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歯内療法日記: 2020年3月アーカイブ
コンポジストが『隔壁(レジン)』にこだわった超オリジナル治療
- 2020年3月28日 09:23
- 歯内療法日記
気づくと私はかれこれ10年使く縁下にもレジンを使用しています。
「外科的レジン治療」(簡易外科):
http://eedental.jp/ee_diary/2012/04/post-509.html
その為、「エキストルージョン」も「歯肉弁根尖側移動術」も行いません。
口腔内は非常に汚れた器官です、菌の宝庫です。
http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/g.microbiology/oral_infection/index.html
口の中の虫歯も歯周病でも根尖病変でも「コロナのような感染症」ですから、
できるだけ「短期間」
感染する恐れのある期間が短い方がいいと思っています。
ですから、即日に一気にキリのいい所まで進ませてもらいます。
今回は大臼歯編
患者さんは40代の歯科医師の先生
「歯が折れたとのことで来院」
レントゲンを撮ると
破折線らしきものが見えます。
次に咬合のチェック
かなり強く第一大臼歯に当りがあります。
既に折れておりエアーをかけると
こんな感じでプラプラ揺れる
まずはこの破折片を抜歯
髄角も見られます。
電気メスを使用しまずは窩底部のマージンラインを露出し
*ポイントは出血のコントロールです。
フロアブルレジンで隔壁スタート
縁上4mm近くまでブルドアップします。
*絶対段差がないようにストレートに立ち上げ
その後死んだ神経の根管治療
コアも同時に作り、仮歯の型取りをして1回目終了
ここまで2時間
その後仮歯を入れ生活してもらい
3か月後
レジンマージンなどが問題ないことを確認し、
フルジルコニアを製作
レントゲン
OK,OK
綺麗に修復することができました!v( ・ ε ・)v
ケース数をこなすと、
1、歯冠破折は骨辺縁まで折れていることが多く、歯根破折と異なり骨に悪い影響はまずない
2、歯の上だけ折れる歯冠破折のは動揺のない骨植のよい歯が多いです。
3、隔壁時の出血のコントロール、段差がないように慎重に詰める必要がある
*後取れない・取れにくい隔壁の仕方が存在します。
4、コアを作る際に、折れた付近の根管に3mm程度のポストを付与する
(リケージ防止の観点から)
などなど気を付けています。
先週も患者さんに
「縁下の虫歯で手術までしたけど、先生の所来ていれば・・・」
と言われましたが、
今回の方法超オリジナルでたぶん誰も行っていない方法なので仕方がないですよ(笑)
レアなキャラ的な「レジン」と「歯内療法」両方の専門だからね!
(〇流でも2つ得意分野があるとかけ合わせが出来る!)
意外と歯肉縁下にこんなレジン処置していますが、ポイントを押さえれば悪い感じはないですね!
新たな1つの術式になるか!?(笑)
12月の講演の際に今回のケース動画にして説明したいと思います。
http://eedental.jp/ee_diary/2019/12/post-1997.html
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歯の神経が弱る&死ぬと歯は茶色くなる
30代の女性患者さん
1件目の歯科医院で前歯の神経が弱ってきていると指摘される。
2件目の歯科医院でも神経を取る治療をした方がいいと説明されたとのこと
見せてもらうと
周りの歯に比べ1本だけ黄色~茶色の歯があります。
小学校の時に治療したとのことですが、
電気歯髄診断をしても、かなり弱い数値で既に神経が死んで根尖病変が見られます。
患者さんには神経を取る必要があること、
前歯なので高い審美性を求めるのであればセラミッククラウンがベターであること
もし歯を大きく削りたくなければ、ホワイトニングを行い歯を白く戻してから
前歯2本にレジン充填した方がいいと説明
患者さんは大きく削りたくないとのことで、レジン治療を希望
まずは根管治療を行い
1回法で根充して、GPの上にレジンを置き封鎖性を高め
その後、ホワイトニング(インターナルブリーチ)
歯科医院と自宅でホワイトニングを行います。
で、歯のベース色を白くして
全てのレジンを外し
レジンで詰めて
セパレーターを入れたので少し歯茎を押していますが、そのうち元に戻ります。
確認のレントゲン
段差なく綺麗に詰めれています。
神経を取った覚えがないのに歯の色が1本だけこのように黄色が強いようなケースは
以前の虫歯治療の影響や外傷などの影響で神経が死んでいる場合があります。
このような場合、まずレントゲンと電気歯髄診断で神経の生死を調べた方がいいと思います。
最近「くうしば」という人のユーチューブをよく見るのですが、
変色した歯のことを【死歯】と表現していて関西ならではの表現だなと笑ってしまいました(^。^; )
