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歯内療法日記: 2017年3月アーカイブ

技術は身を助ける【3mmの穴からの根管治療】

大学を卒業してすぐに、友人の先生に

「お金を取るか? 休みを取るか? 技術を取るか?」

  

歯科医師として働く際にどれを重視して就職先を探すのか選ぶ必要があります。

 

私は卒後2年は休み重視で・・・

 

波乗りばかりいました(笑)

 

卒後3年目にこれではいかん!と思い

師匠と仰ぐ奥村先生の歯科医院に就職させてもらいました。

   

その当時同期のバリバリ稼ぐ先生は月60~80万ぐらいもらっていましたが、

私は総額20万(保険・ボーナスなし)その代わり師匠の技術を見る・得る機会を選びました。

   

師匠にも「若い時はお金より技術を得ておくべきだ」「技術は後で身を助ける」と色々言われました。
周りに比べても給料は安かったですが、診療後道具を自由に使わせてもらえたので勤務から1年半週4日毎日夜22時近くまで練習ができました。

 

ただ、月20万だと歯科の高い勉強会やセミナーなどにも参加できず、親に勉強代など出してもらいセミナーなど参加させてもらう生活でした。

(親も歯科医師なので技術は買ってでも得ろという人でした)

  

当時は必死になって色々試行錯誤し、毎日注意を受けていましたが今になって若い頃に技術を追っておいて正解だったなと思えるようになりました。 

  

 

そんな一例を  

若い衛生士さん、大学病院を受診後一番奥の歯の神経が死んでいると診断を受け

2017 EEdental HS (0).jpg

何故か大学の先生はEEデンタルを紹介してくれました。

(たぶん大学の先生がブログを見ていた為か!?) 

  

虫歯など一切なく誰も手を入れていない歯で、クラウンにするにはもったいないので、

患者さんに3mm程度の穴を開けそこから根管治療を行うと説明

2017 EEdental HS (1).jpg

プローベで3mmと見せると衛生士さんも

「こんな小さな穴から根管治療出来るんですか!?」 

と、 

『えっ!? 普通にできるよ!』

 

小さな穴を開ける位置とフレキシブルなファイルを使用すれば十分可能です。 

2017 EEdental HS (3).jpg

教科書的にいえば、クラウンにする前提で上の歯は大きく削って道具が入りやすいように行うのが通法です。

 

ただ、個人的にはできるのであれば必要最低限の削除量で同じ結果が出せればなおいいと考えます。

 

医科の世界は機材などの進歩により【腹腔鏡手術】【内視鏡手術】などなるべく低侵襲での治療が行われています。

 

歯科だけ従来の侵襲の大きな方法でいい訳がありません。

マイクロスコープ、フレキシブルなファイル、超音波・音波切削器具、電気根管長測定器、マイクロオープナーなど  

 

30年前に比べこれだけ機材が進歩しているのですから、その分技術も進歩すべきかと思います。

  

この3mmの穴から治療を行い

2017 EEdental HS (5).jpg

根管充填

  

その後、3mmの穴はレジンで封鎖

2017 EEdental HS (2).jpg

レジンも30年前に比べ

接着も格段に上がっていますし、フロアブルレジン(液状)、収縮量の小さなレジン、色付けを行うレジンなど色々な材料進化があります。

 

これらをミックスすることで3mmの穴からでもケースを選べば十分治療は可能となります。

 

ある面歯を削れば削るほど、歯は弱くなり、寿命は縮み、次の治療選択肢は少なくなる。

何一ついいことなどありません。

削れば削るほど歯科医師はラクに治療でき、お金になるというシステムでは・・・

 

*今回のケースも採算さえ無視すれば保険治療で行えますが、従来の治療より数倍難しい上に治療費は大きく削った方がはるかに高くなります。

**個人的には小さい侵襲で同じ結果になるのであれば、小さく削る高い技術の方が治療費が高くなるべきかと思うのですが・・・

この国では沢山削った方が、また歯を抜いた方が治療費に繋がるので、こういった低侵な治療・考えはメジャーにはなれません。。。

2017 EEdental HS (4).jpg 

保険治療の外に出てしまったので、私は保険のルールに関係なく今持っている知識と技術で出来る選択をさせてもらっています!(・∀・)ノ

 

以前、歯内療法の有名な先生にも

「こんな小さな穴で根管治療など・・・」と突っ込まれましたが

 

『だって、俺出来ちゃうんだもん!』(・3・)ノ

 

「技術は身を助ける」「苦労は若いうちにしろ!」というのはあながち間違えではないようです。

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太いメタルポスト(金属の芯)はいるのか!?

