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歯内療法日記の最近のブログ記事
折れていると思われる歯の根管治療
- 2025年8月23日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
腫れてきてしまった為近くの歯科医院に行くと根管治療が必要と言われ、
根管治療ならEEデンタルへ行きたいと言うことで、来院されました。
レントゲンを撮ると
右上4に透過像が見えるのですが、側面に透過像がある為
折れているorパフォレーションを疑いました。
今更言っても仕方がありませんが、前の先生は削り過ぎだろ・・・
大きなメタルコアを慎重に外し1回法で根管治療
クラックはなく、2本の神経管の間に比較的太いイスムスがありその部分が汚れていました。
ここまで太く削っても手付かずで汚れた部分が出てくる。。。
顕微鏡で必要最小限の切削で治療を終えました。
根管治療+レジンコア+仮歯(2時間)
先日1年予後で来院して頂きました。
患者さんは腫れも痛みもなく生活出来ているとのこと、
レントゲンでも側面の透過像も無くなり、骨が出来てきてくれています。
先日も患者さんに言いましたが、今の50代以上の患者さんは
顕微鏡が無かった時代の治療が殆どで、大きく削る治療主体のものばかりなので
残り治療回数後1回という歯が多いです。
その最後の治療が失敗すれば抜歯となるので、結構治療もタイトに行わないとすぐにダメになってしまいます。
「十年一昔」といいますが医療もそれは存在します。
ただ、歯科医療の根本は削って人工材料で置き換えの歴史なんですが・・・
今回の患者さんも最後の治療で何とか治せて良かったです。
後はセラミッククラウンを少し低目に作り、しばらく負担の軽減をさせたものを作ります。
*クラウンも作りますが、健全歯質が少ない歯のかみ合わせは少し低目がいいと考えるようになりました。(理想的な咬合理論は机上の空論ように思えます。←あまり咬合勉強していないけどそう思います)
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根管治療何度もやり直すことのリスク
- 2025年8月22日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
5年前に2回目の根管治療した歯が10日前に腫れて来た。
押すと鈍痛がある。
レントゲン
MTAセメントが入っているようですが、根管はかなり太く削ってあり
以前の治療で、根尖も本来の根尖口とは違う場所にパフォレーションが見られます。
個人的には先端の削れるファイルで本来の根管でない所をゴリゴリ削らない方がいいと思うのですが・・・
*これやられると再治療の際の成功率も低くなります。
検査の際にプロービングしてみると、赤い小さな腫れ部分から12mmの歯周ポケット・・・
また顕微鏡でその辺りを拡大して見ると歯根破折の破折線が見られます。
患者さんには、根の方に病気はないので今回の腫れは歯が折れて起こったものだと考えられる
と説明
抜歯含め色々説明し、折れた半分抜く分割抜歯を希望され
後日分割抜歯
仮歯を入れ経過を見て行き、1年予後のレントゲンで来院されたので見させてもらいました。
術後
抜いた所も綺麗に治っており腫れや痛みもないとのことで、このままもうしばらく経過を見ることにしました。
歯の破折は50代以降に多い問題です。
特に過去の治療で太く削った歯に多くみられ、最近の根管治療のトレンドはあまり太く削らないになってきてもいます。
また傾向として、歯根破折が起こった患者さんというのは他の歯にも破折が出てくることが多いので、
夜間の歯ぎしり含めた咬む力のコントロールは必要になってきます。
と言っても専門は根管治療なので、力のコントロールはアドバイスする程度です(^^;)
*現在、咬む力を弱くする咬筋へのボトックス注射はしています。
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折れていると思われた歯
- 2025年8月19日 09:00
- 歯内療法日記
根管治療をする前に撮るレントゲン、専門医はこれを見て治せそうか!?検討します。
