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銀歯のやり替えとファイル破折の10年予後

  • 2023年2月22日 09:00

EEデンタルでも

【神経を取った歯に被せてある銀歯(メタルクラウン)を白くやり替えたい】とニーズがたまにあります。

*あまりセラミックは売りにしていませんが、ありがたいことにブログを読んで来てくれているみたいです。  

この場合、私は患者さんに

・金属アレルギーなどがありやり替えたいのか!?

・審美的にやり替えたいのか!?

聞きます。

 

金属アレルギーであれば、「掌蹠膿疱症」も疑い

保険で使用した全ての金属を外し根の治療から勧めます。

審美的にやり替えたいのであれば、

できるだけ

『歯の寿命を短くしないよう』に審美的に治します。

 ↑ これ当たり前と思うでしょ!? でも現実は違うんですよ。。。

 

こういった過去に神経を取った歯の銀歯のやり替えは上から

1、被せ物(銀歯)

2、土台(金属の土台)

3、根の治療(根管治療)

の3ピースに分かれており、銀歯をやり替えたいと言っても

下の根の治療から一度すべてやり直す先生もいますし、1の被せ物だけやり直す先生もいます。

 

個人的には根に病変さえなければ、クラウンのやり替えだけした方が、歯の寿命を大きく変化させませんが、 

昔神経を取った歯の場合多くの場合でメタルコア(金属の土台)が入っている場合

この金属の土台の除去というのは歯の寿命に相当大きなインパクトを与え、最悪着手したが為に歯に穴を開け予後不良みたいな場合もあります。

  

 

今回の患者さんは40代女性 

2009年から通院して頂いている患者さんですが、

  

右下の歯が欠けたということで撮ったレントゲンです。

2023 EEdenntal SIM (1).jpg

右下7にファイル破折様の所見があります。

 

まず間違った診断1

【ファイル破折があるから根管治療をやり直して除去しないと大変なことになる!】

↑ これ嘘です。 ゴムが入っているか金属が入っているかの違いです。

特に大きな問題になることは皆無です。

本当に!?根管治療の際のファイル破折は痛みの原因!? - EE DENTAL_Blog

 

間違った診断2

【保険の金属は体に悪い、深刻な健康被害になる】 

↑ これもほぼほぼ嘘 銀歯で必ず健康被害になるのなら国民の9割以上は病気です。

そもそもなんですが、保険の金属が悪いとう先生がなぜ保険治療をしているか謎なんですが・・・

  

 

レントゲンでファイル破折様の所見があったので、患者さんには一応お話はして

「問題ないから触らなくていいよ」とだけ結論を伝えます。

 

 

それから4年後 クラウンが外れたと連絡がありました。

2023 EEdenntal SIM (2).jpg

根の先には特に根尖病変がありません。

メタルコア(金属の土台)が入っていましたが、今回の脱離は虫歯ではなく

夜間の歯ぎしりにより銀歯をくっ付けているセメントの劣化と断定

 

患者さんには、

「この根管治療いつやりましたか!?」とまず聞きます。

10年以上前で根尖病変がなければ私は、

「根管治療の出来る回数は2回 特に根に病変もないので今回は大切な1回は使わない方がいい」

「もし将来的に根に病変が出来たらその際に大切な1回使った方がいい」

 

根管治療後10年以上経過して病変の無い歯は比較的予後いいから

 

ホント思いますが、

『歯を長く持たせるためには必要最低限の医療介入!』 

後は、

「歯の治療が必要な場合はできるだけ上手な先生に依頼する」

 これ20年歯科医師やってきての結論

歯の寿命を短くする最大の因子は「歯科医師の治療」ですからね。  

 

患者さんは私の治療方針でOKとのことで、2017年はクラウンのみやり替えました。

 

で、先日また歯ぎしりで第1大臼歯遠心の歯がかけたとのことでレントゲン撮影をさせてもらうと

2023 EEdenntal SIM (3).jpg

ファイルの折れている第2大臼歯は全く問題ありません。

「ね!? 破折ファイルで大事にはならないでしょ!?」 

 

 

歯の治療は先生毎に治療方針が変わります、これは特に不思議なことではありません。

ただ、その方針で歯の寿命というのは大きく左右されることがありますので、

特に審美的に綺麗にしたいという患者さんは

【歯の寿命と引き換えに白さを手にしている】という誰も触れない事実だけは知っておかれた方がいいと思いますよ。

 

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