久しぶりに来院された患者さん

 

以前初診で来院された時は
2017 EEdental TK.jpg
大きな病変があり、腫れた時に歯ぐきを押さえると血が出てくる。

また物を咬むと1~2年前から違和感があった。

  

話を聞いてみると既に2回根管治療をしているものの調子が悪い・・・

 

レントゲンを撮ってみると、一番太い根に大きな病変がありメタルポストの残留が見えます。

 

推測でストーリーを作ると、
1回目の根管治療後、太くて長いメタルポストを入れる。

2回目の根管治療でその太くて長いメタルポストが外せず膿の原因である根の掃除ができず治療を終了

   

先日、歯内療法検討会で支台築造の講演を聞いてきましたが、

健康な歯が残っていればこんな金属のポスト入れなくてもいいのですが・・・

 

現在はレジンの接着もある程度確立してきており、抜髄であれば土台はレジンで蓋を作るだけで十分ですが・・・

koa.jpg

↑補綴歯科学会から

    

21世紀になぜ太い金属の芯をいれるのか!?
  

太い金属の芯はこのように再治療の妨げになります。

またこれを外す為には更に歯を削る⇒歯の弱体化に繋がり⇒歯根破折の可能性が↑ 

 

何一ついいことないのに。。。

  

結論:こんな金属の芯入れない方がいい!(σ゜д゜)σ

   

 

とは言え、この歯を治す為には金属の芯を外さない限り根管治療できないので

顕微鏡下で見ながら5分程度で除去していまいました。

 

1年後5か月後

2017 EEdental TK(1).jpg

膿と出血の原因であった口蓋根の病変も綺麗に治癒してくれ

全く出血や違和感はないそうです!(・ω・ )

 

私としては、

次のやり直しの治療のことまで考えた補綴設計は考えるべき時代だと思って処置させてもらっています。

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歯の軸の関係でラバーダムを一時的に外した1ケース

基本的には私は「根管治療=ラバーダム」はマストだと思っています。

  

ただし、歯の位置などの関係からラバーダムを付けることで

道具の制約が大きく出てしまい、ラバーダムをしたが故に治療ができない歯もあります。

  

そんな時患者さんに説明して、一時的にラバーダムを外して治療を行います。

 

親知らずの影響で歯ぐきの下に大きな虫歯が隠れています。

2017 EEdental YY 1(1).jpg

 

上から見ると

2017 EEdental YY 1(2).jpg

一見問題ない歯のように思えます。

 

この歯は親知らずに押されて歯の軸が遠心傾斜しており

ファイルが全然根管口に入っていきませんでした。。。

かなり口の奥から入れないと入らない。 

 

この場合の解決法は

1、ラバーダムを外す

2、歯を歯茎よりまで一気に削ってしまう(この場合ラバーは外さずすむと思います)

の2択です。

 

今回は患者さんに説明して2を選択しました。

1を選択すると、最後クラウンで修復しないといけないので・・・

 

個人的には歯の中に次亜塩素酸Naを入れておけば数分程度ラバーを外しても問題ないと割り切っていますし、

自分でも2の方法を選択すると思います。

 

歯の治療は歯科医師毎に考え方が異なりますが、

私はまず自分が取るであろう選択肢を患者さんに提案しているつもりです。

 

最後の決定権は患者さんにあるものですから、もし1の選択肢がよければ1の治療を選んで頂ければいいと思います。

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腫れと痛みの引かない根管治療

【難しい根管治療と転院の時期】

http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-843.html 

4年ぶりに仮歯が外れたと来院があったので^^;

