歯内療法専門医の治療希望
- 2022年8月 6日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんはEEデンタルに紹介状を持って来院
紹介状には2年前に他院でインレーを入れてから凍みるのが続き抜髄(神経を取る)をするが、違和感は残ったままで咬めない。
その後、同歯科医院で再根管治療を行うものの改善が無い為、患者さん判断で転院し紹介先の歯科医院で再々根管治療スタート
転院先の先生がおっしゃるには歯の中はかなりFC臭(ホルマリン)がしたとのこと、治療を続けると打診はなくなったものの違和感は無くならない
とのことで、歯内療法専門医での治療を希望
レントゲンを撮らせてもらうと
オープンの状態で歯肉縁上には歯が殆どない・・・
2年前にインレーを入れた治療からそれほど月日は経っていないのに歯を残せるかの瀬戸際の所まで
患者さんには違和感は取れる場合でも時間がかかることをお話して治療スタート
まずこの歯で行うべきことは唾液(菌)が入らないように隔壁を作ること!
この状態ですとラバーダムも出来ません。
この根管治療で大切な「隔壁」
保険治療では歯科医院の負担つまり無料で行う治療なので作らない場合が殆どとなります。
*赤字の根管治療を更に赤字にする行為なのでやらないのは仕方がないと思います。
隔壁を作った後にラバーダムをして1回目にやったのが手づかずの神経管を探し徹底的な根管洗浄
3週間後の治療2回目
患者さんに症状を聞くと「治療後1週間ぐらいは痛みがあったが今は落ち着いている」
とのことで根管充填+土台+仮歯まで製作
昔メタルコア(メタルポスト)が入っていたのでしょう、だいぶ歯質が削られていました。
*基本的に歯質が残っていればポストは今の時代作らなくていい考え方に変わってきています。
この後、仮歯で半年様子をみてもらい
レントゲン検診時
症状はなく、普通に食べれるとのこと
この状態であれば本歯を作っても大丈夫でしょう!
ということで紹介先の先生のところでクラウンを作成してもらう流れとなりました。
現在の歯科というのは、一人の歯科医師が全ての治療を行うことがよろしい!とされていますが、
全ての分野に精通している先生は殆どいません。
特に神経の治療(根管治療)は費用面の安さから苦手な先生、嫌がる先生が多いのが実情です。
ただ、患者さんにはそういった情報が伝えられず、闇雲に治療が続きます。
*歯の中にホルマリン入れても効率的に治りませんよ(★.★)
患者さんサイドから根管治療だけ歯内療法専門医に行きたいなど言わない限り、薬の交換と称した治療が続くことがあります。
だいたい歯内療法専門医は2~3回の治療が多いです。
先日も毎週歯科医院に行き3か月根管治療しているが一向に良くならない、
「仕事もあるしはっきり言って時間の無駄としか思えない」と転院してきた患者さんがおられましたが、そうなんですよね。。。
時間を割いて歯科医院にいくのですからなるべく効率的・効果的になおしてもらいたいのは患者さんの心情だと思います。
今回の患者さんも1年予後のレントゲンを撮って終了となります。
根の治療、ある程度歯科医院を選ばないと時間も歯も失いますので注意してください。
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