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歯内療法専門医 想像と推測からの治療

患者さんは50代女性

セラミッククラウンを入れた後も腫れてきて大学病院や市民病院へ行き

過去2回根管治療を行っているが良くならないとのこと

  

 

レントゲンを見ると、

2020 EEdental KO (1).jpg

大きな病変が見られます、それと同時に歯質の残存量が少なそうで

どうやら次の根管治療が最後の治療になりそうな雰囲気

 

 

患者さんに説明を行い保存する方向で2回法で治療

 

結果的に言えば、なんとか保存はできました、

2020 EEdental KO (2).jpg

1年で骨もびっちり出来てきてくれています!

  

実はこの歯、神経管が2本寄り添うように並行して存在し、

2020 EEdental KO (3).jpg

白い線が重なっているように見えます。

  

道具が入りにくい側の神経管(舌側)が全く手づかずでそこが感染源になってたと推測されます。

逆にいうと、以前の治療で治療されていた側は石灰化しており問題はないと判断し、そこまでを綺麗に仕上げておきました。

  

 

歯内療法専門医は下顎の前歯・小臼歯は2本の神経管というのが10~20%存在するという頭があるので、

この部位の治療を行う際には2本目の神経管が隠れていないかを注意深く探します。

  

このような10~20%にしか存在しない神経管を見落とした場合の予後は悪く、

何度治療しても治らないから、外科 or 抜歯が必要と判断されてしまうこともあります。

 

 

神経の治療は時に0.1mm以下の単位の治療も必要とされる繊細なものです。

私のファイルボックスにも0.06mmの極細のファイルが入っています。

(髪の毛より細い金属のヤスリです)

毎回必要な訳ではありませんが、極細の神経管を見つけた後にはこの細さの道具でないと治療できない場合もたまにあります。

 

根の治療は出来る回数も決まっているので、悪くなった歯を保存したい患者さんは一度歯内療法専門医に相談してみてください。

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