Home> 歯内療法日記: 2015年9月アーカイブ

歯内療法日記: 2015年9月アーカイブ

第7回 「歯内療法症例検討会」

2年ぶりぐらいに吉岡先生の歯内療法症例検討会に参加させてもらいました。

http://eedental.jp/ee_diary/2013/03/post-726.html 

 

 

なぜか、毎回中部歯内療法学会と日程が同じで、

今回も同日に名古屋では中部歯内療法学会が行われていました(・_・;)

 

今回は中部歯内療法学会を欠席して、下野名誉教授の話を聞きに行きました。

(知り合いの先生に「理事が休んじゃっていいの!?」と言われましたが・・・ 知りません(笑))

 

 

下野名誉教授は『病理』という分野の先生で井澤先生がおっしゃるように

歯内療法と病理学のかけ橋になるような非常に分かりやすい講演でした。

DSC02262a.jpg

 

 

私が学生時代、病理学、生化学、生理学、大っ嫌いであまり勉強してこなかったので、

今になってその基礎の大切さに気づくようになりました(・∀・)ゞ

 

 

人の体の基礎・構造・法則を知っておくと、

自分の臨床で起こった失敗、エラーがロジカルに考えられるようになると最近気づきました。

  

例えば、神経が生きているか検査する【電気歯髄診断】

これって曖昧な検査法でこれだけでは本当に歯髄の生死は分かりません。

なぜか!?(?。?)

歯の知覚を感じる神経にはC繊維、Aδ線維、Aβ繊維があり、

この電気を流す検査法で反応するのは『Aβ繊維』であり、C繊維、Aδ線維の反応までは分かりません。

 

ただ、原因・診断予測をつける1つの優れたツールにはなります♪(o=゜▽゜) 

(私は開業時にヤフオクで安く購入しました)

  

このロジックを知っている先生と知らない先生では診断力にも差が出てしまうと思います。

(正直、私も2~3年前ぐらいに知った(笑)) 

 

  

学生時代記憶した単語が色々出てきて少しではありますが繋がった部分があります。

 

私の中のビックリ・トピックスとしては、現在歯の『痛みのメカニズム』は

「動水力学説」より「知覚受容複合体説」

にかわりつつあるのも初めて聞きました( ゝω・)ノ

 

 

また、

下野名誉教授の『ドミノ理論』は一度勉強しておこうと思います。

初めて知りました。 

 

  

さすが、まじめな医科歯科大学系の先生が多い症例検討会!ヾ( ゚ д ゚ ) 

 

「単車」と「洋服&スニーカー」と「ゲーム」と「マンガ」

しか記憶がない

大学時代のツケを今頃になって清算している私と違う世界( ̄▽ ̄;)

  

 

当日販売していた書籍 

『新編 治癒の病理―臨床の疑問に基礎が答える』

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4263443462?psc=1&redirect=true&ref_=oh_aui_detailpage_o00_s00 

さっそく購入しました。

会場で重い本買って新幹線で持って買えるのがメンドクサかったのでアマゾンで購入しました。(ポイントも2050付いていたし(・ω・;))

 

 

1時間半の講演でしたが、もっと色々聞いてみたくなるような非常に分かりやすい講演でした。

 

 

後、偶然症例発表で岩谷先生の

『バスクラリゼーション』の話があり現在1症例行っているので、個人的にはタイムリーな内容でした。

 

下野名誉教授の話によると、

バスクラリゼーションは根管内の血餅の中にはグロースファクターが豊富にあるので出血を一度させた方がいいかもねと。

 

テクニックばかり追い求めていた20代、30代でしたが、

40代になり私も少しロジカルに治療をしていこうと思っています(・ д ・;)

(ぶっちゃけ、テクニックを勉強した方が臨床は面白い!)

 

 

今後も必要なことを必要な時期に勉強して行こうと思いますミミミ(ノ-∀-)ノ

 

吉岡先生、スタッフの先生方ありがとうございました。

  

 

『歯内療法症例検討会』

エンドに興味のある先生は参加してみると面白いですよ!

 

駄目だしコメンテーターの小林先生のコメントが面白い! ( ´ 3`)~♪

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

自然に見せるセラミッククラウン(ジルコニアフレーム使用)

左から2本目の歯がセラミッククラウン(ジルコニアフレーム)

2015 EEdental I M (1).jpg

材質がセラミッククラウンと言っても出来あがるものは様々で、

色1つ取っても、白い被せ物から上の歯のように自然に見せる被せ物まで様々です。

被せ物の色、形態に関しては技工士の腕次第なんですが、上手なセラミスとで助かっていますm(_ _ )m

 

  

また被せ物の適合精度は別の話になりますが・・・(´-ω-`;)ゞ

 

 

 

今回のケースは審美セラミックを希望されての治療ではなく、

根管治療をしているがなかなか痛みが引かないとのことで転院されてきた患者さん

2015 EEdental I M (3).jpg

 

 

 

きちんと根管治療を行い、術後のレントゲン

2015 EEdental I M (2).jpg

結構複雑な根管形態でしたが綺麗に充填できましたヾ( ・ω・)ノ

 

根管治療後に

2015 EEdental I M (1).jpg

 適合良くクラウンが入りました!