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神経の治療は歯科医院選びが重要 フルコンボ根管治療
- 2020年3月25日 09:03
- 歯内療法日記
20代の女性患者さん
2018年の9月に抜髄(初めての神経の治療)を行い
12月から咬むと痛い症状が現れる。
レントゲンを撮らせてもらうと
根尖病変が近遠心根2根に見られるのですが、
それ以上に健康な歯質が歯肉縁上に全くない・・・
しかもコアの適合も全然なっていない。。。(★。★)
患者さんには残すのはかなり条件が悪いことを説明しましたが、
患者さんは何とかトライしたいとのことで治療を行いました。
治療1回目
ファイル破折とパーフォレーションがでてきました。。。
もう、ちょっとねぇ・・・
前の先生は「本気で治す気あったのか!?」と思えてしまう。
穴埋めを行いファイルを除去して
*パフォレーションリペアもファイル除去も別途治療費が必要になります。
膿が止まったのを確認してMTAで根管充填
治療回数:3回
仮歯を作り生活してもらうこと6カ月
レントゲン
かなりいい感じに治ってきてくれています!
この間腫れも痛みなどの不快症状は全く無かったとのこと。
が、
一度大きく削られた歯質は元には戻りません。
私はこのような場合でも歯肉弁根尖側移動術などは現在行っていません。
http://eedental.jp/ee_diary/2020/02/post-1794.html
また6カ月ですが、歯肉縁下からのレジンレジンマージンですが、
歯肉は全く持って綺麗な状態を維持しております。
治療の質を求め、必要最低限の医療介入こそが歯を長持ちさせると考えております。
歯の治療はホントに繊細です、また神経の治療は1回目が肝心でその治療の質で歯の寿命の多くが決まってしまいます。
歯を長持ちさせたければ、ある程度「質」を求めた治療を受けられた方がいいですからね。
個人的な意見ですが、
今や東南アジアより安い保険治療費、特に根管治療費で歯を長持ちさせる治療というのはかなり難しいと思います。
歯を長持ちさせるというニーズはどこに行けばいいのか!?
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根管治療の成功率細かく見ると 歯内療法専門医を探すヒントに
- 2020年3月24日 09:20
- 歯内療法日記
根管治療の「成功率」 よく聞く話ですよね。
専門医の根管治療の成功率
・初回根管治療で90%
・再治療で70~80%
歯内療法専門医で13年やった肌感覚としてだいたいこのぐらいだと思います。
また、この成功率を更に細かく見ると
・ネクローシスパルプ(神経が死んでしまった初回治療)85%
http://eedental.jp/ee_diary/2019/07/post-1928.html
外科
・外科的歯内療法80~90%
となります。
成功率にこだわれば、自分の残せる可能性の高い歯を選択すべきで、
難しい歯などは治療せず抜歯選択とすれば治療せずにすみ、相対的に失敗の歯を減らせます。
ですからこの場合成功率は高くすることができます。
が、
私の知る歯内療法専門医はド変態が多いので、難しいケースほど燃える先生が多いです(笑)
http://eedental.jp/ee_diary/2017/10/post-1669.html
ただ、診断は非常に重要で、
特に歯根破折歯は手を出せばまず失敗しますから、その辺の診断というものは重要です。
http://eedental.jp/ee_diary/2020/03/post-2025.html
後、やり直しの治療の成功率70~80%なのですが、
・再治療で先の治療で根の先が壊されている(触られている)場合60%
根の先が前の治療で壊されているようなケースでは成功率は少し下がって60%と一段階低い値になります。
私も根の先が壊されているような患者さんには事前に外科が必要になる可能性をお話しします。
http://eedental.jp/ee_diary/2020/02/post-2018.html
つまり以前の治療でどんな削られ方をしたのか!?にもより成功率は変わってしまいます。
ただ、根尖が破壊され医原性の問題が根の先にあっても治る場合は治ってくれます。
http://eedental.jp/ee_diary/2019/01/post-1858.html
↑
このケースの更に1年予後
本来の根の先端は0.4mm程度ですが、
再治療などではゴリゴリするファイルで削られている場合は1mm近くまで削ってある場合もあります。
*「根の先を太く削って治すという考えは少し古いです。」
太く削らないと治らないケースもありますが、
多くの場合細菌感染経路を遮断せずに治療していることが問題だと個人的には思っています。
(虫歯除去、隔壁、ラバーダム防湿、仮封 まずこの辺りはきちんと出来ているのか?)
