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EEデンタル こだわり: 2022年2月アーカイブ
側面の根尖病変と縁下マージン
- 2022年2月25日 09:16
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
患者さんは30代女性
前歯に違和感が出た後から歯茎から膿が出るとのこと
レントゲンを撮っても少し分かりずらかったので
CTを撮り読影
左上1の側面に根尖病変が見られます。
それとクラウンに大きく段差があり、その部分から歯肉炎に・・・
前歯のセラミックというのはかぶせ物の縁を歯茎の中(縁下)に隠し
本物っぽく見える演出をするのですが、基本私縁下否定派・・・
縁下に入れるメリットというのは審美性しか思いつきません。
縁下に入れる治療というのは非常に難易度が高くなる治療でクラウンに段差が出来やすいです。
段差が出来ると、そこの段差に汚れが付着し歯肉炎を起こし敏感な方だと違和感を感じます。。。
ただ、前歯なので歯茎の下の縁下に入れることは一般的な方法なのですが、
今回のように歯茎のかなり深い所まで削るのはどうなのかな!?とも思います。
*きちんと印象が採れ、きちんと段差なく被せれればいいと思いますが、非常に難易度の高い治療になります。
今回のケース、過去に2回ほど根管治療したようで、太い金属の土台も見られます。
また、側面の根尖病変は治すのが難しいので、外科的歯内療法でセラミックを外さず治療も1法なのですが、
根が短く歯に動揺もあるのと、いかんせ歯肉炎を起こすほどの大きな段差・・・
*この状態で外科を行うと更に根が短くなり動揺が大きくなることが予想されます。
私は根管治療の提示をし、1回法で治療を行いました。
顕微鏡下で慎重に土台を外しましたが、特に中切歯は健康な歯質はペラペラでした。
*側切歯はクラウンの隙間から虫歯が確認できたので再治療させてもらいました。
根の先は大きく削られていた為、根管充填材にはMTAをチョイス!
そこから経過を見ていき
1年後のレントゲン
歯茎からの膿もなくなり、骨も綺麗に出来てきてくれています。
反対側のセラミックも段差はありますが、虫歯は今の所無い為よく磨いてと指導
クラウンSet直後
奇跡的に1回で過去に入れたセラミックに色が合いました(笑)
私の技術ではなく、技工士さんの腕です!
*歯が2本とも短く揺れるので2本をくっ付けた連冠にさせてもらいました。
連結をしても技工士に腕さえあれば歯と歯の孤立感は演出できます。
レントゲンチェック
以前の治療で、かなり縁下深い所まで削ってありましたが、
なんとかマージンも綺麗にフィットさせれました!
患者さんにたまに、他院とEEデンタル治療費に差があるけど!?と聞かれますが、
実は、同じ治療(材料)でもこういう手間をかけるだけ、労力が増え他院より治療費が高く設定している面があります。
同じ材料を用いれば全て同じ結果が得られるのであれば、どこの歯科医院も同じ治療費設定でもいいと思いますけどね(⌒_⌒; )
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直接覆髄による神経保存
- 2022年2月18日 09:08
- EEデンタル こだわり
患者さんは50代男性
以前右上の大きな病変の歯の治療をさせてもらった患者さん
症状のない大きな根尖病変 根管治療治癒症例 - EE DENTAL_Blog
右側が痛むとの電話があり、症状を聞くと、
今は落ち着いているが、右側の奥の方が痛んだが腫れなどはなかった。
とのこと
レントゲンを撮らせてもらうと
うっすら影はあるもののだいぶ病変は小さくなっている
症状的にも一番奥のゴールドクラウンの歯が怪しい・・・!?
患者さんに説明を行いクラウンを外させてもらうと
虫歯大爆発!虫歯を追って行くと髄角の露髄を起こしとりあえず直接覆髄を行うことにしまいした。
これは痛んでも何ら不思議ではない歯
ただ、今回のようにクラウンの入っている歯の虫歯というのはレントゲンでも虫歯の診断は不可能で
症状が出てからの後手後手の治療となります。
仮歯で3カ月様子をみてもらい、
右上に症状がないこと、レントゲンで問題のないことを確認してクラウンSet
覆髄した部分、レジンベースはクラウンを入れたことによりまた隠れてしまっています。
*このようにレントゲンではクラウンの中はどうなっているか分からないのです。
今回のようにクラウンの下の虫歯は非常に診断が難しく、患者さんの症状からの推測になることがあります。
また今回たまたま覆髄は上手く行きましたが、個人的な経験則としては症状のある歯、あった歯の予後は悪い気がしております。
覆髄した歯は稀に1年後、2年後に痛みを再び出すことが稀にあるので、しばらくは注意が必要です。
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破折歯の分割抜歯(トライセクション)
- 2022年2月12日 09:09
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
患者さんは70代女性
右上のゴールドクラウンに違和感があるとのこと
レントゲンを撮るとなんとなく違和感のある所見
別角度で確認すると
やっぱりMB根が折れており、違和感の原因はここと診断
幸い大きな痛みや歯の揺れなどがないことより、
折れている根だけ分割抜歯(トライセクション)で歯の保存を行うことにしました。
2根は特に根尖病変などの問題ないのですが、
破折した場所からの細菌感染を疑い根管治療も行うことにしました。
治療をスタートしクラウン、コア除去を行うと患者さん自身も心配するぐらいの腐敗臭が部屋中に充満
細菌感染した歯、歯の中に入れた人工物に細菌が住み着き臭いを出します。
特に歯の中に住む嫌気性菌は非常に強い臭いを作り出します。
個人的には年に数本はこのような凄い臭いがすることがあるのですが、患者さんはやっぱり心配してしまいますよね・・・
臭いに心配する患者さんに
「大丈夫ですよ、治療終わることには殆ど臭い取れますから」と説明
ただ、このままの臭いだと次の患者さんもビックリしてしまいますし、何よりその近くで治療を行う私の喉が痛くなるので
医院にある空気清浄機&口腔外バキュームを全開にしてしておきます。
*天井の空気清浄機は音はうるさいですがよく吸う!
まずは2本の根の根管治療
中に入ったガッタパーチャーも臭います。
ただ、除去、拡大操作、次亜塩素酸で消毒する頃には歯の臭いは落ち着きます。
綺麗にした後でガッタパーチャーを入れ、レジンコア
レントゲン
普段作らないポストも、残った歯の維持力を考え3mm程度のポストも作成
この後、顕微鏡下で音波を使い歯根分割し、折れている根の抜歯
根管治療は殆ど手づかずであり特に太く削ってあった訳でもありません。
また根の先から割れているという珍しいパターン
*ホント歯科の世界は不思議がいっぱいです。
分割した場所がスムーズに切れているかレントゲンで確認
綺麗に分割出来ました。
この後、仮歯を入れ半年程度待って本歯を作成します。
歯根破折回避の為、クラウンを入れた方がいいというのが今の教科書ですが、
クラウンを入れても折れる時は歯根が折れてしまいます。
今回入っていたのもゴールドクラウンでしたが、ゴールドクラウンを入れると、
咬み合わせに馴染むという理論も個人的には
「そんなに都合のいい話ってある!?」と思っています。
*タイプⅠの金属なら可能化もしれませんが。。。
根管治療後の長期の安定というのは非常に難しい問題だと感じます。
だいたい、夜間の歯ぎしりで悪くなることは想像できますが、こればっかりはどう対応すればいいか。。。
今回のケースはこの後、仮歯を入れ4~6か月程度様子を見て本歯を作成していきます。
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