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日本国際歯科大会 (俺ノート レジン編)
- 2014年10月14日 09:41
- マニアックレジン
土曜、日曜、横浜の方まで講演を聞きに行っていました。
4年に一度の国内で一番大きな大会なので、10ぐらいのホール、部屋で同時に講演がありますのでプログラムを見て好きな話を聞けます。
私は仕事である、歯内療法、レジン、顕微鏡絡みの話を中心に行っていました(・ω・ )
色々な先生の技の勘所が聞けてよかったです。
特に今回はレジンがかなり熱かったです。
トクヤマから出た、 『エステライト アステリア』 (高橋先生プロデュース?)
これは良い感じですね。
デンタルショーで置いてあった「冊子をくれ」と言ったら、レジン買った人への特典らしいので貰えませんでした。
色々トクヤマの商品買ってんだから、「ケチケチすんなよ!」と思いました(ー_ー;)
今まで審美性を追求するレジンは4~5色ぐらいのレジンを詰めることで綺麗な歯を再現していましたが、
アステリアは2色で歯の色調を再現しようとする商品!
しかもエナメル色は基本1色なので、中のボディー色(デンチン色)を選択するだけ。
今までのレジンはフルセットで購入すると20色近いレジンを購入する必要があり、10万近い投資が必要でした。
また20色もあると、どの色とどの色を、どのぐらいの厚みで使うとどういう色になるかこれははっきり言って勘と経験がものをいう治療になっており、一部のマニアな先生(私含む)のみの再現性が少ない治療でした。
まさに職人の仕事!( ^д^ )
アステリアは難症例でない限り2色のレジンで色調再現が可能とのこと。
ですので、かなり色の選択がラクになります。
歯科医師的には導入コストが抑えられるのもかなりうれしい!
スタッフは沢山のレジンを管理しなくてようなる。(色なんか、コードネームですから思えるのも大変 「WE」とか「OC」とか「YE」「NT」.........)
コンセプトは根管治療でいう、シングルファイルシステム(ウエブワン、レシプロック)に似ている所があり
難症例でないかぎり、手順通り行えば誰でもシステム通りに行えば結果は出せるように!
いやいや、材料の進化は早いですね!
で、今導入セットでアステリア7本組み+DVDが42000円とのことなのですが、
何とかもっと安く組めないか?
個人的には、
ボディー色(デンチン):A2B、A3B
エナメル色:NE(前歯部用)、OcE(臼歯部用)
の4色あればだいたいOKではないかと推測しており、まずはそれだけ購入しようかとヾ(・∀・)/
講演後の高橋先生にも「これ以上歯科医院のレジン増やしたくないので最小導入はこれでOK?ですか」と確認してきました。
ホント商売の邪魔をする(笑)
基本的にどこの歯科医院もベースのレジンがあると思うので、
いきなりシステムを変えるよりは使う頻度の多いレジンを導入した方がいいかと思いますね。
A4なんて、そうそう使わないですしね( ´ з`;)
私的には、今の所
臼歯はベース「OA3」(マジェステーLV)+表層「クリアー」(プレミス)
の2シェードレシピで良いかなと思っていますので、主に前歯で使用します。
アステリアのOcE(臼歯部用)もトクヤマレジン特有のベタベタ感も無くなり、プレミスっぽい固形感があります。
(*プレミスほど硬くはないですけど、扱いやすいかな)
後、気になった商品(レジン)は白水から出た『コンポコアAF』という支台築造用のレジン
デュアルキュア系のレジンの気になる所は重合収縮
重合収縮が大きいと、せっかく無菌的に根管治療をしても、歯と土台(レジン)の隙間から唾液感染して根管治療が失敗に・・・
ですから、根管治療の長期安定を考えれば、コア材料の重合収縮率は私は気になる所ではありますd(ゝω・o)
コンポコアはデュアルキュアでも重合収縮1.2%
先日の 「SDR」
http://eedental.jp/ee_diary/2014/08/sdr.html
メーカーの出した数字では『コンポコアAF』の方に軍配が!
また、コンポコアAFは私の好きな歯質と色の大きく違う白色がラインナップ!
(青色もありますが、青を歯に使うのは少し怖い・・・)
個人的には、歯の色と土台の色が違うことで再治療の際にピンポイントで人工物だけ除去ができ、
パフォレーションなどのエラーが起こりにくくなると感じています。
実際商品を触ってきましたが、操作性はいいと思いました。
これもファイバーポストを入れる症例に使用してみたいと思います。
臼歯のポストなし には従来通り「SDR」の積充填で行きます。(セルフべべリングがかなり便利なので!)
