歯内療法専門医の新旧診断法
- 2020年8月14日 09:09
- 歯内療法日記
患者さんは40代の女性
何度か治療しているが治らず2年以上前から膿が出るとのことで、
CBCTがある歯科医院へ転院そこでCBCTを撮り、
これは歯内療法専門医の歯科医院で治療した方がいいと説明され、
EEデンタルを紹介してもらい来院
奥歯の神経管は複雑でまず治療する前の【診断】が重要です。
CBCTがなかった時代は角度を変えてレントゲンを2枚撮り
術者の頭の中で歯の形を想像する。
すると
図1では根の数が2本に見えますが、
図2では②の陰に隠れた神経管③が確認できます。
また③の隠れた神経管は手づかずで治療している痕がなく、ここが腫れの原因と考えられます。
たぶん、この神経管を探して治療すれば治るだろうと推測していました。
が、
CBCTでは、
病変の位置大きさから、①、③が最近感染していることが分かり、
更に、神経管の太さや湾曲も分かる時代です。
ですから、
③同様に①も丁寧にやり直す必要があると分かります。
逆にいえば、②の根管は感染していないので、それなりのケアですみそう。
今回のようなケースは年に何本もあり、専門医であれば過去の経験から
「あ、このパターンね」と大体分かります。
ただ、このパターン 非常にリスキーで
・③の神経管が非常に分かりにくい場所から出てくる(壁やパフォ起こしそうな場所)
・③の神経管の軸がかなり外開きで①、②の神経管の軸とはかなり方向が異なる
・神経管の湾曲度がかなり大きい場合もあり、NI-TIファイルを折りやすい
など経験に当て始めます。
レントゲンで分かっても、手を動かしてきとんと感染源を除去出来ないと治らないので、
ある程度の「技術」というもは診断後に必要にはなります。
*宝探しの地図がCBCTで宝を探し掘る当てるのは人の技量ということです。
1回目に神経管を探し出し、2回目に膿が出なくなったのを確認し、
根管充填+レジンコア+仮歯まで
この後、半年程度仮歯で過ごしてもらいレントゲンで経過を見ていきます。
「治療前にまず診断を」というのを心掛けています(・∀・)ノ
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