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実は顕微鏡(マイクロスコープ)なしに奥歯の治療は見えていません

奥歯のフロスが引っかかる場所に違和感があるとの患者さん

 

銀歯が入っておりレントゲンを撮ってみると

2015EEdental  T (1).jpg

あらら、銀歯は全然あっていないどころか、歯茎の中に銀歯が差し込んである状態です( ̄ー ̄;)

 

一般の方は分かりにくいですが、

この銀歯歯茎の中まで歯を削っておりそこを覆うように作っています。

 

そもそも、こんな歯茎に中に虫歯があったのか!?

私の経験上は20代の方でこんな部分に虫歯ができることはまずありません。

 

では、なぜ!?(p・Д・;)

 

一番の推測に、

見えない場所を感覚だけで削ったからでしょうね。。。( ´ Д `;)

 

患者さんは歯科医師は虫歯の位置を確認して虫歯だけを削っているように思われますが、

実は奥歯特に第2大臼歯、第3大臼歯(親知らず)の虫歯は見えていません。

 

また、インレー修復などは9割近くのケースで隣の歯も削ってしまいます。

(これが銀歯を入れた歯の隣のが将来虫歯になる原因なのです)

  

残念ですが、これは私含め誰が行っても同じです

 *ネ申技をお持ちの先生は別ですが

  

歯のような小さな組織を必要最低限で治療することはホント難しいことなのです( ・ω・;)

 

  

唯一これを回避できる可能性があるのが顕微鏡(マイクロスコープ)

顕微鏡は真上から明るい光で1本の歯を照らすので、クリアーな視界が生まれます。

(暗闇の中をサーチライトでピンポイントで照らすようなものです)

 

ただし、明るく見えるだけです=( ̄。 ̄;)

 

顕微鏡治療は鏡で反射した歯の像を見ながらなので、治療をしようとすると左右反対に手を動かさないといけません。

これが顕微鏡治療の厄介な所(鏡に映った人のお化粧を後ろからするようなものです)

 

また上の歯より下の歯はさらに厄介で、左右反転の上に、上下反対になります。

(更にお化粧を逆立ちしながらするようなものです)

 

これが、顕微鏡治療の難しい所なのです。

 

私も顕微鏡を使用して10年経過しますが、

不思議なもので毎日やっているとこの鏡像の世界に脳ミソが慣れてしまい普通にできるようになります。

 

歯茎の中から慎重にレジンを詰め

2015EEdental  T (2).jpg

一番下の歯と一番手前の歯の2本をプラスチックで治療

 

レントゲンで段差のチェック

2015EEdental  T (3).jpg

綺麗に充填できましたヾ( ̄o ̄ )

 

これで違和感も減ってくれるといいのですが!

 

以上、顕微鏡がないと無理な治療の一例でした。

(ホントは、治療するなら誰も削っていない所から治療させてもらった方が削る量も1/3以下に抑えられるんですけどね。。。)

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