また太く削られた歯はデメリットだらけで
・歯が弱くなる
・根の先から人工物が漏れ出やすい
・痛みが出やすい
・根の先端を緊密に詰めるのが難しい
・根の先から押し出された人工物が痛みの原因になることも稀にあります。
私はこれらの問題を解決する為、根管充填の際
根の先が0.6mm以上に開いている場合に限りMTAを使用します。
生体親和性・歯に対してくっ付く・対破折性の配慮など
また成功率というのは部位にもより差があるということも感じており、
ちょっと前に歯内療法専門医の松浦先生と飲みに行って2人とも、
・上顎の側切歯(2番)*上のレントゲンの歯も側切歯
と
・下顎第2大臼歯(7番)
アンド
・上顎第2大臼歯(7番)
の根管治療は難しいし予後が悪いと話していました。
奥歯は治療する際にに器具が入りにくい、
たまに顕微鏡で見えているのですが、そこに触れないことも・・・
+根管形態の複雑さが難易度を上げています。
たぶん、そこそこ経験を積むとこの歯の難易度が他の歯より高いのは感じてくると思います。
まだ開業して13年ですが。。。
全然関係無いですが、写真のアメリカ帰りの松浦先生
福岡市で「歯内療法専門医」として開業されるらしいですよ(^。^)
話を戻して、
日本の歯内療法で支配的な考えである
【根管をごりごりファイルで削って、強い薬を何度も交換して、ゴムを根の先まで入れれば治る】
( ↑ 旧来の治療法)
ではありません!
正直、根の先までガッタを詰めれば治るという治療であれば、
個人的には根管治療の成功率は上げれると感じます。
ただ、『ゴムを綺麗に詰めれば治る治療ではない』ので、そこが根管治療の難しい所・・・
歯内療法専門医は治す為にはどうすれば確率が高くなるか統計的処理された論文から答えを出す訳です。
*この統計と言っても現在のものであり将来的には覆る可能性もあります。
根の治療はできて2~3回で打ち止め、次は抜歯となります。
悪くなってしまった自分の歯を残したい方は是非『歯内療法専門医』を活用してみてください。
おまけ、(あまり書くと同業から嫌われそうですが)
個人的な『歯内療法専門医 信頼度』
専門医といってもピンキリというか上手な先生から「?」な先生までおられます。
現在は歯内療法ブーム(第3次ブームらしい)ということもあり、自費歯内療法が非常に増えています。
私が開業した頃と全く医療ルール自体も変わっています。
http://eedental.jp/ee_diary/2011/02/post-243.html
歯内療法専門医が考える、信頼度が高い順に
1番目:アメリカの大学院に2年留学して歯内療法専門医のライセンスを取られた先生
2番目:歯内療法専門医として「歯内療法(根管治療)だけ」やっている先生(多くは自費専門の歯科医院)
3番目、歯内療法学会やスタディーグループの専門医(ラバーダムや顕微鏡を軽視する先生は除外)
4番目、歯内療法学会、顕微鏡歯科学会、AAE(アメリカ歯内療法学会)の会員で、ラバーダム+顕微鏡+MTA / CBCTなどを使用している先生
5番目、なんの歯内療法グループにも所属していない自称歯内療法専門医
*注意:顕微鏡、CBCTがあれば専門医ではないですからね^^;
また先の成功率の数字は専門医の成功率ですから、
上手な専門医ほどデーターに近い数字を出していると思います。
専門医と呼ばれれば一概に同じ成功率ということはあり得ません。
繰り返しになりますが、現在【根管治療ブーム】ですからそれこそ「タピオカ屋」と同じです。
医療も経済活動の1つですから、需要があり儲かると分かればそれを商売とする人は増えます。
後、ものすごく個人的な意見ですが、
「その歯科医院でインプラント治療をしていない」というのも1つの指標になるかと思います。
アメリカなどでは歯内療法専門医がインプラントなど行っていますが、