    

  

歯ぐきが腫れ1年近く根管治療しているが治らない患者さん

  

私はだいたい2~3回で治療を終わらせてしまうので、  

「1年!?」「毎回何をしているの!?」

と思ってしまいます( ̄ー ̄;)

 

ただ、担当の先生も何とか残してあげようと頑張った結果だとは思いますが。。。 

 

術前時

2017 EEdental HA (1).jpg 

毎回ゴリゴリ削ったのでしょうね、本来の3倍以上太く削っています。

 

ただ、腫れの原因は【隠れていた極細の第4根管目】

2017 EEdental HA (5).jpg

顕微鏡で見ると神経管の入り口が一目瞭然です(・д・)

 

術前⇒根充後

2017 EEdental HA (3).jpg

ここを治療すると腫れ(膿)は引いてきました。

  

ただし1年間も根の先を毎回削ったことにより、多少の痛みは残ってしまいました。

患者さんにも術前時に長く続いた痛みはなかなか引いて来ない

半年~1年近くして徐々に痛み・違和感が緩和してくる感じが多いと話させてもらったので、その後仮歯で経過をみていきました。 

  

例えると、

症状が消えないからといって毎回傷口ゴシゴシたわしで削っているようなものですから、痛いですわね(-ω-;)

 

 

私ができることは全てやったので後は待つしかないとお話したのですが、

その後しばらく音信不通・・・

 

仮歯が外れたので何年かぶりに来院がありレントゲン診査を行いました。

2017 EEdental HA (4).jpg

おぉ~、歯槽硬線も出てきれいな所見になっていますね!

4年頑張った仮歯も凄いけど( ̄ー ̄;)

  

『痛みは!?』と聞くと、

全くないので、白い歯を入れたいとのことでした(⌒_⌒;)

 

 

仮歯で4年は仮歯の下に虫歯が出来やすいのですが、

奇跡的に虫歯はなかったのでこの後セラミッククラウンを作ることとなりました。

 

仮歯の患者さんは1年を目安に本歯に変えてくださいね。 

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おおよその治療費のお知らせ(C2とC3では治療費が倍以上異なる)

全顎治療を受けて頂いた患者さんには
治療計画書という形で治療法や治療費を書いた見積もりをお渡ししています。

また局部的な歯内療法希望の患者さんには同意書に治療費を書かせてもらっています。

*因みに計画書の有効期限は3か月とさせて頂いております。

     

「自分の歯を治そうと思うといったいいくらかかるのか!?」

 

ざっくり大きく2つ分にけられます

 

1、神経が生きており神経が保存できる場合

2、虫歯が大きい、膿が出る歯の神経の治療が必要な場合

 

このような神経が生きており、治療する場合

2017 EEdental ET16 .jpg

1本:プラスチック治療で5~7万円ぐらい

ゴールドを用いた場合9万円

*神経が露出した場合直接覆髄を行うと+2.5万

  

 

病態のステージがもう1段進行した神経の治療になると
http://www.eedental.jp/endo.html 

 

「歯内療法+土台+仮歯」の3つの治療が必要になります。

rei (1).jpg

歯内療法:8~16万 土台+仮歯:3万

(パーフォレーションやファイル破折があると別途費用がかかります)

 

参考 【歯内療法+土台+仮歯】の治療費になります。

前歯  抜髄:11万 感染根管:14万

小臼歯 抜髄:14万 感染根管:16万

大臼歯 抜髄:16万 感染根管:19万

 

本歯は6か月後検診でOKが出たらかかりつけで作って頂ければ結構です。  

 

病変が治り、本歯をEEデンタルで継続して作りたいとなると更に

rei (2).jpg 

更にゴールドクラウン9万、セラミッククラウン14万の費用がかかります。

http://eedental.jp/ee_diary/2016/07/1-httpeedentaljpee-diary2015031-4html.html 

   

まとめると、

C2の虫歯治療 5~9万

C3の神経の治療 11~19万 

*被せ物希望方は+9万or14万

となります。 

 

ですので、C2とC3では治療費が3~4倍違ってきます。 

 

