しそう。

もしかしたら外科的歯内療法になる可能性があることを説明

 

患者さんは何とか残したいとのことで治療スタート

インレーを外し、詰めてある人工物を取ると・・・

神経方向に向かって走るクラック(ヒビ)!

 

なるほど、歯が折れてそこから細菌感染して神経が死んでしまったのか。。。

そうなると、咬んだ時だけ痛いという症状の整合性が取れる。

 

患者さんにクラックのことを説明し、残す方向でトライさせてもらいました。

隔壁を行い、歯の中の神経管を探し出し徹底的に根管洗浄

  

治療2回目 

3つのうち2つのフィステルは消えましたが、1つ「ん~、消えたと判断していいのか!?」という微妙なフィステルが・・・

患者さんに説明行い、もう1度根管洗浄を行う。

 

治療3回目

腫れも痛みもなくフィステルも消えたことより、根管充填

2023 EEdental KUH (3).jpg

3壁健康なしっかりした歯は残っていましたが、クラックがあることよりクラウンにすることに 

 

仮歯を作り10か月後

2023 EEdental KUH (4).jpg

フィステルも出来ていなく骨も出来てきてくれています!

 

ヒビから神経が死んでしまったケースですが、何とか保存出来そうです。

 

患者さんから継続してクラウンもやってと言われたので、この後クラウンを製作します。

*この場合、クラウンの咬合(咬み合わせ)の与え方と咬合面の形態に注意を気を使います。

 

クラックが入った歯の取り扱いはステージごとに分けているのですが、そのステージ判断が難しいのです。

昨日は他の患者さんで経過をみてもらっていた歯 顕微鏡で見ると明らかにクラックで歯が開き始めている。

ただ、無症状で今回のような根尖病変はなく、電気歯髄診断も微弱な電気で反応し生活歯と判断

この場合は根管治療なしでクラウンで治します。

 

クラックが入った後に、強い冷水痛&温水痛&咬合痛が出てくれば神経の生死を判断し、根管治療+クラウン

クラックが入って根尖病変(膿)が出来た場合 ダメ元で根管治療を行い予後が良ければクラウン

完全に2つに割れた場合 ⇒ 私は抜歯を勧めます。

*どうしても残したい人は・・・接着修復の先生の歯科医院に行ってもらいます。

 

個人的にはこういったクラック

しっかりした第2大臼歯がある第1大臼歯の場合は早目なら比較的予後がいい、第2大臼歯は・・・

治らず何本か抜歯をしています。

私なりの考察:最後大臼歯(歯の一番奥歯)は歯の負担が大きくクラックが進行してしまう、第2大臼歯がしっかりしていれば第1大臼歯は守られるので奥から2本目の歯にクラックが入ったケースは予後が良い。

 

追記:

【神経のある歯が折れる方】は、①犬歯誘導ではない、②折れる歯は非機能咬頭の内斜面に強いガイドがある、③咬頭の展開角が急な方も折れやすい

不思議なんですが、神経の生きた歯のクラックってなぜか前歯では起こらず臼歯(奥歯)に起こり、上顎は第2小臼歯、下顎は第1・2小臼歯には今の所見たことありません。

結局、歯の寿命って、最後は咬合(咬み合わせ・咬む力)なんだなと思います。

 

追記2:

2023 EEdenta KUH (9).jpg

無事クラウンが入りました。

だいぶ骨も出来てきてくれています。

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