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歯内療法専門医 難易度高し!超石灰化根管
- 2020年7月15日 09:18
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
右下の歯に時々違和感があるとのことで来院
レントゲンを撮ると
大きなゴールドアンレーが入っており、隙間には【小さな虫歯】と根の先には【根尖病変】
違和感の原因であろう歯はすぐに特定できたのですが、
ん~~、これは神経が隠れてしまっていて難しい治療になりそう・・・
というか、体の防御反応で石灰化が起こり過ぎて神経が死んだか!?
1本奥の歯と比べてもらえば分かりやすいのですが、
第一大臼歯(右)と第2大臼歯(左)で神経管の形にかなり違いがあります。
歯髄腔も無くなっていることが根管治療をメチャ難しくしている要因・・・
近心根管はかろうじて、線は見えるが隠れた入り口を歯の中から見つけれるか!?
推定0.2~0.3mm
また入り口を見つけても、根の先まで線が見えるが激細で推定0.1mm以下・・・
図で表すと
このピンクの点を探し、神経管を傷つけないように根の先端まで掃除・・・
*因みにこういうケースで「パーフォレーション(歯に穴)」が起こりやすいです
歯科医師ならこの難度はよく分かると思いますが、 かなりの難易度。。。
患者さんにはまず上から通法の根管治療をして、神経管が探せない場合は後で外科的に根の先を切り取り逆から薬を詰めると説明
1回目の治療で
エアースケーラーにエンド用のダイヤモンドチップを付け、顕微鏡下で神経管の入り口を探す為に
少し削って、0.1mmのオープナーで突き、確認の繰り返しで根管口を探し、
そこから0.06mmと0.08のKファイルでクラウンダウン
0.08mmのファイル穿通後Ni-Tiファイルで拡大(プロテーパーゴールド)
普通のネクローシスパルプなら現在1回法で治すことが多いのですが、さすがに神経管を探すのに時間がかかりました。
2回目の来院の際には腫れもなくなり、重い感じの違和感もなくなったとのこと
根管充填+コア
近心根は2本の神経管が「Y」字になっていました。
*GP使用
いやいや、こういう激細根管はミス1つ許されないというか、レッジなどを作ってしまうと
二度と本来の根管が治療できないのでヒヤヒヤの根管治療でした。
この歯を最初治療させて頂けたので根の先まで綺麗に治療できたのかと思います。
患者さんに覚えていてもらいたいのは、根の治療は1回目が非常に重要です、
やり直しの根管治療になると前回の治療の後処理からスタートになるので難易度は上がり成功率は下がってしまいますヽ(- ω - )
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