変わる根管充填の重要性
- 2022年4月 8日 09:11
- 歯内療法日記
今日は「梅」の誕生日でEEデンタルに来て2年が経過します。
梅ファンが多いのでご報告まで、
さて、私が歯科医師になった頃
「根管充填が根の先までしっかりしていれば、根管治療は成功する」
的な考えが一般的で、
「根管充填を綺麗に行うためには!?」
「側方加圧にくらべ垂直加圧の方が優れている!?」
「シーラーは〇〇がいい」
など根管充填の為の根管治療でした。
今の私が当時の私に言えることは、
「そんなことにあまりこだわらなくていいよ!」
と言ってあげたいです(笑)
ただ、今もこの考え方というのは日本では根強い支持がありますが、
この考え方は一世代、二世代前の考え方とも言えます。
つまりは旧式根管治療(オールドエンド)
逆に言えるのは、ここにこだわったから『今の技術がある』ということも言えます。
こだわりは無駄にはならないという気がします。
結果、根管充填後すぐに根充確認のレントゲンは撮らなくなりました。
*根管充填後のレントゲンは撮りますがレジンで土台を作り、細菌が歯の中に入らなくなった状態でレントゲンを撮ります。
ですので、こんなケースも稀にあります。
患者さんは40代女性
歯が大きくかけ抜歯宣告状態
かける前は痛みがあったが今は落ち着いている、またかけた所は近医で仮蓋だけ作ってもらった。
レントゲンを撮りチェック
歯茎の下の方まで過去の治療で削ってあり中で虫歯が大きく広がっている
根の先には根尖病変が見られます。
ん~、抜歯も十分考えられるられる状態ではありますが、
歯の位置的に言って前の治療の問題が難易度を上げているようにも思えます。
患者さんと話し合って今回は残す方向で治療を行いました。
1回法で治療を行うと、
過去に根管治療を行ったようで根管内は削ってあり、根尖からは出血が見られました。
術後のレントゲン
根管充填材にはガッタパーチャーを使用しましたが、レントゲン上ではショート根充
ここで私の根管充填基準は
MTAは根尖フラッシュ(ジャスト)
ガッタパーチャーは狙ってショート根充にしています。
感覚的にその方が成功率が高い気がしています。
レントゲンを見てちょっとショートしたなと判断はしますが、ショートが原因で根管充填をやり直すことはまずありません。
だって、ゴムの入りで予後は決まらないと思っているから(笑)
個人的には根管治療はゴムを詰める前までの消毒の方がよっぽど予後に大きな因子になると思っていますし、
怒られてしまうと思いますが、貼薬というのも「たいして意味あんのか!?」と思っています(笑)
そこから半年後のレントゲン
骨も出来て来ているように見えます。
さらに1年経過後
病変は無くなり綺麗に歯根膜に戻ってくれています!
こんな経験を重ねていくと、ゴム(ガッタパーチャー)の入りで予後は大きくは左右されないなと感じます。
たまに病変の無い歯でガッタパーチャーの入りが悪いからやり直した方がいいという先生がおられますが、
私からすると「いやいやいや、歯の寿命縮めているだけだよ」と思ってしまいます。
歯科医師の言うこと=正しい意見と患者さんは捉えられますが、
現代の基準での話なのか、旧式の基準での判断なのか!?そこはポイントになってきますね!
今回の患者さんも何とか歯の保存ができて良かったです!(・o・)v
以上、一歯内療法専門医の私見でした。
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