翌日講演された「歯内療法+レジン専門医」のマルコ先生もコアにはSDRだそうです。
この2つの材料は購入して、使ってみたいですね!
以上、材料のこと
後、講演のテクニック的なことも色々勉強になりました。
・マーカスバーグ先生 全てにラバーダムはしていない
・メーカーによって表記が違うので、色の目的、システムを理解する
2シェードタイプ
*デンチン エナメル
3シェードタイプ
*デンチン →エナメル →トランス(クリアー)
*オペーク →ボディー →トランス
*デンチン →ボディー →エナメルトランス
4シェードタイプ
デンチン →ボディー →エナメル →トランス
・トランス感のある歯の表現には内部のマメロンの下にオパール色を置く
以前ウィーン・オクダ先生が言われていたリバーステクニックのようなもので、内部に透明感を入れ上にエナメル・ボディーなどを薄く盛るテクニックですね。(←比較的簡単で私もよくやっています)
・メタルインレー:医原性の審美障害
・エッチングはエナメル質には限局的にした方がいい
・ノンプレップ(切削なし)のエナメル質はリン酸などに対して耐酸性があるので、正中離開などのケースは表面を微妙に削った方がいい
・エッチング後、エナメル質へのボンディングは刷り込まないで、そっと塗る(エナメルの突起が折れるので)
(昔は1液性のものはゴシゴシ塗れ的に言われていましたが、確かにエッチングした部分の突起にはそっとの方が良さそうです^^;)
・光照射:マイルドな光を長くの方がいい
(私は強い光で短時間×回数で行っていましたが、収縮量が大きい気がしています)
・OB窩洞は先にB面(頬側)を先に8割程度詰めてしまい硬化後、1級窩洞に形を変える
・ボンディング塗布後のエアーブローは一方向からボンディング材が踊らなくなるまで
(メーカの指示通りのエアーの圧でボンディング剤を窩洞から追い出すイメージで)
・現在のフロアブルレジン、ペーストと同じ強度を持ったものも出てきている(インジェクタブルレジン)
・B3シェード 殆ど使わない
・エナメル質とレジンの透過性によりマージンがバレテしまう場合、カットバック後にロングベベルにする
・アステリアレジン A2B or A3B+NE が基本シェード ホワイトニング歯はA1B or BL+WE
(その他、高橋先生に少しヒント貰いましたが、マニアック過ぎるので伏せておきます)
・フロアブルレジンは収縮量が多いのでエナメル質にクラックが入ることがある
・正中離開 1歯に詰める厚みが1mm以内なら1シェード(すなわち隙間が2mm以内)
1歯に詰める厚みが1.5mm以上なら2シェード(デンチン、エナメル)
・セラミックの歯頚部ラインを合わせるBTAテクニック(来年勉強しに行く予定)
・CAD/CAMもレジンのように1dayトリートメントであり、仮封剤、プラークの付着がないので接着がうまく行き長期安定しやすい
・CAD/CAMは歯質ににボンディング後、フロアブルレジンで接着させる
・レジン充填は、1、BALUE(明度)、2、TRANSLUCENCY(透明な抜け感)、3、FORM(形) が重要
TEXTURE(表面性状)、CHROMA(彩度)、HUE(色相)は上記の3つの後に気にする問題
・正中離開にはラバーダムをすることにより歯間乳頭を排除する
(その際マジックでラバーダムの正中に線を書いておくと軸がずれない)
・1つのレジンの色使いをマスターして、他のレジンを取り入れる
・レジン充填後は必ずデンタルを撮って確認する
・A6Bなど彩度の高いレジンを使い色の補正をする(明度のコントロールにもなる)
(私も、結構やります)
・正中は左右に微妙にずれても違和感ないが、正中が傾くと途端に見た目に違和感が出る
・レジン充填後の褐線、ボンディングの厚みを気にすること
・オールセラミックセット後はマイクロで縁下のレジンセメントチェックをすること(残りやすい)
色々な先生の話が聞けてかなり収穫がありました。
さっそく今日の正中離開症例にラバーダムしてみましたが、「あり」ですね!(。ゝ∀・)ゞ
各先生方の良い所取りで、目指せ日本一の真似士!
今日からフュージョンしまくりです
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