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【歯内療法専門医】 歯根端切除術(外科処置)後の感染根管治療
- 2015年7月 8日 09:09
- 歯内療法日記
患者さんは一度外科処置を行ってみたが治らず、膿がでるとのこと
四国の先生からの紹介で。。。
(四国ってかなり遠いですよ^^;)
再外科処置の依頼でした。
口腔外科などで行われている従来式の『歯根端切除術』は
成功率が57.7%という文献もあります。
ですので、4割の歯は抜歯になってしまいます。。。(´_`。)
ただ、 歯内療法の世界では1990年代の歯内療法革命において、この『歯根端切除術』を改良した方法が生まれました
今までの歯根端切除術との違い、
1、顕微鏡下での手術 (今まで見えなかった部分が見えるようになった)
2、切った断面にセメントを詰めて細菌を生き埋めにできるようになった(MTAセメント)
これらの術式を『外科的歯内療法』と言います。
http://www.eedental.jp/surgery.html
昔は口腔外科の先生が担当し行っていたものなのですが、現在は歯内療法専門医が顕微鏡下で行う『外科的歯内療法』は
5~7年予後で成功率91.5%というデーターがあり、成功率が34%と革命的に上がる方法があります。
*個人的にはこの91.5%というのは滅茶苦茶外科の上手な歯内療法専門医のデーターで、普通の専門医はフリードマン教授が言っていた成功率8割という数字の方が私はしっくりきます。
が、
この外科処置の成功率を左右する因子の1つに、前回の根管治療の『質』がいいか!?があると個人的には思います。
イメージでは
大きな箱の中に10匹のアリがいて、しっかりした蓋でアリが外に出れないようにする。
一方、
大きな箱の中に1000匹のアリがいて、しっかりした蓋でアリが外に出れないようにする。
(アリ=菌)
当然、箱のなかのアリの数が少ない方が、外に出れない配慮は色々できますよね。
それと同じでまずは歯の中の細菌の数を減らすことを行うことが歯を残す為のファーストステップと考えましたv(= ̄ω ̄).。o○
術前のレントゲンを診て、
「今回はもう一度通法の根管治療をしましょう、予後が悪ければその時に再外科処置できるような下処理も同時にします」
と話、感染根管をしてみました。
長いネジが入っていましたが、根の専門であれば問題なく除去することは可能です!
(たぶん前の先生は長いネジの除去が難しいと判断したんだと思います)
昨日治療後3か月でわざわざ遠方から来院してもらいましたが、治療後から歯ぐきから膿も全く出ていないそう。
3か月で少し骨が出来てきてくれているようにも見えます。
今後もうしばらく経過をみて行きます( ・∀・)
(でも10分のレントゲン診断の為にわざわざ四国からして頂くのは気が引ける・・・)
歯を長く残したければ、『保存学会』や『歯内療法学会』などに所属する先生を探された方がいいと思いますよ。
設備が最新でも「インプラント専門」などでは人工の歯を作る専門であって、歯を残す専門ではありませんからね!ヾ( ^ д ^)
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