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根管治療後に大きなメタルポストを入れる意味

以前、動画を作らせてもらった患者さん

 

患者さんは40代女性

患歯は左上の奥歯(左上7)20年前に神経の治療をした、

数年前にセラミッククラウンを入れたのだが、それから飛行機に乗った際に痛みが出はじめた。

2~3カ月前にも3~4回痛み 抗生剤を飲み、歯茎に薬を塗ってもらった。

 

レントゲン

2023 EEdenntal NIM (1).jpg

上顎7に大きな根尖病変があり、症状とレントゲンが一致

ただ、メチャクチャ長いメタルポストが入っており・・・

レントゲンの側面の骨の溶け方なので、折れている可能性も十分あり。

  

過去に診た先生が被せだけやり替えたり、抗生剤だけ出したりしたのも分からなくはないです。

*たぶん裸眼だとほぼ除去不可能なぐらい長くて太い土台

入れた先生には、「自分、これ取れるの!?」と聞いてみたい(笑)

  

でも仕方ない面もあり

1、昔は金属の土台を入れると強くなると言われていた。

2、金属の土台が外れないように、接着面先を増やす為

 

最近はここまで長いメタルポストは見なくなってきています。

ですから、40代以上の方の歯には過去の治療でこうなっていることがあります。 

 

 

長いポストを超音波のブーストモードで振動させセメント層を破壊して除去

2023 EEdenntal NIM (3).jpg

これも20年以上前はグラスアイオノマーセメント全盛で長いポストでも除去可能

 

ただ、現代は外れにくいレジン系のセメントが主になっているので、この方法が成立しません。

いつ治療したか!?時代、時代でアプローチの方法が異なります。

 

 近心頬側根のMB2を見つけそこも治療を行いました。

2023 EEdenntal NIM (2).jpg

過去の治療で結構根尖が広く削られていた為、MTAで根管充填

   

6カ月予後と1年予後のレントゲンを撮らせてもらいました。

2023 EEdenntal NIM (4).jpg

良い感じで側面の根尖病変は治っています。

入れてもらったゴールドクラウンの適合もバッチリです!

 

患者さんは、痛みや腫れなどはなく、前まであった存在感(違和感)も綺麗に消えた

とのこと

 

開業医の先生は、長いポストがあると「うわぁ~・・・」

となる様に

歯内用法専門医も側面に根尖病変があると折れている可能性があるので「うわ。。。」

となります。

 

ただ、側面に病変があっても治ってくれる場合は治ってくれます。

 

開業医の先生も無理して長いポスト外すより、術前時に「歯内療法専門医」って人達いるから

そういった先生に根の治療だけやってもらったら!?と説明して頂けると、

患者さん:治療によるエラーが減らせ歯を残せる確率が上がる

開業医:難易度の高い治療をせずに済む(他に任せるので失敗はない)

歯内療法専門医:仕事が増える

 

とWin&Win&Winの関係が作れることがあります( ^▽^)σ

(*出来ない場合もあります)

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