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歯髄壊死(ネクローシスパルプ)の根管治療
- 2020年8月28日 09:01
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
2年前から歯茎が腫れ膿が出てくる。症状はたまに痛い日もあり違和感もある。
かかりつけの先生は様子を見るだけで、2件目の歯科医院で治療した方がいいと言われた。
とのこと
第一大臼歯の根尖近くに腫れ(イボ状の膨らみ)
レントゲン
第二小臼歯(5番)、第一大臼歯(6番)の2本に根尖病変が見られます。
手前の第二小臼歯は過去の治療で神経付近まで削ってあり、それにより神経が死んでしまった。
奥側の第一大臼歯は治療痕が見られず、咬合性外傷(噛み合わせ)により神経が死んで来たと推測
患者さんには第二小臼歯は歯質の残存量が少ない為、クラウンにする必要がある
第一大臼歯は3mmの穴を咬合面に開け根管治療+レジン充填+咬合調整と説明
治療1回目
まず奥歯の第一大臼歯を3mmの穴から4本の神経管(MB,MB2,DB,P)を根管治療
2回目の来院時
・腫れが収まっていない
2本の歯のうちどちらの歯が腫れの原因か調べてみる
フィステル(*)からアクセサリーポイントを入れ原因歯を特定する
白い線が第一大臼歯に行くので現在の腫れの原因はこちらの方と判断
CBCTでも
ここの頬側皮質骨がありませんので、第一大臼歯が腫れの原因と思われます。
この日は、
第二小臼歯を1回法で根管治療+コアまで行う
(*)最近歯科の世界は【フィステル】と言わなくなってきているようで
【フィステル(ドイツ語)】を【サイナストラクト(英語)】というようになってきています。
因みに日本語で言うと【瘻孔(ろうこう)】です。
歯科の世界は何故か用語名が変わるのでそれについて行かねばなりません。
正直、ドイツ語、英語でもどっちでもいいじゃん!と思うのですが・・・
治療3回目
腫れはだいぶ小さくなってきている
原因歯の第一大臼歯の歯の中も膿は見られない。
第二小臼歯に仮歯を入れしばらく様子をみることに
2カ月後
治療4回目
腫れはなくなり、第一大臼歯の根管充填+レジン充填
3mmの穴をレジン充填
ここからレントゲンで経過観察
5か月後
治癒傾向が見られ、第二小臼歯にセラミッククラウンを入れようと思ったところにコロナ・・・
しばらく経った今月ようやくセラミッククラウンSet
病変も綺麗に治癒し、セラミッククラウンも段差なく綺麗に入りました。
遠くからの来院お疲れさまでした(^。^)
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