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膿んでしまった根管治療 激難の穿通
- 2023年2月14日 09:02
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性
9年前に左上7から膿が出るとのことで根管治療をさせてもらった患者さん
近医で入れたジルコニアブリッジの前の方の歯が腫れてきたとの頃で来院
レントゲンを撮らせてもらうと、大きな根尖病変が見られます。
歯周ポケットは2mmで正常値でした。
ブリッジの奥の方の歯が取れてしまっており、手前の方の歯だけくっ付いておりジグリングの力で神経が死んでしまったように見えます。
患者さんにはレントゲン所見、フィステルの位置的にもしかしたら歯が折れている可能性も僅かながらあることをと説明
隣の第一小臼歯に比べ第2小臼歯の根管が消えているように見えます。
治療1回目
神経管は2本とすぐに分かったのですが、やはり神経管が細くなっており
0.08mmの#08ファイルが半分しか入らない・・・
これは、相当難しい根管
0.06mm#06ファイルの先をベンディングして本来の神経管を探す。
こういうケースはまず上の部分を十分に広げて下を攻めないとすぐにレッジが出来ます。
0.06mmのファイルを1回入れると非常に複雑な形で引き抜けてくる。
(一度入れると1本300円のファイルは再起不能 この日は#06、#08が3本ずつ廃棄)
1時間かけて頬側根のみ一度#006が根尖まで到達し、その後見失う
口蓋根は穿通できず、この日は開けれた所まで洗浄して終了!
*穿通操作中は次亜塩素酸を根管内に入れておくので、同時に消毒もしております。
2週間後の治療2回目
患者さんは歯茎からの膿は止まったとのこと
OK、OK、これならある程度感染源は取れたと判断し
患者さんには根管が複雑なので、もう1時間本来の根管を探して無ければ徹底的に洗って根管充填すると説明
40分かけて2根穿通するもNi-Tiファイルでは根の先まで入らず、ハンドファイルの#08しか根尖に達しない
ちょっと頑張ってみましたが、無理に開ける必要はないと判断し(ガッタパーチャーが根尖まで入れば治る病気ではないので)
超音波+音波(エディー)で洗浄し、
根管充填
!?
まず、側面の透過像は側面に穴がありそこから炎症が広がったのか!?
これは偏心投影でも撮影して読影しておこうと、もう1回レントゲンを撮らせてもらいました。
レントゲン
側面にあった透過像は、どうやら口蓋根の側枝であったようです。。。
この後、仮歯のブリッジを入れ様子を見ていきたいと思います。
根管充填の入りを見ると、可能な範囲で綺麗に根管治療出来たと思います!
根管充填の綺麗さで予後は決まりませんが、これだけ手ごたえがあると治って欲しいなと思いますね(笑)
このように細くなった神経管は最初に攻め方を間違えると、オリジナルの根管には二度とアクセスできなくなるので、1回目から専門医に治療をしてもらった方が治る確率は高くなると思います。
*神経管を探す穿通は全て術者の技術度で決まります。
穿通のやり方・コツ知りたければセミナーやっていますので、空きがあるそうなので問い合わせてみてください。
3/5 井野泰伸先生エンド実習会⑧スタンダードコース | 知立研修センター (chiryu.biz)
いやいや、レントゲンを撮ってみてビックリでした(・∀・;)
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