 

  

こつこつ1つずつのステップを丁寧に(・∀・)

 

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

治す為のルールを守る根管治療 と 根尖病変の治癒スピード

大きな病変(膿)ができ感染根管治療をし始めたが

治療後に大きく腫れたり、膿が止まらないので一度診て欲しいとのこと

 

術前時 歯茎にはフィステルがあり、膿が出てきています。

レントゲン

2015 EEdental IT (1).jpg

黒い部分が骨が無くなった所

かなり大きな病変でレントゲン上で長径13mm(イメージ的には親指の爪ぐらい骨が無くなっています)

  

 

レントゲンを見ると治療途中なんですが、歯の入り口辺りには虫歯様の所見

 

 

根管治療の成功のポイントは菌の排除です。

また虫歯というのは菌の固まりであって、入り口の虫歯を綺麗に除去しないで根管治療をしても絶えず菌が歯の中に入り治るものも治りません。

 

で1回目の治療のまず最初に行ったのが

『虫歯の染め出し液を使用して徹底的な虫歯除去』 (まずは見える部分の菌の除去)

次に

新たな菌が入らないような環境作る為に隔壁(少なくなった歯の補強的な壁を作る)

その後、通法通りの根管治療を行いました。

(今回無貼薬)

 

 

1回の根管治療で根管内はある程度綺麗になったと判断して、次回の治療は1か月ごと指示( ・ω・)ノ

 

 

今日が前回から1か月経過した2回目の治療日でした。

患者さんに聞くと「痛み・腫れは一切なく歯茎の膿も出てこなくなった」とのこと

 

レントゲンでチェック

2015 EEdental IT (2).jpg

あら!?

 

だいぶ黒い部分無くなってきたね!(骨が出来てきている)

 

まだ根管治療を1回しただけです( ・∀・)ノ

 

 

ここから言えるのは、まずは原則を守り治療を行うこと、

この原則が守られずに、薬の交換を何度しても治りませんし、

最終的なガッタパチャー(薬と表現しますが実はただのゴム)を綺麗に入れれば治る訳ではありません。

と私は解釈しています。

 

 

今日はこのような治癒傾向が出てきているかチェックだけしたかったので、

2回目の根管治療は簡単な洗浄だけ行って終了となりました。

 

 

次回最終的な薬を詰めて根管治療が終了となります( ^ω^ )/'''

(根尖が#70と大きく破壊されているのでMTAを使用する予定)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

「エンド専門医に治せない歯痛」 セミナー 【非歯原性歯痛】

昨日、歯内療法学会の支部会で行われた 

和嶋浩一先生の【非歯原性歯痛】のセミナーに参加してきましたが、非常に勉強になりました。

DSC02221.jpg

 

というか、自分の弱い範囲だったので、勉強するにはいい機会でした。

 

非歯原性歯痛とは何ぞや!?

ざっくり言えば、『歯が原因でないのに歯・口腔内領域が痛む病気』

 

根管治療とは非常に密接な関係があり2013年のAAE(アメリカ歯内療法学会)でもトピックスにあったようです。

(2013年AAEに参加していたのですが、興味がなくノーマークでした。。。)

サーフィンの思い出しか・・・ http://eedental.jp/ee_diary/2013/05/post-765.html 

プレートランチベスト3 http://eedental.jp/ee_diary/2013/04/post-762.html 

 

さて、 

 

典型的な【非歯原性歯痛】パターンとして

歯・歯肉が痛む ⇒ 歯科医院 ⇒ 原因が分からない ⇒ とりあえず痛みの近くの神経を取る ⇒ 痛みが治まらない

治療を続ける ⇒ 歯科医師もお手上げで抜歯をする ⇒ 痛みが隣の歯に移る ⇒ 最初に戻る

 

結果:専門機関に行く頃には多くの歯を失う

慶応義塾病院へも、原因が分からないまま抜髄治療(48%)、抜歯治療(31%)が終わってから

痛みの原因が分からないとのことで来院があるようで、歯科医師がもっと非原性歯痛の存在を疑った方がいいように思えます。

 

  

歯の中の神経も脳と繋がっており治療が引き金で大きな問題を起すことがあります。

この【非歯原性歯痛】引き金になる確率が高い治療が『根管治療』

  

この非歯原性歯痛は質の低い根管治療で起こってしまうことが多いとのことですから、

抜髄時から専門の医療機関で治療を受けた方がいい部分もあります。

根管治療後6カ月以上痛みが続く割合 メタ解析で5.34% (6か月痛みで悩まされるのは苦痛ですね・・・)

 

 

またEEデンタルにも、痛みが取れないとのことで来院がありますが、年に2名ぐらいは根管治療の問題ではなく

【非歯原性歯痛】の疑いで専門の医療機関にかかって頂くこともあります。

非原性歯痛の割合はメタ解析で3.45%だそうです。

 