 

家で例えると、分かりやすいかもしれません。

model1.jpg

C2は外壁の修理・補修

C3は骨組からの家丸ごとリフォーム

なので金額、治療期間に差が出てしまいます。

 
 

被せ物の多い患者さんであれば治療計画書で400万と見積もりを出したこともあります。

保険治療で行えば30万もかからない治療で下ので、その患者さんはびっくりされて2度と来院はありませんでした。。。

 

  

C3治療はかなりしっかり治療しないと次は抜歯⇒インプラントになります。

 

ある歯内療法専門医の先生がおっしゃっていましたが、

悪くなった自分の歯に20~30万出すのか、

悪くなって抜いた後にインプラントに30~40万出すのか!?

の違いである。

  

「インプラント」と言っても一生持つ訳ではなく、

厳しい成功率で見れば歯内療法の方が成功率は高いという事実もあります。

 

また、インプラント実態調査では

60.8%のインプラント従事者が問題を抱えている  

という報告もあり、

インプラントがトラブルフリーで天然歯より快適な訳ではありません。

インプラント除去手術は抜歯より大変です

**後、安いインプラントは絶対避けた方が無難(レーシック事件と同じ)  

 

個人的には

残っていれば自分の歯に投資をした方が部がいいと思います

 

 

上記のレントゲンの患者さんも4本根管治療して、4本とも歯が残ったことに

「遠くから先生の所に来て本当によかったです!」

とおっしゃっていましたが、

  

「○○さんがたまたまラッキーだっただけだよ」

と即答しました(⌒_⌒;)

  

先日の

http://eedental.jp/ee_diary/2017/03/post-1569.html 

の患者さんにも全て歯が残り非常に感謝されました。

*完全まぐれです、私でしか治せない歯はこの世に存在しませんのでね(-ω-;)ゞ 

  

その費用を支払って歯を残すかどうかはその人の価値観ですので、

患者さん毎に考えて頂ければと思います。

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成功率70~80%の感染根管治療!?

歯内療法専門医の成功率は非常に多くの論文が出ていますが、

ざっくり言えば、

抜髄(初めて神経を取る):90%

ネクローシスパルプ(神経が死んでしまった歯):85%

感染根管治療(やり直しの根管治療)70~80%

 

になります。

 

ただ、これは専門医のデーターであり

日本の根管治療では3つまとめて40%前後になります。

(2本治療すれば1本は再治療対象に・・・)

 


なぜか!? 

 

まず第一に治療費がありえないぐらい安過ぎる!

今や東南アジアより治療費が安くなってきています(ー_ー;)

 

   

その為か、治療の目的が異なり

日本:根管充填重視!(歯の中にいかに綺麗にゴムを詰めるか)

専門医:細菌感染予防で歯を長持ちさせる!!(失敗の原因である「菌」をいかに入れないか、排除するか)

 

根管治療には治す為のルールが存在するのですが、

治療した行為に支払われる保険制度では成功率などあまり気にしません。。。(´д`) 

http://eedental.jp/ee_diary/2015/09/post-1255.html     

  

保険根管治療費が海外の先進国の1/20~1/10であり

形だけの根管治療になってしまうのも仕方がないと思えてしまいます。

  

  

今回の患者さん40代女性

口の中には神経を取った被せ物が多くあり、病変も口の中にチラホラ・・・

 

悪い歯は治したいとのことで根管治療をさせてもらい、

1年以上経過後レントゲンを撮らせてもらいました。

 

左上4・5・6 

2017 eedental IM (2).jpg

右上5

2017 eedental IM (3).jpg

左下6

2017 eedental IM (4).jpg

前歯:(外科的歯内療法)

2017 eedental IM (5).jpg

6本に全て治癒傾向が出てきてくれています!

 

成功率6/6=100%!? 

 

たまたまですが、全て綺麗に治ってくれました(^-^)

(120%奇跡です!!)

  

ここまで綺麗に治ったので

2017 eedental IM (1).jpg

先週セラミッククラウンをSetしました!

