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エビデンスの勉強を

顎関節症患者さんの紹介でお世話になっている口腔外科医の湯浅先生の話を聞きに神戸まで行ってきました。

豊橋市の口腔外科に勤務の湯浅先生の話を豊橋の人間が神戸まで・・・ 

 

元町の駅を降りると、ウインズ(JRA)があり、ふと見ると今日は桜花賞

時間もあるし、久々(9年ぶり)に馬券でも買いますか!

DSC02324.jpg

*万馬券狙いで500円分

 

とダメダメ先生丸出しでいざ会場に(笑)

 

因みに馬券は全て外れました。。。

 

 

湯浅先生と言えば、私が開業してすぐの頃からブログを見て頂いており、はじめてブログ経由で私に声をかけてくれた先生です。

また、私が知っている中では最も論文を読んでいるスーパーマニアな先生で非常に知識が豊富な先生です。

 

今回も非常に勉強になりましたヾ( ′ ▽ ` )ノ

 

ここ10年で普及してきた「エビデンス」という単語とはなんぞや?

私も 大学時代にはエビデンスという言葉自体聞いたことありませんでした。。。

 

卒業して2年後ぐらいにたまたまあった勉強家の友人から聞いたのが初めてでした。

「なんだよエビデンスって?」=( ノ´Д`)ノ゚

 

 エビデンスとは

日本語に訳すと,"根拠に基づく医療"です

http://spell.umin.jp/EBM.htm 

 

  

色々な論文からエビデンスを求めガイドラインを作る先生の指導をしている

湯浅先生が最初に話されていたのは

臨床とはエビデンス至上主義ではない

ということです。

 

 

エビデンスとは患者さんによりより判断を下す為の1つのツールであって、

治療は4つの要素から考えるもので

・患者さんの価値と好み

・医療者の経験

・医療環境

・臨床的な疫学データー

 

から総合的に判断をして治療を行うとのこと。

 

 

また、我々臨床家が世界で1時間に何十本も出る論文を1つずつ読んで精査することは不可能なので

湯浅先生がおっしゃられていたのは、

「良質なレビューを読む」

この良質なレビューとは何か?

 

簡単にいえばシステマチックレビューなどエビデンスレベルの高いものを読む

https://www.jsh.or.jp/liver/PDF/evidence_level.pdf#search='%E6%AB%BB%E4%BA%95+%E3%82%A8%E3%83%93%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB' 

ebi.jpg 

一口にエビデンスといってもその論文の信用度は様々なのです。

 

ですので、一昔、二昔に多かった『有名な先生は教祖様」、「その下の先生は信者さん」の子弟関係

昔、筋肉少女帯で「♪僕の宗教に入れよ、何とかしてあげるぜ!♪」という歌がありましたが( ・ ω ・;)

 

教祖様のいったお言葉は宗教内では絶対となるのですが、社会的にみれば教祖様のお話は

いち専門家の意見でありエビデンスレベルでいえば

 

最低ランク。。。(★。★)

 

ですので、客観的にエビデンスレベルが高いとされるシステマチックレビューを見た方が良い訳です。

 

非科学的な実験的・人体実験的な治療は止めましょう。。。

 

 

あんまり言うと抹殺されるのでこのぐらいにしておいて、(´・ω・;)ノ 

 

 

またややこしい話しなのですが、

このシステマチックレビューにもランク付けがあり、信頼度が高い→信頼度が低い ものまであり、

なかでも湯浅先生がお勧めしていたのが、Cochrane(コクラン)社のもの

マニアックな湯浅先生の情報では日本支社も出来たとか ← 誰もしらないと思います(笑) 

 

 

湯浅先生は専門家ではない限り全部の論文を読んで覚えている必要はない

治療の正しい方向性を知る為だけに使えばいいとのこと。

 

 

後、なるほどと感心したのが、エビデンスレベル下から2番目の症例報告論文

成功に関する論文より『害』に関する症例報告は1ケースでも成功報告より価値がある

治療の時に大切なのは「害」に対するメリットがどれだけ大きいか?  

 

つまり実験的な治療で多少のメリットがあっても、後で致命的な【害】が出てしまっては・・・

*根管治療で言えば、ビタペックスなど水酸化Caの押し出しなどでしょうか。

  

 

また私も今後もっと気をつけていこうと思ったのが、EBMの3原則

1、都合のよい論文と都合のよアウトカムを使わないこと

2、エビデンスの質を研究デザインのみで決定せずに、その研究が適切におこなわれたか、研究間に違いがなかったかなどを考慮すること

3、利益のエビデンスのみで推奨を決めずに、利益と害のバランス、患者の負担についても考慮すること、

(FCは細菌を殺す効果がある半面、人体にも害がある  本当に必要? 使うべきか? 同じ効果があるもので代用できるものはないか?)

  

という口腔外科のお話の前にこんな長い前置きの話が1時間以上ありました( ̄ー ̄;)

(個人的には外科の話よりこっちが聞きたかった(笑))

 

 

 

後は、簡単に単語の羅列を

 

根尖が肥大した歯を『樽状根』

  

ドレーンを入れると感染しやすい → そんな論文はない

 

医科より歯科の方がガイドラインがしっかりしている

 

日本人のドライソケットは少ない

(専門医レベルになると2年に1本程度 発生度は手技の手慣れによる差だと思われる)

 

コロネクトミー 埋伏智歯などの歯根部をそのままにしておく手法

 

アセトアミノフェン(カロナール)は安全性が高い(消炎作用が強く鎮痛効果は普通)

 

専門家ではないGPの先生の顎関節治療において、

顎関節症の治療 患者さんによるマッサージ(エビデンス信頼度:中) スプリント(エビデンス信頼度:中の下)

咬合調整で顎関節症が治るとのエビデンスはない → また咬合調整により体調を壊すという論文はない

*専門家の咬合調整で治すものを否定するのではない

 

関節円板のズレは全体の3割程度に見られる(←問題なく暮らせている方でも顎関節症といえるのか?)

 

患者さんと治療のゴール設定を始めに決め治療を行うべき分野もある。

 

当日に診断を下す必要はない、症状の変化による待機診断も考慮に入れる。

 

患者さんに使う言葉は慎重に選ぶべき

言葉の使い方で治す医療

  

痛みを考えている人→ポジティブ思考に変えてあげるとよい

「TCH」という概念

 

 

色々勉強になりました。

また5月8日に

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面白いセミナーがありますのでよろしければ!

 

私は家の用事と同じ週に、夜間歯科当番、1歳半検診など色々仕事があって行けません・・・(>。<)

いやぁ~、久しぶりに宮下先生の話も聞きたいなぁ~

 

 

若いうちはテクニック重視になりがちですが、歯科医療は腕の前に診断命の部分がありますから、

若い先生ほどこういった講演は得られるものが大きいと思います。

 

 

 

たぶんブログを読まれている湯浅先生、また間違えがありましたらご指摘くださいm(_ _;)m

 

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