根の治療で治らないのが歯根破折(ヒビ)
他院からの転院でこられる患者さんの一定数はこの破折があり、
折れており治らないのに根管治療を続けてしまっていることがあります。
歯内療法専門医は一般歯科に比べると破折歯を見る割合が多いので、
レントゲンで「もしかしたら折れているかもしれない」と推測を患者さんに話すことがあります。
ただ、「歯根破折」という病名を付けれるのは術者が破折線を見つけた時
この破折診断の難しい所は、破折は顕微鏡でも全て見つけれる訳ではなく
歯茎の奥の方(根の先端)の方から折れてくるものに関しては殆ど分かりません。
今回のケースは
30代女性
2022年12月に痛みが出てしまい抜髄 その後治療を続けるが痛みが治まらない
しばらくすると膿んできてしまい、2~3ヵ月おきに抗生剤を飲んでいる。
治らない為に転院し根管治療を続けるがフィステルが治まらず、抗生剤で対処
2024年5月の初診時のレントゲン
近心根に透過像が見え、所見的に①もしかしたら折れているかも!?的な感じ
もしくは②根分岐部のパフォレーション+根尖病変のどちらかのパターン
また遠心舌側根も2年治療している割には手付かず。
経験上、抜髄スタートで治療を続け折れるというのも考えにくい・・・
ただ、患者さんには折れていたら近心根を分割抜歯し⑦⑥6の延長ブリッジにすると説明
まずは膿の原因を見つける為、その部分を適切に処理する為に根管治療をすることに
治療を開始すると、
仮蓋材を除去して歯の中を観察すると、近心根の入り口辺りにパフォレーション(治療による穴)
やっぱり②か・・・
黄色の部分に穴(パフォレーション)が開いていました。
穴の開いた部分をMTAにてリペアし手付かずの遠心舌側根を見つけ治療
近心根は2年におよぶ治療でかなり削られていた為、MTAセメントで根管充填
2年治療していた歯を1回法で治療
レントゲン上では綺麗に治療出来ています。
近心根過去の治療で削り過ぎでしょ!?と思います。闇雲に削った所で歯の寿命だけ縮めているだけで・・・
治療後1か月後に膿が出ているようなら分割抜歯をすると説明し、
1か月後の検診
膿は止まったが、なんとなく違和感を感じる。
⇒膿んでないのでこのまま様子をみることに、長いこと出ていた歯の違和感はすぐには消えません。
患者さんに説明するのは、膿や腫れが無ければ違和感が出ていた期間ぐらいは待ってと話します。
経過を見て行き、根管治療から1年後
レントゲン的には骨はしっかり出来てくれています。
患者さんの症状は腫れや膿はないが重い感じがまだ少し残っている、たまに痛むような雰囲気はあるが続くことはないということ
経験上、この違和感はもしかしたら残ってしまうかもしれませんが、
体は治ろうという所見がでてきているので、このまま様子をみることにしました。
毎回同じ言い回しになりますが、根管治療と言うのはホント1回目の治療でその歯の寿命の殆どは決まります。
悪くなってから処置しても不快症状が残ったり、歯の強度が落ちたりとあまり良いことはありません(T。T)
患者さんは通った先の先生が治してくれているものだと通院していますが、当の先生は根管治療に限界を感じているのは薄々気が付いていると思います、ですから自分の根管治療の限界であることは患者さんに早目に伝えるべきかと個人的には思います。
そうしないと歯の寿命も短くなるし、患者さんの時間も費用も無駄に奪っていることになります。
また患者さんも半年通院して1本の歯が治せなければ転院すべきかと思います。
大昔に書いたものですが:難しい根管治療と転院の時期 - EE DENTAL_Blog
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使えるまで使う歯科治療
- 2025年8月 6日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
銀歯を入れた歯から臭いが出てくる感じがあり根管治療をしたが治らず
現在2回目の根管治療中
転院先でCTを撮ると、折れているかもしれないと言われた。
レントゲン
レントゲン的に、はやり折れている可能性が高い。
また口蓋根には根尖病変が見られます。