 

根管治療は家でいう基礎工事です、

model1.jpg

基礎工事がしっかり終わった後にセラミッククラウンを作らないと長持ちはしません。

 

 

たまに初診の患者さんに

「私の歯の成功率はどのぐらいでしょうか!?」

と聞かれますが、私は決まって

「50%」と答えます。

 

結局、治療する前の選択など【治る】・【治らない】の2択しかないので

その歯が治るかもしれない確率は50%なのです。

  

ただ、治療させてもらった患者さんを集めると50%よりは高くはなります。

これが成功率のカラクリです。

 

今回治療した全ての歯が保存できたのでよかったです!ヽ(・ω・)ノ

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根管治療(歯内療法)は治療できる回数が決まっている!

ファイルが歯の外に飛び出してしまい外科処置をさせてもらった患者さん

http://eedental.jp/ee_diary/2016/08/post-1459.html 

2017 EEdental MS.jpg

 

1年半経過して全く症状のないことよりクラウンをSet

2017 EEdental MS(1).jpg

病変もなくなり綺麗に治ってくれました。

 

最近の初診患者さんで多いのが、既に治療対象歯とならない歯。。。

残念ながら、根管治療は何度もトライ出来る治療ではありません。

・神経を取る際に大きく歯を削ります!

・土台、銀歯を入れる為に更に削ります!

やり直しとなると

・土台、銀歯を外す為に更に更に大きく削り歯がなくなります。

言わば歯ぐきの上は切り株状態(歯茎の上のは殆ど歯は残りません)

  

根管治療は出来て2~3回で次は打ち止めで【抜歯】となります。 

 

不幸にも感染して膿がでてしまった歯というのは

その時点で専門的な歯科医院で治療を受けられた方がベターです。

 

多くの方は知っていませんが、

「歯の治療は治療回数が決まっています」のでね( ゚Д゚)<

 

今年に入って既に3人に

「もっと早くEEデンタルに来るべきだった・・・」
 

ある患者さんは

「情報を持っていなかった時点で抜く運命だった・・・」

とも言われました(p・Д・;)

  
【歯内療法】って歯を残す為の大切な大切な治療です!( ・∀・)ノ゙

http://www.eedental.jp/endo.html

 

と言っても、

EEデンタル受診までに3か月待ちとなっておりご迷惑をおかけしています。。。

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根管治療は開口量で難易度が異なる

歯科治療は奥歯になればなるほど、道具の入るスペースが小さくなり

同時に難易度がどんどん高くなります。

 

・青い線と赤色の先の長さの差

2017 EEdental MT (5).jpg

家の扉と同じようなものです。

ヒンジから離れた方が出入りがラクです。  

 

ですので、

口の開かない人の奥歯の治療というのは非常に難しくなります。

 

今回の男性患者さんも口が大きく開けられない

2017 EEdental MT (1).jpg

レントゲンを撮ると

非常に綺麗な根管治療がしてあるのですが・・・

奥歯2本に病変が見られ歯ぐきからは膿が出てきています(p・Д・;)

  

たぶん前の治療ラバーダムしなかったんだろうなぁ・・・

 

根の治療はレントゲンで薬(ゴム)が根の先端まで綺麗に入っているように見えても、

細菌が入ってしまえばこのように悪くなってきます。

 

個人的には、根管治療はゴムを綺麗に詰める治療(作業)ではなく

菌を入れないように歯を保存する治療が根管治療だと解釈していますヽ( ̄△ ̄)

根管治療中

2017 EEdental MT (2).jpg  

何とか道具が入るギリギリの所(; ̄Д ̄)

  

 

何とか根管治療が終わりました。

2017 EEdental MT (4).jpg 

7と6の遠心根はMTAで根管充填しました。

治療回数:2本で3回

*先に治療したい範囲を言ってもらえば効率的に治療を行います。

**1本ずつ治療を行うことも可能です。

 

時間があれば、根管治療後即日レジンコアを作り細菌が入らないようにします。

(仮蓋は歯と接着しないので・・・)

2017 EEdental MT (3).jpg 

 照射器がギリギリ入る開口量!

