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3年にわたる前歯の根管治療

早いもので歯科医師となって18年目となります。

  

根の治療を専門として開業していると、

痛みが取れないという患者さんが年に5~6人ぐらいおみえになります。

 

半分ぐらいのケースでは根管治療で治りますが、

http://eedental.jp/ee_diary/2016/09/post-1469.html 

半分ぐらいのケースでは根管治療をしても治らず『非原性歯痛を疑い』そちらの治療を勧めます。

非原性歯痛:http://eedental.jp/ee_diary/2015/09/post-1241.html 

 

歯が原因の痛みではないのか?

 

痛みが取れない患者さんの多くが思う疑問だと思います。

 

私が患者さんに言うのは、 

最初は歯が原因だったのですが、長い間の痛みを脳が記録してしまい

歯の悪い所は取れたのだが脳が勘違いして痛みを出し続けている。

「痛み」というのは脳が作り出しているものであり、脳の勘違いを治す為には、そちらの治療をしない限り痛みは取れませんよ。

と、話します。  

 

この厄介な痛みの多くは歯科治療

特に【細菌感染対策もしない根管治療】がスタートなのです。

ですから歯科治療はどこの歯科医院で治療するかが非常に重要になるのです。

(病院で痛みを作り出していては・・・(★。★))  

  

専門の科で非原性歯痛の治療をしても全て治る訳ではありませんが・・・

1年で非原性歯痛が取れ無事セラミッククラウンを入れた患者さん:http://eedental.jp/ee_diary/2015/09/post-1259.html 

 

というように長く痛みで悩んでいる患者さんというのは非常に大変な治療になります。

(因みに女性の患者さんに多い病気だとも報告があります) 

  

 

今回の患者さんも関西の患者さん過去に近医で医療を受けられ痛みが続き

現在、東京の一流専門医の歯科医院で治療を受けているセカンドオピニオン

2017 EEdental AM (1).jpg

根の先に飛び出したガッタパチャーと根の病変

   

もうこうなると、基本的に歯科に対する不信感が大きくなっており治療は難しい患者さんになります。(仕方がないといえば仕方がありません)

話しを聞くと、1件目の歯科医院で歯を削り、2件目で痛みが取れないので抜髄+小矯正(なぜ小矯正が必要なのか意味が分からない・・・)、3件目で病変が見つかり再根管治療 

  

三流歯科医師の私は、

「一流の○○歯科医院でやってダメならまずウチなんか・・・」(p・Д・;)

  

ということで、

○○先生の方針に従い治療を続けられることを勧めセカンドオピニオン終了 

  

 

半年後・・・

 

「やっぱり治療して!」と来院

痛みは取れない可能性のあること、違和感程度のものは残る可能性があることを了承してもらい治療スタート

1回目歯の中を見て歯の中は綺麗であることを確認 

 

1カ月後の2回目

○○先生の治療で病変も小さくなってきているので、レントゲン上では治癒傾向にあることを説明

もうやることないんで根管充填して薬詰めて様子を見ます。

根管充填+レジンコア+仮歯

2017 EEdental AM (2).jpg

仮歯Set

2017 EEdental AM (3).jpg 

   

5か月後の治療3回目 インタビューのみ

時々痛いが長くは痛まない、痛みの頻度は減っている。

*基本的に私は根管治療後6カ月して痛みが変わらなければ神経系の治療をするように話します。

今回痛みが弱くなっているのでそのまま経過観察を選択  

 

1年後の治療4回目 インタビューのみ

1カ月に2~3回くらい痛い、こめかみを押すとラクになる。

日によって痛みの程度長さは異なるが、痛みは減ってきている。

 

1年半後の治療5回目

疲れた時だけ痛い

*痛みが取れてきたことにより他の歯の治療スタート

  

そして他の歯の治療も終わり根管治療から2年半

落ち着いてきたとのことでセラミッククラウンSet

2017 EEdental AM (4).jpg

さすがセラミスト!

歯の幅の修正までテクニックで補ってくれました!! 

 

私の作った仮歯

2017 EEdental AM (5).jpg 

セラミストのセラミック

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歯の形状を少し出っ張らせ、シンメトリーに

  

仮歯との対比

2017 EEdental AM (7).jpg

黄色い線:仮歯

 

歯のポジションの為に小矯正をしたと思いますが、

個人的には、『教科書通りの理想の歯科医療』≠『良い医療』

に必ずなるとは限らないと感じ始めています。

 

理想の高い治療=ゴール設定が高い(ハードルが高い)

となりますので、そのゴールまで到達できず問題が起こることも考えられます。

  

上手な先生であれば問題はないと思いますが、私のような極々平均的な歯科医師であれば必要最低下の介入で得られるメリットの方がダイナミックな医療より患者さん利益に繋がっている気がします(・ω・;)

 

術前⇒根充後⇒セラミックSet

2017 EEdental AM (8).jpg

医療、特に自費の歯科医院は結果を出し続けないと存続できませんので、より慎重な診断というのが重要になると考える歯科医師18年目です。

  

以前にもオーバー根管充填で痛みが取れない患者さんがおられましたね

オーバー根管充填による痛み:http://eedental.jp/ee_diary/2016/03/post-1351.html  

 

科学的根拠なしに水酸化Caを歯の先からドバドバ流し出して治そう

薬さえきちんと入っていればという間違った日本独自の根管治療基準。。。

 

こんな間違った根管治療受ければ痛みに悩まされる日々が始まるかも知れませんよ・・・(-ω-;)

だから毎回書くように後戻りできない歯科医療は特に誰に治療してもらうかが非常に重要な分野なのです!!

 

と三流歯科医師は思う訳です(・ω・)ノ

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