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破折歯の歯の保存 分割抜歯ヘミセクション

根管治療はまず治療の前に「診断」です。

   

自分が治療して残せる歯、残せない歯を選択する訳です。

  

根管治療でどうしても治療が失敗してしまう【歯根破折】

 

これ本当に術前時に見つからないことが多々あり、麻酔を行いクラウン&土台まで外して

「歯根破折でした」と診断することもあります。    

http://eedental.jp/ee_diary/2016/05/post-1388.html

 

私もある程度基準があり、診断の時点でおおよその検討を付けます。

 

1、根の取り囲むような透過像(側面)

2、歯肉辺縁辺りのフィステル(マーブル状のもの)

破折フィステ.jpg

3、咬合痛(咬んだ時に一瞬出る痛み)

4、深い歯周ポケット

 

これらで検討は付けますが、破折は術者が破折線を見つけた時に診断名となります。

つまり疑いの領域での治療となります。

 

レントゲンで破折の疑いと診断しても治る歯もあります。

http://eedental.jp/ee_diary/2018/02/post-1729.html  

この歯は結果論的に折れていなかったと思います。

 

 

今回は術前時に折れていると判断したケース  

開業当時に治療させてもらい私が神経の治療を行った 30代の女性患者さん

最近になり咬むと痛く、腫れてきた

2020 EEdental So (1).jpg

3枚のレントゲン

2103年に私が抜髄(根管治療)を行い

 

全顎検診の2018年当時は何も症状がありませんでした。

2020年1月に大きな痛みが出て、咬むと痛いと来院 

この時腫れた原因が分かりませんでしたので、抗生剤を投与して経過観察すると診断

2020年2月!に再び咬むと違和感があると来院 

 

私の判断は

2020 EEdental So (2).jpg

「たぶん折れているので、根管治療をしても治らないと思います」

赤丸の部分に違いが出ています。

  

患者さんと相談して分割抜歯

2020 EEdental So (3).jpg

*ヘミセクションは顕微鏡下で行った方が切断面に凸凹が出来ずスパッと切断できます。

(↑これポイント 段差がない方が歯磨きがしやすく歯周病のリスクを下げれます)

 

抜いた歯の観察を行うと

2020 EEdental So (4).jpg

歯の真ん中にクラックが見られます。。。

 

今回は患者さんと話し合って半分残して、この歯を持たせれるところまで保存します。

動画になります。 

 

この後6~8カ月で抜いた穴が埋まります。

この間、仮歯で咬めるか様子をみて6~8か月後問題なければクラウンを1本入れます。

 

こんな感じ

http://eedental.jp/ee_diary/2017/05/post-1589.html

 

経験を積めば積むほど歯内療法専門医は診断を最重要視します(・∀・)!

  

残念ながら、この歯を何カ月も頑張って治療しても膿は止まりません。

何より患者さんの時間も費用も無駄になります。

 

治療は原因に対して適切な処置を行わないと治りません。

 

原因が見えなければ下手に手を出すより今回のように待機診断を行うこともあります。

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