  

また男性に比べ女性に多く 2:8の割合だそうです。

つまり男性に比べると女性は痛みを持ちやすい体質のようです。

(痛みに対しての抵抗性は女性の方が高い、ただ痛みには敏感とのこと)

【非歯原性歯痛】で慶応義塾大学病院を受診する方の5割近くは口周りの痛みのようで、

歯科治療が原因になっていることも多いそうです。

 

 

今回の実習では非原性歯痛の診断方を勉強してきました。

大きく分けて「筋・筋膜性疼痛」と「神経障害性疼痛」、もしくはミックスタイプが多いらしく

その診断法などの実習でした。

 

 

トリガーポイントなどの触診により異所性疼痛が起るのは知りませんでした。

側頭筋のトリガーポイント ⇒ 上顎前歯

咬筋のトリガーポイント ⇒ 上顎小臼歯

に痛みが出る。

その他、色々勉強になりました。

メモ

痛みは脳で感じるもの

痛みに対する恐怖が脳に変化を及ぼす

治療(歯科)は痛みを与えないように行うべき

睡眠の質が関係する

神経を切断してしまうと末端はマーラー変性が起り、末端の神経は無くなってしまう

切断された神経の再生は1日1mm程度で起こることがある

 

 

歯内療法に密接に関係している分野なのですが、

今一あやふやだった部分が少しずつではありますが繋がってきました。

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

チマチマした根管治療が歯を残す

かなり大きな病変でしたが、治癒傾向が見えてきました!( ・ω・)ノ

2015 EEdental  KaF.jpg

赤丸の部分が病変(骨の溶けた所)

患者さんの都合で、少し時間をあけてレントゲン撮影をしました。

(石川県からそうそう10分のレントゲン診査の為にこれないですよね( ̄0 ̄;)) 

 

今日の1年半後のレントゲンを見ると、

かなり良い感じで骨が出来てきてくれています。

 

 

*このケースは2本とも根尖の破壊&吸収が起っていたので、

MTA(デンツプライ)で根充しましたが、治ってきてくれてよかった!

【根尖破壊 = パフォレーション】 に近いのでパフォのリペア系根管充填にはMTAが良い気がしています。

 

 

 

根管治療が終わったこの後は、「セラミッククラウン」で修復を行って行きます(^ ∇ ^)

 

 

セラミックケースもこんな感じでうまく行けばと企み中(笑)

 

  

審美治療を長持ちさせるには

まずは『基礎工事の根管治療』

http://www.eedental.jp/stayle.html

  

  

EEデンタルの強みは根管治療+審美治療(レジン+セラミック) ですかねヽ( ・ ω・)ノ

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

歯からくる蓄膿症(歯性上顎洞炎)

鼻が詰まる・鼻から膿がでる蓄膿症

片側の鼻だけの症状であれば歯が原因のことがあります( ´ノω`)

 

  

以前ブログに書いた患者さんの1年予後のレントゲン撮影をさせてもらいました。

http://eedental.jp/ee_diary/2015/01/post-1097.html

2015 eedental hik (4).jpg

まだ病変はみえますが、大きな影も小さくなってきてくれています。

 

 

また症状はかなり良くなったとのことで、患者さんは

「仰向けで寝れるようになったのが一番うれしい」\(>∀<)/

とのこと。

*昔は仰向けになると喉の方に痰が絡んでしまって寝れなかったそうです。

 

 

生活に支障がないレベルまでに回復してきてくれました( ・∀・)ノ

 

実は根管治療の質というのは生活の質を大きく左右するもので、

根管治療の不備によって、上顎洞炎や非定型歯痛など大きな病気になってしまうことがあります。

  

つまり医療行為を行ったが故に病気になってしまうこともあるのです

 

   

【きちんと丁寧に根管治療を行う】

言葉にすると簡単なのですが・・・

 

 

日本の根管治療の治療費というのは世界的に見ればあり得ないぐらい安すぎる為に

手間をかけると必ず赤字 

⇒ ある程度の所で良しとする 

⇒ 問題を起す率が高い(日本の根管治療の成功率は4割程度とも・・・) 

⇒ 中には今回のような大きなトラブルになる

という『負のサイクル』

*赤字と分かっていてもそれでも頑張られている先生も多くおられますので誤解のないようにm(_ _)m

 

治療費が安いということは良いことにも思えますが・・・

 

 

今回の患者さんもう1年後にレントゲンを撮って診察する予定です( ・з・)ノ

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

小臼歯の大きな虫歯 根管治療+レジンビルドアップ

台風直撃のEEデンタルです(p・Д・;)

(浜松は大きな被害が出ているようですが、豊橋は風だけです)

  

1年近く前にYou Tubeに上げた『 小臼歯の大きな虫歯』

 

 

 

1年予後で来院してもらいました。

 

2015 EEdental E t .jpg

問題なく使えているそうです( ・ω・ )ノ

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

Home> 歯内療法日記: 2015年9月アーカイブ

購読
Powerd By

Return to page top