患者さんに歯を残す為には根管治療+分割抜歯(トライセクション)を行う必要があると説明
患者さんの了解を頂き、1回法にて根管治療+レジンコア+分割抜歯(2時間)
やはり歯根破折でした。
顕微鏡で見ると破折線はすぐに分かったのですが、基本的に破折線は非常に細い為
明るいライトの元、拡大視野で見ないと判断できません。。。
1回目の治療から1か月後に来てもらい仮歯をセット
そこから1年後
患者さんも問題無く咬めており非常に感謝されました。
歯の治療はリペアの類ではありますが、きちんと治療をすればしばらくは使えることがあります。
今回のようなトライセクション(3本のうち1本を抜く)は意外と長持ちする歯が多い印象があります。
この先20年持つか!?と言われれば、患者さんの使い方次第でになってしまう面はあります。
先週の患者さんなどは前医が起こした大きなパフォレーションがあり、
全く腫れや痛みも無かった為、私的には問題が出たら外科的介入しましょうと患者さんに話していたのですが、久しぶりに来院された際に見せてもらうと今のかかるつけ先生に膿んでいるからと抜歯されていました。
外科処置すれば保存出来たのに・・・と心の中では思ったのですが、それは今のかかりつけの先生と患者さんが出した方針なので仕方がありません。
同じ歯を見ても残すという治療オプションを持った歯科医師と抜歯しかないと判断する歯科医師
誰に治療してもらうかでも大きな差は出てしまいます。
(極端に言えば1本抜けばその負担は隣の歯に行くので隣の歯の寿命は短くなります)
歯科医師の傾向として、インプラントという治療選択肢を持っている先生の方が抜歯介入が早い傾向はあります。
(これは骨が良い条件の時に抜いてインプラントした方が予後が良いという面もあります)
今回のケースも何年持ってくれるでしょう。
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根管治療時間を短縮する為には
- 2025年8月 2日 09:00
- 歯内療法日記
今日から8月
そろそろスライドを作り始めないとなと思いつつ、動画の方の素材も準備しています。
9月21日【中部歯内療法学会】 - EE DENTAL_Blog
今回のケース
患者さんは40代女性
普通の時は痛くないが、咬むと痛かった歯がかけてきた。
レントゲン
発見の遅れやすいコンタクトカリエスから虫歯が大きく広がってしまったケース
縁下(歯茎の下)深い場所まで虫歯が進行しています。
レントゲン上では虫歯が神経まで達しており、根管治療を行い歯の保存を行うことにしました。
こういった歯茎の中まで進行した歯の治療難度は高く予後は悪いです。
よく見るケースは封鎖が出来ておらず根管治療を行い、何度も何度も半年以上治療して治らないと転院されてくる方もいます。
今回のケースも毎度変わらず歯肉をトリミングして、縁下から段差隙間のないように隔壁
歯肉弁根尖側移動術しないで縁下からレジンで立ち上げて大乗なのか!? - EE DENTAL_Blog
麻酔を行い、う蝕検知液を用いて虫歯をしっかり取り、隔壁終わるまでに40分
そこから5分休憩を挟み、患者さんにはラバーダムして「1時間頑張ってね、痛くなかったら寝ててもいいですよ」と説明
一般的に上顎第一大臼歯は4根管のことが多く、
①4本の神経管を見つける
②根の先まで神経管を探る
③細い神経管を少し太く削る
④消毒剤で洗浄
⑤ガッタパーチャーを詰める
⑥接着処理をしてレジンコアを作る
を1時間以内で行いたい。
そんな時間で出来るの!?と思われると思いますが、大臼歯の抜去歯であれば30分もあれば根管充填までは可能です。
口腔内になると開口量の問題から作業スペースが小さくなるので余計に時間がかかります。
後、患者さんの場合は抜去歯と異なりエラーがないように各ステップ慎重に行う分時間が多少かかります。
で、今回のケース
ラバーダム後、根管治療+レジンコアまでで50分でした。
一応MB2も処理しています。
(患者さんが診療室に入り、簡単な説明から始まり、麻酔、虫歯除去、隔壁、ラバーダム、根管治療、コア、術後レントゲン、術後説明までして1時間45分の診療時間となります)
根管治療を素早く終わらせるコツは、穿通操作をいかに早く正確に行うか!?