ぶっちゃけ、アメリカの歯内療法専門医のインプラントは・・・
ひどいインプラントはお金儲けにも思えてしまいます。
個人的なイメージですが、
日本の場合上手な歯内療法専門医は歯内療法だけで食べていけるので、
まずインプラントをまずしていませんので、インプラント治療をしていない歯内療法専門医を
探されるのも1つの指標にはなるかと思います。
*私の師匠のように何の治療でも出来ちゃう先生は稀におられますが・・・
ライセンスが無くても上手な先生はおられるのは確かです。
が、
一般の患者さんが上手・下手を歯科医院にかかる前に知るには不可能です。
また、かかりつけがあれば知り合いの歯内療法専門医を紹介してもらうのも1つですが、
多くの一般開業医は歯内療法専門医とパイプが無い為、
昔から困ったときに紹介して「治療して頂いている大学病院へ」となってしまいます。
*基本的に大学は教育機関でもあるので新卒が担当になる場合もあります。
後、歯内療法専門医でも先生によるタイプで治療方針に差はありますが、
これ書くと更に長くなるので止めます( ̄▽ ̄;)ノ
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数年前から膿の出る歯には大きな根尖病変が・・・
- 2020年3月11日 09:11
- 歯内療法日記
患者さんは30代男性
10年前に神経の治療を行い3年前から歯茎から膿が出るようになってきた。
部分的なインレーが入っており、かかりつけでインレーを外して消毒とレーザー治療を行った。
希望として金属を使用しない治療をしてもらいたい
レントゲン&CBCTを撮ると
近心頬側根、口蓋根にかなり大きな病変が・・・
無症状で進行する病変もありますが、歯茎から膿が出ている歯であれば
どこかの歯に細菌感染がある場合が殆どですから一度歯科医院で調べた方がいいですよ。
今回の歯は十分な歯質が残っていたので、根管治療後レジン充填で行くことに。
*私の1つの基準として歯を上から見て「コ」の字状に歯が沢山残っているケースはレジンで対応する場合があります。
たまに患者さんに相談されるのですが、基本的に私は無理して根管治療後にレジンで詰めるようなこと
あまりしませんので、歯質が少なければ「クラウン(被せ物)」を入れた方がいいと判断します。
*最後大臼歯(一番奥の歯)もクラウンやアンレーを勧めることが多いです。
少ない歯質の歯にレジンで強引に詰め物をしても予後が悪く、結果として抜歯が早くなってしまっては困りますのでね。
今回のケースは、
1回目に歯の中の虫歯を徹底的に除去して、前回の治療で詰めた人工物を全て除去
その後患者さんの都合で2カ月来院が出来なかったのですが、
2か月後の来院時には
歯茎からの膿もなく、症状もだいぶ改善してきているとのこと、
2回目の治療で、もう1回歯の中を徹底的に洗い根管充填+レジンコア+レジン充填
口蓋根の根尖は#70オーバーだった為、MTAで根管充填
レジン充填後
この後、定期的にレントゲンで経過を見ていきます。
根の治療、ルールはシンプルなのですが治療は非常に難しいのです・・・( ・∀ ・)ゞ
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歯髄形態を理解した上での必要最低限の切削根管治療
- 2020年3月10日 09:11
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
たまにありますが、虫歯でもないのに神経が勝手に死んでしまう歯
若い患者さんにはあまり見られませんが、私の経験では40歳以上の患者さんにはたまに見られます。
推測になりますが、かみ合わせ(歯軋り)の負担の大きな歯で起こってしまうことではないかな!?と思います。
