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根尖病変、ビックパーフォレーション、ファイル破折のフルコンボ
- 2019年12月 4日 09:18
- 歯内療法日記
患者さんは40代男性
歯の痛みを感じ近医に行くと病変を指摘され、
治療がスタートするもしばらくすると抜歯するしかないとの判断
レントゲンを見ると
赤丸:根尖病変はあるものの
黄色:パーフォレーション(歯に穴)
ピンク:ファイル破折
フルコンボだね。。。
隣の天然歯にはないものがある、これらは全て医原性による問題です。
つまりは、歯科医師が起こしている問題。。。
患者さんにかなり残すのは難しい状況であること、
費用も通常の治療費の他にオプションの治療費がいること、
お金をかけても残っている歯質も少ないし使えるまでの歯となると説明
正直、1回目の抜髄をきちんと行えば少なくともこのような状況になることはほぼないです。
保険の治療費では、仕方がないといえば仕方がない・・・、
毎回かいていますが、保険治療は歯を長持ちさせることを主眼に置いたものではないことを
早く国民に分かってもらった方がいいと思うのですが。。。
患者さんも「20万かけても抜歯になるようならインプラントにお金かけた方がいいですかね!?」
と質問されたので、即答で
「そうだね!」
と返答
でも何とか自分の歯を残したいとのことで根管治療にトライ
1回目でファイル除去を試みるも、半分は除去できたのですが、先端の方のファイルが見えない
またパフォレーションはMB根、ML根の2か所に開いている。。。
徹底的に洗浄して、近心根のみ1回法で根管充填
2回目の治療で、遠心根を根管充填+支台築造+仮歯を入れ、
3カ月、6カ月、1年とレントゲンで経過を見ていき
その間、腫れや痛みの無いことを確認
で、1年後のレントゲン
根尖病変もほぼほぼ消え、問題ない状況までもっていけたかなと
昨日も初診の患者さんでおられましたが、
歯科医院を受診したら、まだ痛み腫れなどないのに
「歯を抜いて10本近くインプラントを入れる必要がある」
と説明を受けられ、本当にインプラントしかないの!?と質問を受けましたが、
ここが重要なのですが、歯科医師は
1、抜いてインプラントで咬めるようにするのが得意な歯科医師
と
2、自分の歯を残して咬めるようにするのが得意な歯科医師
が存在します。
自分の歯を保存したければ2、の歯科医師の歯科医院にかからなければ
「10本抜いてインプラント」という治療方針になることもあります。
これは日本の制度がまず問題で、
数百円~数千円で歯の治療をして、歯が無くなれば40~50万でインプラントという
システムが私はおかしいと思っています。
誰だって、後で大きな利益が見込めるのであればその前のステップはおろそかになるかもしれません。
長持ちする歯の保存を治療を行い、ダメならインプラントなら分かります。
インプラント治療に比べ、何十倍も手間のかかる歯内療法(根の治療)
正直、技術的対価で言えばインプラント治療より高額になっても全くおかしくありません。
歯の保存治療は歯科医院選びが重要です。。。(>。<)
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