これに尽きますね!( ・ д ・)
次回、仮歯を入れ咬めるようにして行きます。
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3件で「異常ない」と言われた歯の根管治療
- 2025年7月30日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性
耳鼻科からの紹介状を持って受診
持ってきて頂いた紙には30年前に根管治療済み
2022年A歯科医院で根管治療をせずにクラウンだけやり替えた。
その後高さの違和感が続き、その後歯が浮いたような違和感が出る。
2023年右頬から右耳にかけて激痛が出てしまい再びA歯科医院へ
A歯科医院は副鼻腔炎を疑い耳鼻科へ行くように言われる。
⇒ a耳鼻科ではCT検査の結果歯科医院を受診しないさいと言われる。
→ 転院してB歯科医院へ レントゲンでは右上の異常ないので右下の親知らずを勧められる
時々痛い状況が続き、→ C歯科医院を受診 レントゲンでは問題無し治療をした左上6以外の歯の原因が疑われる右下の親知らずの抜歯を行う
しばらく後、再び右頬から右耳にかけて激痛が出た為、⇒b耳鼻科へ行くと右上6が原因の可能性が高いので歯科医院へ行くようにと言われ、患者さんの希望で歯内療法専門医のEEデンタルへ
レントゲン
一見問題なように見えますが、専門医がみると右上6が原因で副鼻腔炎になってしまった感じ
理由は上顎洞底線の変化(連続性)を見ます。 根尖病変があると上顎洞底線が上に持ち上げられます。
毎日この分野を治療している人間からするとすぐに分かりますが、GPの先生だと難しい診断かもしれません。
患者さんには右上6の根管治療をまずはやり直した方がいいと説明
歯の中の細菌感染で膿んできているのが長く続くと、副鼻腔まで炎症が広がり鼻に症状が出ることがあります。
今回はこのケースを疑いました。
治療1回目
鼻の原因だと思われる近心頬側根は殆ど手付かずで2本の神経管MB根、MB2根が出てくる。
1回目の治療で根管内を徹底的に洗浄
治療2回目 腫れや痛みの無いことより根管充填
根管充填材はガッタパーチャー使用
今週、患者さんが来院されレントゲンを撮らせてもらいました。
調子は良いようで、腫れや痛みもないそう。
レントゲンでも治癒傾向が見られ、上顎洞底線も下に下がってきてくれています。
赤い線が青い線になってきており、治癒傾向が見られます。
*根管治療をしても骨の変化は徐々に変わってくるもので、治療したからすぐに元の状態とはなりません、この後もう1年ぐらいすると青い線から更に下に下がると思います。
今回のケースのように上顎洞と根尖病変が被っているような場合、GPの先生だと診断が付かない場合があり、今回のように歯科→耳鼻科→歯科→耳鼻科 などの繰り返しにることがありますが、
副鼻腔(上顎洞)が問題を持っていれば、すぐに歯内療法専門医の歯科医院へ行った方が時間を無駄にせずにすみます。
専門医的に言えば、B歯科やC歯科のように副鼻腔の問題で下顎の歯を疑うことはありません。副鼻腔炎であれば上顎の歯が必ず原因歯になります。
問題ないと言われ続けた歯から膿で上顎洞炎に・・・ - EE DENTAL_Blog
今回の患者さんもう一度レントゲンを撮って終了となります。
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ラッパ状に開いた根尖
- 2025年7月25日 09:00
- 歯内療法日記
歯内療法専門医を行っていると、再治療の頻度は非常に多いです。
ただ、正直に言うと根管治療するなら最初の根管治療で治療させてもらった方が費用対効果は非常に高いと感じます。
理由は再治療は最初の根管治療に比べ、医原性の問題と細菌による体の変化があるので
初回根管治療の成功率を越えられない。
今回のケース
患者さんは60代女性
2年前に根管治療を行った歯が痛む が主訴
話を聞くと、治療後から痛みが続いているとのこと
レントゲン
口蓋根が手付かずで根尖病変が見られます。
また、レントゲン所見的に
黄色丸のこの部分の所見にも違和感を感じる。
ということでCTで診察させてもらうと、パフォレーションのような所見
治療をスタートすると、
「あれ!?この歯の軸がレントゲンより傾いていないか!?」
本来口蓋根がありそうな所が探索され削られパフォレーションがありました。
レントゲン的にも近心側(歯の前より)に根管があるはず
過去の治療で髄床底は凸凹になっており、簡単には神経管の入り口は見つけれません。。。
顕微鏡で探索すること数分、これかな!?という穴を発見
パフォレーションもある為、電気長根管測定器の反応が安定しない・・・
と言うことで、本来の根管であるか確認の為にレントゲンを撮ると
OK、本来の根管発見!