私は小さな病変があっても特に大きな症状もなければ経過観察も1つかと思いますが、
ただ、今回のケースは根尖に変な石灰化が起こり神経管の形がどんどん歪になってきているので、
根管治療の難度がどんどん上がり、将来的には「根管治療+外科的歯内療法」での
Set治療が必要になると判断し介入することを決めました。
また今回の歯は冠部歯髄の石灰化が進み歯髄腔の張り出しも少ない為
2mm程度の穴からのアプローチ
*旧来型の根管治療を推奨する先生には完全否定される方法ですが・・・
顕微鏡と道具、CBCTがあれば今は可能かと考えます。
今回の治療を3倍速で編集(あまり関係のない所は多少カットしています)
流れ、
1、アクセス先端が0.8mm程度のダイヤモンドバーで穴あけ
2、露髄したら、マイクロオープナーで露髄確認と軸の確認
3、エアースケーラーにダイヤモンドチップで髄腔開孔
4、#08を入れ根尖付近まで入る、根管上部をNi-Tiで上2/3を形成
*この間髄腔にはNC入れっぱなし
5、上部形成後、#06を回さずプッシュで穿通⇒#08も同じように穿通
6、02テーパーのNi-Tiで根尖まで形成
7、02を通した後に06テーパー #20で根尖まで形成
8、洗浄後、EMRで作業長と根尖形を計測
9、超音波洗浄後(NC+EDTA) ⇒ 乾燥(ペーパーポイント+エアー)
10、根管充填(BCシーラー+GP1本)
11、NCが付いた象牙質&余剰シーラーを1層全て削り(エアースケーラー)
12、接着処理(EDTA イーライズ ボンド)
13、レジン充填 (マジェスティーLV OA2)
14、研摩
レントゲン
最近はそこまで緊密なGP根充法にこだわっていません。
理由は、材料の根管内密度で予後は大きく変わらないような気がするので。
個人的には、根管充填前の消毒法の方が非常に大切だと考えます。
因みに今回の歯、
セラミッククラウンにする気はなく咬合調整をしてバイトを下げています。
*意図的に咬む負担を軽減させていますヽ( ̄▽ ̄)ノ
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大きな虫歯 治療中に方針変更
患者さんは50代女性
虫歯の治療をしたいと来院
銀が外れた後しばらくそのままにしておいたようでかなり大きな虫歯が見られます。
レントゲン
かなり虫歯が大きく、私が出した方針は
神経の治療+土台+仮歯 ⇒ 数か月後にフルジルコニアクラウン
6番(奥から2本目)も大きなコンタクトカリエスがあり、
こちらは神経の保存は可能と判断し銀を外して「レジン充填」で白く治す。
話はズレますが、
女性患者さんの中には虫歯をみられるのが恥ずかしい、歯科医師にどう思われるのか!?
など考えている方がおられますが、
歯科医師側の私からすると、
「何も思わない」というのが正直な所で、
『どう治療したら綺麗に長持ちさせられることが出来るか!?』
しか考えないので、
「汚い歯」や「恥ずかしい歯」「臭う歯」など負の感情はそこにはありません。
もし恥ずかしく思われている患者さんがいましたら、
口の中を見られることを恥ずかしがることはありませんのでね!d(・ω・ )
話を戻して、
今回の歯
予定では1番虫歯の大きな歯を2時間で、「神経の治療を」して「土台(レジン支台築造)」まで
1回で治療をする予定だったのですが、
治療を行うと、「あれ!?これ神経残せないか!?」となり
*問診時に過去にも痛みがないことを確認していました。
覆髄後、レジンベースまで行いました。
虫歯をきちんと取り、レジンでベースまでしています。
予定していた治療時間が2時間、1時間近く時間が余ったので
手前の銀歯の虫歯も治療させてもらい
奥の歯は象牙質を全て隠し1カ月程度痛みがないか経過をみて、
大きな症状が無ければ仮歯を作っていきます。
奥から2本目の第一大臼歯はレジン治療でお終い!
