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直接覆髄後に神経が死んでしまった側切歯の根管治療
- 2023年2月 3日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
2018年年末に前歯に痛みが出てきて、口蓋側まで痛みがあった。
とのこと
レントゲンを撮ると
神経が死んでしまったみたいで大きな根尖病変が見られます。
この歯は2010年に大きな虫歯があり、私が直接覆髄+レジン治療させて頂いた歯でした。
病変の大きさ的には2~3年前ぐらいには神経が死んだように思えます。
最近は自分のなかではあまり積極的に直接覆髄はしなくなりましたね。
どちらかというとシールドレストレーションやAIPCがメインになってきています。
わざと虫歯を残す治療法「シールドレストレーション」 - EE DENTAL_Blog
患者さんには治療方針をお話して、
3mmの穴から根管治療を行いその穴をレジン充填する方針
治療後
根管充填材にはガッタパチャーを使用
根尖が「Y」字になっているのが分かります。
たまに、ネットで情報を仕入れて根充剤はMTAがいいと言われる患者さんがおられますが、
個人的な意見では「えっ、そうなの!?」と思います。
ケースbyケースで私はガッタパチャーとMTAは使い分けますけどね。
根管治療後、仕事の都合でまた転勤になり術後の経過が追えていませんでしたが、
2022年末に来院の機会があり見せて頂きました。
術後レントゲン
きちんと骨が出来てくれています!
患者さんも何も症状はないとのことで一安心
*歯の外に出たシーラーは吸収されていません。根の先に出た人工物は吸収されるという意見はそれはたまたまであって術者がコントロールできる事柄ではない気がします。
繰り返しになりますが、根管充填材の種類だけで予後というのが大きく変わる気はしません。
先日の患者さんは他院でMTAで根管充填後に治らないと来院されましたが、
隔壁もない、ラバーダムもしていない根管治療でMTAで根管充填しても・・・
と思いました。
歯科あるあるで良い材料と分かると、皆が飛びつき
原理やルールを無視した乱用が始まり、材料の評価を落とすという繰り返しがあります。
どの業界も同じだと思いますが・・・
治す為には材料より治す為の原則の方が大切です!
ふと見返すと、
10年以上前に治療させて頂いた今回治療させてもらった歯の横の中切歯の根尖病変も綺麗に治ってくれています!
よかったよかった!\(^_^ )
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