1回目の治療でパフォレーションリペア(レジン)とMB2含めた4根管穿通&拡大&洗浄まで終了
1か月後の治療2回目
腫れはないが、痛みは2年前から続いており悪くなった感じはないが痛みは多少ある。
これなんですよね、痛みが長く続いていた歯というのは脳が痛みを記録している為に適切な処置を行っても痛みが引くのは時間がかかります。
最悪、非歯原性歯痛となると根管治療後薬物療法が必要になることもあります。
根管内は綺麗であった為、根管充填をすることに
*この辺りは痛みが引くまで待って根管充填する先生もいますし、私のように根管内が綺麗であれば治療を前に進める歯科医師もいます。
私は小林先生の名言「根管内が綺麗で(顕微鏡下)やることなかったら根管充填して様子見」を実践しています。
これでも開業以来、トラブって根管充填材を再び取ったことはありません。
レントゲン
見つけた口蓋根が一見ショートしているように見えますが、
これは電気長根管測定器の限界というか・・・
歯の長さは電気を使って計測するのですが、この計測ポイントは
歯の長さの計測ではなく、神経管の最も細い部分を計測します。その細い部分を最狭窄部分といいこの部分が根の先端付近になるのでこの部分の電気値を測定しています。
通常の神経管の多くは鉛筆の先のように先細りになっており、その鉛筆の先の一番細い場所を根管充填の際の終末点とします。
ただこの歯
CTで見ても根の先がラッパ状に広がっており黄色線の部分よりピンク線の部分の方が細いので
電気での計測ではこの場所を終末点として計測します。
経験上、多くの場合抜髄(初回根管治療)ではこのようなケースは少ないのですが、
根尖病変(膿)があるような歯だと根尖、根管内に変化が起こりこのようなことが起こります。
ですから、先に書いたように初回根管治療より2回目以降の根管治療の成功率が低くなるわけです。
歯内療法専門医なので、このような悪くなった歯を担当するのですが、正直
「1回目の治療から来てくれていたら・・・」とは毎回思います。
歯というのは歯を失った方、根管治療で困った方は
歯の治療の重要性を知ってくれるので、次回から歯の問題は一番に相談してもらえるのでその点は難しさを患者さんに話して良かったなと思う部分はあります。
今回のケースも
パフォレーション部の治癒と根尖病変の治癒が両方揃って成功となり歯の保存ができます。
ただ、2年も痛みが続いていると病変は2か所治っても、脳が記録した痛みが取れないこともあり、この場合はペインクリニックでの投薬治療が必要となります。
歯の治療ってホント、誰に最初に治療してもらうかが非常に重要だと思います。
*偉そうなこと言っていますが、私は普通レベルの歯内療法専門医です。
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歯肉弁根尖側移動術しないで縁下からレジンで立ち上げて大乗なのか!?
- 2025年7月12日 09:00
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
私が勤務医時代、マージン(被せ物の縁)は健康な歯質に設定することが推奨されており
その為、歯肉弁根尖側移動術(APF)などをやっていましたが、
今の自分からすると、歯茎切って、支持骨減らして、歯型ライン凸凹にして歯冠乳頭なくしてまで行う「歯肉弁根尖側移動術」って、必要!?と思います。
痛い思いをしてわざわざこんな外科する必要ないんじゃないかな!?