今回のように虫歯は削ってみないと分からない所があるので、
治療を行うと治療計画とは異なってしまうケースもたまにあります。
残せる神経は残してやった方が当然いいですからね!( ・ ∀ ・ )
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根管治療の不備から大きな病変が・・・
- 2020年3月 4日 09:17
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
セラミックを入れていた歯が急に痛くなり歯科医院へ
前々から疲れると歯が浮くなどは感じていたそう。
歯科医院で抗生剤だけ処方され、本格的な治療を希望されB歯科医院に転院
治療を行うも治らず、すでに抗生剤を4回ほど飲んでおり治るのか不安
歯内療法専門医の存在を知りEEデンタルへ
レントゲンを撮ると
現在治療中の歯は中等度の病変はあるものの、何とか今回再治療できそう。
しかし、気になるの歯がもう1本奥のレントゲンに収まりきらない大きな病変も
根の治療の質を問うと本気で頑張ってこれなのか!?根管治療が超苦手なのか!?
残念ながら、こういう治療は一定数は見られます。
*それだけ根管治療が難しいということです。
で、患者さんが今困っている歯の治療からスタート
ゴリゴリに太く削ってありましたが、典型的なMB2の見落としパターン
MB2を見つけ拡大・洗浄から根管充填
この歯は根尖が破壊されていたので治るか治らないかは経過をみて判断
で次に奥歯の大きな病変の治療を行うと
たまにある変則4根管なのですが、
このケース私がファイルを折ってしまい根の先過ぎて取れませんでした。
が、
安心してください!
清潔なファイルを使用しているので、感染源になることはまずありません。
そこから6年経過し
両歯とも骨もびっちり出来問題なく使えております!
奥歯の根管治療は難しいですし、根の形状も複雑なのでどうしてもエラーが起こりやすく予後も・・・
今回の歯はたまたま上手く行ってくれました!( ・ω・)ノ
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破折歯の歯の保存 分割抜歯ヘミセクション
- 2020年3月 3日 09:14
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
根管治療はまず治療の前に「診断」です。
自分が治療して残せる歯、残せない歯を選択する訳です。
根管治療でどうしても治療が失敗してしまう【歯根破折】
これ本当に術前時に見つからないことが多々あり、麻酔を行いクラウン&土台まで外して
「歯根破折でした」と診断することもあります。
http://eedental.jp/ee_diary/2016/05/post-1388.html
私もある程度基準があり、診断の時点でおおよその検討を付けます。
1、根の取り囲むような透過像(側面)
2、歯肉辺縁辺りのフィステル(マーブル状のもの)
3、咬合痛(咬んだ時に一瞬出る痛み)
4、深い歯周ポケット
これらで検討は付けますが、破折は術者が破折線を見つけた時に診断名となります。
つまり疑いの領域での治療となります。
レントゲンで破折の疑いと診断しても治る歯もあります。
http://eedental.jp/ee_diary/2018/02/post-1729.html
この歯は結果論的に折れていなかったと思います。
今回は術前時に折れていると判断したケース
開業当時に治療させてもらい私が神経の治療を行った 30代の女性患者さん
最近になり咬むと痛く、腫れてきた
3枚のレントゲン
2103年に私が抜髄(根管治療)を行い
全顎検診の2018年当時は何も症状がありませんでした。
2020年1月に大きな痛みが出て、咬むと痛いと来院
この時腫れた原因が分かりませんでしたので、抗生剤を投与して経過観察すると診断
2020年2月!に再び咬むと違和感があると来院
私の判断は
「たぶん折れているので、根管治療をしても治らないと思います」
赤丸の部分に違いが出ています。
患者さんと相談して分割抜歯
*ヘミセクションは顕微鏡下で行った方が切断面に凸凹が出来ずスパッと切断できます。
(↑これポイント 段差がない方が歯磨きがしやすく歯周病のリスクを下げれます)
抜いた歯の観察を行うと
歯の真ん中にクラックが見られます。。。
今回は患者さんと話し合って半分残して、この歯を持たせれるところまで保存します。
動画になります。
この後6~8カ月で抜いた穴が埋まります。
この間、仮歯で咬めるか様子をみて6~8か月後問題なければクラウンを1本入れます。
こんな感じ
http://eedental.jp/ee_diary/2017/05/post-1589.html
経験を積めば積むほど歯内療法専門医は診断を最重要視します(・∀・)!
残念ながら、この歯を何カ月も頑張って治療しても膿は止まりません。
何より患者さんの時間も費用も無駄になります。
治療は原因に対して適切な処置を行わないと治りません。
原因が見えなければ下手に手を出すより今回のように待機診断を行うこともあります。
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