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歯髄形態を理解した上での必要最低限の切削根管治療

患者さんは50代女性

2020 EEdental Si (2).jpg

たまにありますが、虫歯でもないのに神経が勝手に死んでしまう歯

若い患者さんにはあまり見られませんが、私の経験では40歳以上の患者さんにはたまに見られます。

  

推測になりますが、かみ合わせ(歯軋り)の負担の大きな歯で起こってしまうことではないかな!?と思います。

 

私は小さな病変があっても特に大きな症状もなければ経過観察も1つかと思いますが、

 

ただ、今回のケースは根尖に変な石灰化が起こり神経管の形がどんどん歪になってきているので、

根管治療の難度がどんどん上がり、将来的には「根管治療+外科的歯内療法」での

Set治療が必要になると判断し介入することを決めました。

   

また今回の歯は冠部歯髄の石灰化が進み歯髄腔の張り出しも少ない為

2mm程度の穴からのアプローチ

 

*旧来型の根管治療を推奨する先生には完全否定される方法ですが・・・ 

顕微鏡と道具、CBCTがあれば今は可能かと考えます。  

 

  

今回の治療を3倍速で編集(あまり関係のない所は多少カットしています)

流れ、

1、アクセス先端が0.8mm程度のダイヤモンドバーで穴あけ

2、露髄したら、マイクロオープナーで露髄確認と軸の確認

3、エアースケーラーにダイヤモンドチップで髄腔開孔

4、#08を入れ根尖付近まで入る、根管上部をNi-Tiで上2/3を形成

*この間髄腔にはNC入れっぱなし

5、上部形成後、#06を回さずプッシュで穿通⇒#08も同じように穿通

6、02テーパーのNi-Tiで根尖まで形成

7、02を通した後に06テーパー #20で根尖まで形成

8、洗浄後、EMRで作業長と根尖形を計測

9、超音波洗浄後(NC+EDTA) ⇒ 乾燥(ペーパーポイント+エアー) 

10、根管充填(BCシーラー+GP1本)

11、NCが付いた象牙質&余剰シーラーを1層全て削り(エアースケーラー)

12、接着処理(EDTA イーライズ ボンド)

13、レジン充填 (マジェスティーLV OA2)

14、研摩

レントゲン

2020 EEdental Si.jpg

最近はそこまで緊密なGP根充法にこだわっていません。

理由は、材料の根管内密度で予後は大きく変わらないような気がするので。

  

個人的には、根管充填前の消毒法の方が非常に大切だと考えます。

 

 

因みに今回の歯、

セラミッククラウンにする気はなく咬合調整をしてバイトを下げています。

*意図的に咬む負担を軽減させていますヽ( ̄▽ ̄)ノ

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