ただ、複数本にわたるブリッジでフェルールが1本も確保できないような場合はやった方がいいかもしれませんが、個人的にロングスパンはやらないのでそういうスチュエーションにはならない。
このブログ初めて読む人もいると思いますが、
基本的に私は歯の寿命を最大限の延ばすのはどうすればいいかを考え診療をやっています。
今の答えは、なるべく医療介入(積極的な治療)をしないが答えです。
昨日も患者さんに
「先生に昔(2008年)治療してもらった前歯のブリッジやり替えた方がいい!?」
『何で!?』
「だって、古いから」
『古い理由に治療していたらそのうち歯無くなるよ』
「問題が出たら治療した方がいいけど、問題無く使えているなら積極的なやり替えは勧めない」
みたいなやり取りがありましたが、【古い=やり替え】はしない方がいいです。
今の歯科医学的にこうという治療の半分近くは懐疑的に見ているひねくれ者です。
成人矯正もここまで多くの人がやる必要はないと思っています:成人歯科矯正のリスクとデメリットよく考えてからやってね。 - EE DENTAL_Blog
今回のケースは歯冠・歯根破折で縁下からレジンで立ち上げたケースの予後報告
コンポジストが『隔壁(レジン)』にこだわった超オリジナル治療 - EE DENTAL_Blog
破折片抜歯+根管治療+レジンコア+クラウンまで治療を行いました。
縁下(骨頂辺り)からレジンで立ち上げていますが、
他の歯の治療で久しぶりに来院されたのでレントゲンを撮らせてもらいました。
患者さんは歯科医師の先生ですが、今の状況を聞くと何も問題無い。
「調子は良い!」と言っていました。
歯肉を見てもしっかり磨いてもらっているようで特に目立った炎症所見もありません。
歯冠破折などは40代以降に見られやすい現象で歯ぎしりなどが強い人に良く見られます。
抜いてインプラントという提示を受ける患者さんもおられますが、意外と歯ってきちんと治療すれば持ちますよ!
こんなこと20年近くやっていますが、未だに縁下のレジンが問題で炎症(膿んだ)になったケースってゼロなんですよね v( ̄ー ̄)v ニヤリッ
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昭和時代の根管治療から今どきの根管治療へ
- 2025年7月11日 09:00
- 歯内療法日記
以前書いたブログ
根管治療は1回、2回で終わって大丈夫なのか!? - EE DENTAL_Blog
個人的にはあまり長々根管治療しない方がいいと思っています。
理由は仮蓋期間中で細菌感染が起こり治療が失敗する可能性が出てくるから
2回で治療を終わらせましたが、
根尖病変は小さくなってきてくれ骨も出来てきています。
一応、根管貼薬を繰り返さないと治らないと言った古い考えの昭和衛生士に
「ほら見ろ!治ってきているじゃないか!」 と伝えておいて!と言っておきましたが、
はたして伝えてくれるでしょうか!?(笑)
こんな感じで歯の中がきちんと綺麗になれば治療回数をかける必要はありません。
ただ、膿が出てくるような歯に関してはもう少し回数がかかります。
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樋状根の予後
- 2025年7月 8日 09:00
- 歯内療法日記
以前ブログにさえてもらったケース
治療は1回法で治療を行いました。
1年予後のレントゲンを撮らせてもらいました。
綺麗に根尖病変は治ってくれており、症状も無くなりました。
こんなに複雑な根管治療ですが、綺麗に治ってくれています。
先日のケースなどはかなりシンプルな根管でしたが・・・
決定的に違うのは根尖(根の先)の吸収の有無
個人的な経験則では根尖の形が綺麗なものは、感染後そんなに時間が経つていないのか治りがいいですね!
しっかり骨も出来たのでこの後クラウンを製作します!d(・ω・)
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