治療のしにくい近心頬側根
- Posted by: eedental
- 2020年12月15日 09:06
- 歯内療法日記
奥歯の第一大臼歯は、「頭は1つで足が3本」に分かれています。
3本の根のうち我々歯科医師が治療しずらいのが近心頬側根
根管治療後から痛み、違和感がずっと続いている右上の歯
レントゲンを撮ると・・・
1根が全く手づかず
こういった感じで全く治療されていないケースもたまにあります。
なぜか!?
多くの場合、神経管の治療は手の感覚と術者の経験での治療で見えている訳ではありません。
またここの神経管の軸は口の奥から手前に道具を入れる必要があり、なかなか道具のアプローチも難しい・・・
さらにここの根っこは1本の根から神経管が2本出てきます。
*解剖学的に90%以上2本あるのですが、現実2本目の神経管は更に激細で見逃されがちです。
**レアケースで3本目のMB3が見つかることもあります。
上顎第一大臼歯のMB2 MB3 (珍しい第3の根管) - EE DENTAL_Blog
ただ、顕微鏡を用いてオープナーでつつくと
MB根、イスムス、MB2を治療
海外の患者さんだったので、
治療後1年予後で来院して頂くと、全く痛み、違和感もないとのこと。
このケースはちょっとレアケースで
治療の難しい近心頬側根に病変が・・・
治療をしてみると、どうやら入っていたガッタパチャーはMB2に根管充填されており、
メインのMB根は全くの手づかず。。。
この歯も同じように治療させて頂き、
MB、MB2と治療を行い根管充填
正直、歯内療法専門医であれば第一大臼歯のMB根は多くの場合で問題なく治療が可能かと思います。
根の治療はある程度、道具と戦略が必要な専門性が必要な分野の1つです。
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