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根管治療の成功率細かく見ると 歯内療法専門医を探すヒントに

根管治療の「成功率」 よく聞く話ですよね。

専門医の根管治療の成功率

初回根管治療で90%

再治療で70~80%

   

歯内療法専門医で13年やった肌感覚としてだいたいこのぐらいだと思います。

 

また、この成功率を更に細かく見ると

ネクローシスパルプ(神経が死んでしまった初回治療)85%

http://eedental.jp/ee_diary/2019/07/post-1928.html

外科 

外科的歯内療法80~90%

  

となります。

 

成功率にこだわれば、自分の残せる可能性の高い歯を選択すべきで、

難しい歯などは治療せず抜歯選択とすれば治療せずにすみ、相対的に失敗の歯を減らせます。

ですからこの場合成功率は高くすることができます。

 

が、

私の知る歯内療法専門医はド変態が多いので、難しいケースほど燃える先生が多いです(笑)  

http://eedental.jp/ee_diary/2017/10/post-1669.html 

   

ただ、診断は非常に重要で、

特に歯根破折歯は手を出せばまず失敗しますから、その辺の診断というものは重要です。

http://eedental.jp/ee_diary/2020/03/post-2025.html

 

後、やり直しの治療の成功率70~80%なのですが、

再治療で先の治療で根の先が壊されている(触られている)場合60% 

 

根の先が前の治療で壊されているようなケースでは成功率は少し下がって60%と一段階低い値になります。

私も根の先が壊されているような患者さんには事前に外科が必要になる可能性をお話しします。

http://eedental.jp/ee_diary/2020/02/post-2018.html

つまり以前の治療でどんな削られ方をしたのか!?にもより成功率は変わってしまいます。

 

ただ、根尖が破壊され医原性の問題が根の先にあっても治る場合は治ってくれます。 

http://eedental.jp/ee_diary/2019/01/post-1858.html 

 ↑

このケースの更に1年予後

2020 EEdental TM.JPG

 

本来の根の先端は0.4mm程度ですが、

再治療などではゴリゴリするファイルで削られている場合は1mm近くまで削ってある場合もあります。

 *「根の先を太く削って治すという考えは少し古いです。」

 

太く削らないと治らないケースもありますが、

多くの場合細菌感染経路を遮断せずに治療していることが問題だと個人的には思っています。

(虫歯除去、隔壁、ラバーダム防湿、仮封 まずこの辺りはきちんと出来ているのか?)

  

また太く削られた歯はデメリットだらけで

・歯が弱くなる

・根の先から人工物が漏れ出やすい

・痛みが出やすい

・根の先端を緊密に詰めるのが難しい

・根の先から押し出された人工物が痛みの原因になることも稀にあります。

 

私はこれらの問題を解決する為、根管充填の際

根の先が0.6mm以上に開いている場合に限りMTAを使用します。

生体親和性・歯に対してくっ付く・対破折性の配慮など 

  

 

 

また成功率というのは部位にもより差があるということも感じており、

 

ちょっと前に歯内療法専門医の松浦先生と飲みに行って2人とも、

IMG_9540.jpg

・上顎の側切歯(2番)*上のレントゲンの歯も側切歯

・下顎第2大臼歯(7番)

アンド

・上顎第2大臼歯(7番)

の根管治療は難しいし予後が悪いと話していました。

奥歯は治療する際にに器具が入りにくい、

たまに顕微鏡で見えているのですが、そこに触れないことも・・・

+根管形態の複雑さが難易度を上げています。

 

たぶん、そこそこ経験を積むとこの歯の難易度が他の歯より高いのは感じてくると思います。

まだ開業して13年ですが。。。  

 

全然関係無いですが、写真のアメリカ帰りの松浦先生

福岡市で「歯内療法専門医」として開業されるらしいですよ(^。^)  

  

 

話を戻して、

日本の歯内療法で支配的な考えである 

【根管をごりごりファイルで削って、強い薬を何度も交換して、ゴムを根の先まで入れれば治る】

( ↑ 旧来の治療法)

ではありません!

   

正直、根の先までガッタを詰めれば治るという治療であれば、

個人的には根管治療の成功率は上げれると感じます。

   

ただ、『ゴムを綺麗に詰めれば治る治療ではない』ので、そこが根管治療の難しい所・・・

 

歯内療法専門医は治す為にはどうすれば確率が高くなるか統計的処理された論文から答えを出す訳です。

*この統計と言っても現在のものであり将来的には覆る可能性もあります。

  

 

根の治療はできて2~3回で打ち止め、次は抜歯となります。

悪くなってしまった自分の歯を残したい方は是非『歯内療法専門医』を活用してみてください。

 

 

 

おまけ、(あまり書くと同業から嫌われそうですが)

 

個人的な『歯内療法専門医 信頼度』

専門医といってもピンキリというか上手な先生から「?」な先生までおられます。

現在は歯内療法ブーム(第3次ブームらしい)ということもあり、自費歯内療法が非常に増えています。

私が開業した頃と全く医療ルール自体も変わっています。

http://eedental.jp/ee_diary/2011/02/post-243.html

 

 

歯内療法専門医が考える、信頼度が高い順に

1番目:アメリカの大学院に2年留学して歯内療法専門医のライセンスを取られた先生

2番目:歯内療法専門医として「歯内療法(根管治療)だけ」やっている先生(多くは自費専門の歯科医院)

3番目、歯内療法学会やスタディーグループの専門医(ラバーダムや顕微鏡を軽視する先生は除外)

4番目、歯内療法学会、顕微鏡歯科学会、AAE(アメリカ歯内療法学会)の会員で、ラバーダム+顕微鏡+MTA / CBCTなどを使用している先生

5番目、なんの歯内療法グループにも所属していない自称歯内療法専門医

 

*注意:顕微鏡、CBCTがあれば専門医ではないですからね^^; 

 

また先の成功率の数字は専門医の成功率ですから、

上手な専門医ほどデーターに近い数字を出していると思います。 

専門医と呼ばれれば一概に同じ成功率ということはあり得ません。

 

繰り返しになりますが、現在【根管治療ブーム】ですからそれこそ「タピオカ屋」と同じです。

医療も経済活動の1つですから、需要があり儲かると分かればそれを商売とする人は増えます。 

  

 

後、ものすごく個人的な意見ですが、

「その歯科医院でインプラント治療をしていない」というのも1つの指標になるかと思います。

  

アメリカなどでは歯内療法専門医がインプラントなど行っていますが、

ぶっちゃけ、アメリカの歯内療法専門医のインプラントは・・・

ひどいインプラントはお金儲けにも思えてしまいます。

 

個人的なイメージですが、

日本の場合上手な歯内療法専門医は歯内療法だけで食べていけるので、

まずインプラントをまずしていませんので、インプラント治療をしていない歯内療法専門医を

探されるのも1つの指標にはなるかと思います。

*私の師匠のように何の治療でも出来ちゃう先生は稀におられますが・・・ 

   

 

ライセンスが無くても上手な先生はおられるのは確かです

が、

一般の患者さんが上手・下手を歯科医院にかかる前に知るには不可能です。 

 

また、かかりつけがあれば知り合いの歯内療法専門医を紹介してもらうのも1つですが、

多くの一般開業医は歯内療法専門医とパイプが無い為、

昔から困ったときに紹介して「治療して頂いている大学病院へ」となってしまいます。 

*基本的に大学は教育機関でもあるので新卒が担当になる場合もあります。  

  

 

後、歯内療法専門医でも先生によるタイプで治療方針に差はありますが、

これ書くと更に長くなるので止めます( ̄▽ ̄;)ノ

 

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