 

後は定期的にレントゲンで経過観察を行います。

また、もう1本左上に大きな病変(膿)があるので次回はそちらの治療に入ります!

 

根の治療レントゲンだけでは難易度の判定はしにくい所ですε=( ̄。 ̄;)フゥ

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【なかなか治らない感染根管治療】依頼

根管治療をするもなかなか膿が止まらないので一度見てほしいとの患者さん

 

レントゲン

2017 EEdental KK (1).jpg

一番奥の歯が根管治療中で、どうやら膿の原因はこの歯のよう

 

治療を行うと、

今回の歯の原因は虫歯の取り残しと隔壁がきちんと出来ていなかった為と推測

治療3回目には膿も止まり根管充填ができました。

2017 EEdental KK (2).jpg

 

根管充填した後に

2017 EEdental KK (3).jpg

口蓋根沢山側枝あったんだねと( ̄ロ ̄;)

 

今週治療後1年のレントゲン診査

2017 EEdental KK (4).jpg

膿もなく、綺麗に骨が出来上がってくれました!

  

根管治療の失敗の多くは菌による感染です。

その菌を減らす治療をいかにルール通りに効率的に行うか?

ここが歯を残す為のポイントになります!( ̄(エ) ̄)ノ

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歯内歯周病変(エンド・ペリオ)の治し方

近所の歯科医院で2年前から歯周病で膿が出るとのことで

毎月掃除をしてもらっていたがなかなか膿が止まらないとのこと

歯ぐきの検査をすると歯周ポケットが12mm・・・ ( ̄ロ ̄lll)  

 

レントゲンを取ると隣の歯にも影響するほど大きく骨がなくなっています ( ;゜口゜)

2017 EEdental OY 1(1).jpg

このように歯の先にまで及ぶ大きな骨の減り方だと、

歯周病(辺縁性歯周炎)と根尖病変(根尖性歯周炎)が合わさった所見になります。 

 

では、この2つの合わさった病気

どうやって治すか!?〆(・ω・ )

 

前の先生は歯周病に疑いをかけて

2年間ガリガリ歯周ポケットの掃除をしていたみたいなのですが、

歯内歯周病変の殆どは根の病気由来であり、ファーストチョイスは「根管治療」をすべきなのです!

 

今回のようにガリガリ掃除をされてしまうと、

冬眠状態の歯周組織まで人為的に取り去ってしまっている可能性が高く綺麗な治癒は難しいかもしれない。

(治ろうとする弱った細胞を治療で削り取ってしまっている)

  

治療方針は、まずは根の治療をして⇒膿が止まらなければ外科を行うと説明。

  

根管治療スタートするものの2カ月経過してもポケットから膿が出る為

患者さんに一応歯の中に薬を入れて外科を行うと説明(´з`)

(ダラダラ根管治療を長々しても治らないのであれば次の方法へ)

2017 EEdental OY 1(2).jpg

  

外科処置後

2017 EEdental OY 1(3).jpg

外科中:ポケットの下(根尖より)の方には歯石がびっちり付いていました。

上から歯石取りをしても取れる範囲はポケット上部のみかなり限られた範囲で奥の方の汚れ取れていません(・Д・;)

(2年間毎月掃除していても、見えなければ治療も掃除もできていません・・・) 
 

 

外科後

膿もすぐに止まり12mmあった歯周ポケットも3mmまで改善

ただし歯ぐきは大分下がってしまいました(>。<)

(冬眠状態の細胞を取り除いたことが大きいと思います)

  

患者さんも30代であり何とか歯が残せればとの思いで治療をさせてもらい

歯ぐきの退縮は起こってしまいましたが何とか歯を残すことができました!(・∀・)ノ

 

 

治療は原因に対して行うべきものなのですが、

今回のように病気が2つ合わさったような状況であるとどちらを先に治療すべきかというのは多少の知識があるか・ないかによって結果も変わってきてしまいます。

2017 EEdental OY (0).jpg 

 

以前書いたブログですが、

同じ歯の治療を半年して治らなければ専門性の高い歯科医院に転院した方がいいと個人的には思います。

http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-843.html 

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