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歯を残したければ「歯科口腔外科」ではなく「保存科」へ
- 2014年6月27日 16:39
- 歯内療法日記
患者さんの中にはどうしても歯を残したいと思われ、一般開業医で対応が不可能になると
市民病院、県病院などの総合病院になる『歯科口腔外科』を受診される方がおられますが、
口腔外科は親知らずや、難しい歯を抜く専門であり、歯を残す科ではありません(p・Д・;)
患者さん心理で言えば、大きな病院ならと思われているとは思いますが、
歯を残したければ「保存科」にかかるべきなのです(>ω・)ノ
ただ、この保存科は大学病院などにしかありません。
何故か!?
基本的に手間のかかる保存処置は保険治療では赤字になり、総合病院などではお荷物の科になるので
赤字の保存科などは総合病院では作りません(; ̄Д ̄)
(海外のように虫歯1本4~8万頂ければいいのですが・・・)
ではなぜ大学病院では経営が成り立つのか!?
いえ、成り立っていません。
毎年かなりの赤字です( ゚ ▽ ゚ ;)エッ!!
大学病院などは研究・教育機関として国からの補助金があるので、それで何とか経営している現状があります。
大学病院は先にも書いたように教育機関ですから、新人の先生や若い先生が経験を積む場でもあります。
すなわち大学病院にかかれば、最先端で高い技術のものが受けれる訳ではありません。。。
また、昔大学の先生と話していましたが、
開業医の先生で残せないという歯を大学病まで治療に受けに来られるが
「大学病院だからと言って、意地でも残すようなことはしない」
「治療の基準、やることは開業医の先生と同じこと」
と話されていました(´・д・)ノ
歯チャンネルなど見ていると、不安だから大学病院などにかかられている方がおられますが、
今後一般開業医の紹介状なしでは受診できないようになってくるそうです。
病院には病院の役割があり、一般的な虫歯治療などは町医者が担当すべきものなのです。
さて、今回のケースなのですが、
患者さんは自分の歯を保存したく、何件か歯医者に行ったそうなのですが・・・
問題がてんこ盛りで、
根の先端に根尖病変(膿) 歯には治療の際に穴(パフォレーション)が開けられており・・・
その他にも、親知らずの影響で骨が少なく歯周ポケット、また根の神経のうち1本が見過ごされている。
などなど、色々な問題を抱えています(;´ω`)
めぐりめぐってEEデンタルへ(一応「保存科」の仕事を得意としています)
残せませんか!?と聞かれれば
「残せる保証はありませんが、残す方向で治療はできますよ」
と言った所でしょうか(´-ω-`;)ゞ
ただ、多くの先生が抜歯した方がいいと話されるかもしれません。
この歯を『一生持たせたい!』と言われれば、150%無理と答えますよ(笑)
実際治療をしてみて、1つずつ問題を治療していくこと1カ月半(治療回数:3回)
実はこの歯、樋状根と普通の神経管の中間のような歯であり、
3本の独立した根管が根の先端で合流して最後は1つの出口になるという
かなり珍しいケースの歯でした。
根管充填後
*黄色の⇒部分が3本が1つに合流する場所
黒い穴が根管(神経管)×3
特殊な樋状根の中では、以前ブログにしたこのケースが近いですかね
http://eedental.jp/ee_diary/2012/09/post-607.html
なぜ、こんな根の先端の所で合流することが分かったのか!?
このからくりは8月3日の講演で
http://eedental.jp/ee_diary/2014/03/83.html
聞けばガッカリするぐらい、アナログな方法なんですけどね(笑)
ただ、裸眼の治療と違い顕微鏡で拡大視野で見ることでどういう状況か分かっているから、それに対してまぐれの治療ができるんです!
(あまり偉そうなこというと怒られちゃいますけどね(・ω・。))
この歯は今後仮歯を入れて経過を診て行きます。
綺麗に治療できた1症例です。
治ってくれ!(´・ω・)ノ
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